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ヨガシークエンスとは?考え方や組み立て方のポイントをわかりやすく解説

記事作成日:2024.12.12
「ヨガシークエンスってどうやって作るの?」
「目的に合わせたヨガシークエンス例はある?」

上記のようなことでお悩みではないですか?
ヨガシークエンスは、レッスンの流れやポーズの順序を構築するもので、日々の指導において重要な役割を果たします。適切に組み立てられたシークエンスは、レッスンの質を高め、参加者の満足度を向上させます。

この記事では、ヨガシークエンスの基本的な考え方や作成時のポイント、目的に応じた具体的なシークエンス例について詳しく解説します。最後まで読むと、すぐに実践できるシークエンスが理解できるので、ぜひ参考にしてください。
ヨガシークエンスとは?考え方や組み立て方のポイントをわかりやすく解説

目次

ヨガシークエンスとは

ヨガシークエンスとは、ヨガのレッスンにおいて、ポーズの順番や流れを構築することです。レッスンの安全性が確保され、参加者にとって効果的で満足度の高い時間を提供できます。

難易度の高いポーズや筋肉の強い緊張を伴う動きを無計画に配置すると、ケガのリスクが高まります。初心者には分かりやすくて取り組みやすい、経験者には効果的で挑戦を感じられるシークエンスを組むと、全員が安心して楽しめるレッスンを作成できます。

ヨガシークエンスは、ポーズの順番や流れをクラスのレベルや目的別に合わせて組み立てると、レッスンの効果を最大限に引き出し安全性も高まります。

ヨガシークエンスの作成するための6つのSTEP

ヨガシークエンスの組み立ては、時間配分、テーマ設定、ピークポーズ選定、流れの計画、クールダウンの設定が必要です。
以下では、一つずつ解説していきます。

2-1STEP1.時間配分を決める

対面クラスは45分から90分が一般的です。
例えば、60分クラスの時間配分例は次の通りです。

・はじめの挨拶:1分
・呼吸調整:3分
・ウォーミングアップ:10分
・メイン:35分
・シャバーサナ:10分
・終わりの挨拶:1分

シャバーサナとは、ヨガのレッスンの最後に行われるリラクゼーションのポーズです。直訳すると「死体のポーズ」と呼ばれ、仰向けに寝て全身をリラックスさせるのが特徴です。

2-2STEP2.テーマを設定する


テーマの設定は、効果的なヨガシークエンスを作成する上でとても大切です。レッスンの流れが統一され、参加者がより充実した時間を過ごすことができます。
精神的なテーマと身体的なテーマを決めましょう。
具体的なテーマは、主に以下のようなものです。

・精神的なテーマとしては「集中力向上」「リラックス」「ストレス解消」
・身体的なテーマとしては「腰痛改善」「体幹強化」「ダイエット効果」
初心者の場合は、一つのテーマに絞ると良いでしょう。レッスンをシンプルで効果的に進められます。
テーマ設定はレッスンの質を高めるために不可欠です。参加者にとって明確な目標を持ったレッスンは、より大きな満足感をもたらすでしょう。

2-3STEP3.ピークポーズを決める

レッスンの中で最も強度の高いピークポーズを選び、それを中心に組み立てましょう。
効果的なヨガシークエンスを組み立てるために重要です。
例えば、ピークポーズを「ダウンドッグ」に設定した場合、必要な柔軟性や筋力を養うポーズをリストアップし、準備運動として組み込みましょう。

ピークポーズを事前に決めることで、レッスンの構成が明確になり、参加者は無理なくレベルアップを実感できます。

2-4STEP4.流れを考える

シークエンスの流れは、レッスンを効果的に進めるために重要です。参加者が無理なくポーズに移行し、安心してヨガを楽しめます。
具体的には、呼吸調整で始まり、ウォーミングアップを経て、ピークポーズに向かうアーサナを組み立て、最後にクールダウンに入る流れが理想的です。

シークエンスの流れをしっかりと考えると、参加者が心地よくポーズを行え、充実したレッスンを提供できるでしょう。

2-5STEP5.クールダウンを考える

クールダウンを考えるのは、レッスンを効果的に締めくくりに重要です。心身の回復とリラックスを促すのに効果的です。

シャバーサナに入る前に、リラックスを促すアーサナを組み込むと良いでしょう。例えば、前屈や軽いツイストのポーズは、身体を落ち着かせて副交感神経を活性化させます。また、心が安定し、身体もリラックスできるでしょう。

クールダウンを行うと、レッスン全体の効果が高まり、参加者はリラックスした状態でクラスを終えられます。

2-6STEP6.全体のバランスをチェックする

シークエンスが完成したら自分で確認し、最後は全体のバランスをチェックしましょう。


実際に動いてみると、ポーズ間の遷移がスムーズであるか、無理なく参加者が次に進めるか見極められます。

前屈と後屈、左右のバランスが取れているかを意識しながら確認し、必要に応じて調整を加えます。全体のバランスをチェックし、参加者にとって安全で充実したレッスンを提供しましょう。

完成したシークエンスを一度自分で動いてみて、スムーズに行えるか確認しましょう。

理想的なヨガシークエンスにするためのポイント

理想的なヨガシークエンスを作成するには、ポーズの順序やつなぎ方の工夫が必要です。
ここでは、理想的なヨガシークエンスにするためのポイントを詳しく解説していきます。

3-1身体の動きに無理がなく負担が少ない

理想的なヨガシークエンスは、無理のない身体の動きを意識した構成です。
ポーズが不規則に配置されてしまうと無駄な動きが多くなるため、かえって疲労を招き集中力が低下してしまうためです。

例えば、あおむけのポーズからいきなり立位、次にうつぶせ、その後また立位などの組み合わせは、余計な動きが多くなってしまいます。一方で、あおむけのポーズから徐々に起き上がって座位へ、ゆっくりと立位のポーズへと進む流れであれば、自然で無理のないシークエンスが形成されます。ヨガの流れがスムーズだと参加者が快適にレッスンを楽しめるでしょう。
無駄のないシークエンスは、身体に優しくヨガの集中力を高めます。ポーズの組み合わせを意識して、良質なヨガレッスンの作成を目指しましょう。

3-2ポーズの効果を最大限に引き出す

理想的なヨガシークエンスは、各ポーズの効果を最大限に引き出します。適切な順序でポーズを行うと、心身を落ち着かせリラックスできるからです。

例えばヨガのポーズには、以下のような効果があります。
・筋肉をストレッチする
・特定の部位を強化できる
・血液循環を促進する
・呼吸を整える
ポーズを効果を最大限引き出すためには、自然な流れで組み合わせるのが大切です。ヨガの効用が一層高まり、参加者の心身がより深くリラックスし活性化されます。
適当にポーズを並べてしまうと、本来の効果を十分に得られないばかりか、筋肉や関節に負担をかけてしまい、ケガや不調の原因になる可能性もあります。
ポーズを効果的に組み合わせ、心地のいいシークエンスを作りましょう。ヨガの良さを最大限に引き出し、安全で充実したレッスンを実現しましょう。

3-3参加者が心身ともに満足感を感じられる

理想的なヨガシークエンスは、参加者が心身ともに満足感を感じられる構成にされたものです。ヨガを心地よいリズムで行うと、参加者がヨガを通じてリフレッシュし、心地よい達成感を得られるからです。

例えば、ポーズの順序を工夫し、座位から四つ這い、立位へと自然に移行することで、体位変化に伴う負担を軽減し、安全性が高まるでしょう。また、肩や背骨を意識的に動かすと、リラクゼーション効果が高まり、参加者は身体の緊張がほぐれる感覚を得られます。参加者はヨガの時間をより充実したものとして体験できるでしょう。

理想的なヨガシークエンスは、参加者が安全で効果的にポーズを行い、最終的に心身の充実感を得られるように構成されています。ヨガのメリットを最大限引き出し、参加者にとって有意義な時間となるでしょう。

ヨガシークエンスの例|目的別の紹介

ここでは、ヨガシークエンスの例を目的別にご紹介します。
目的別に必要な解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

4-1【肩こり解消】

肩こりを解消するためのヨガシークエンスは、ただ肩を使うポーズだけでなく、多角的にアプローチすることが重要です。
肩こりに効果的なシークエンスは、肩回りの筋肉や関節をほぐし、血流を促進するポーズを組み合わせると効果が高まります。また、肩だけでなく体幹や下半身を使ったポーズを取り入れると、肩の緊張を和らげ全体的なバランスを整えられるでしょう。

肩こり解消のためのヨガシークエンスは、以下のポーズを取り入れると良いでしょう。

1 子犬のポーズ 脇、肩周り、体側、背中をほぐす
2 猫と牛のポーズ 背骨や肩甲骨、骨盤周りの柔軟性を高める
3 糸通しのポーズ 背骨、肩周り、背中、腕をリリースする
4 鷲のポーズ 肩甲骨、腕、胸、体幹をストレッチし、緊張を緩和する
5 魚のポーズ 背中、肩甲骨、胸、首を開き、血行を促進する

上記のポーズを段階的に行うと、はじめは肩周りの筋肉を緩め、次第に身体全体を使う動きに移行します。肩の関節周りの筋肉を使い、血流を良くする動きを組み合わせると、肩こりを効果的に緩和できるでしょう。
肩こり解消のためのヨガシークエンスは、肩と首の筋肉を重点的に全身のバランスを考慮してポーズを構成しましょう。肩周りの緊張がほぐれ、持続的な効果が期待できます。

4-2【筋力アップ・ダイエット効果】

筋力アップやダイエットに効果的なヨガシークエンスは、事前に筋肉を温める準備が必要です。動的ストレッチや準備ポーズを取り入れると、身体を効率よく動かせるので、ピークポーズへスムーズに移れるでしょう。

筋力アップ・ダイエット効果のためのヨガシークエンスは、以下のポーズを取り入れると良いでしょう。

1 チャイルドポーズ 鎮静、集中力を向上させる
2 トラのポーズ 体幹、ヒップ、下半身を強化する
3 下を向いた犬のポーズ 全身運動、血流・代謝アップ、脂肪燃焼を促す
4 戦士のポーズ2 体幹、下半身強化、股関節の強化する
戦士のポーズ3 体幹、背筋、下半身強化、バランス感覚を養う
6 半月のポーズ ピークポーズ、体幹を使用しバランス感覚を養う
7 ゆるい前屈 クールダウン、リラックス

上記の流れでシークエンスを組み立てると、筋力強化や代謝の向上が促され、ダイエット効果を高められるでしょう。

4-3【内臓の冷えや自律神経を整える】

内臓の冷えや自律神経の乱れを整えるヨガシークエンスは、血流を促進したり、内臓を刺激したりして働きを活発にします。冷え性や不眠、肩こりなどの緩和を助け、心身を整えると日々の疲れを癒し、健康的な状態を保てます。

内臓の冷えや自律神経を整えるためのヨガシークエンスは、以下のポーズを取り入れると良いでしょう。

1 ねじったイスのポーズ 体幹を使用し、お腹の力を使い、内臓に刺激をする
2 ウサギのポーズ 頭頂部のツボを刺激して自律神経を整える
3 合蹠(がっせき)のポーズ 骨盤周りの筋肉をほぐし、下半身の血流を促進する

上記のポーズを取り入れると、内臓の冷えや自律神経の乱れを整え、心身を癒す効果が期待できます。自己回復を促し、心地のいいリラクゼーションをもたらすヨガシークエンスを取り入れるのが良いでしょう。

4-4【初心者向け】

ヨガ初心者は、最初のステップは誰でも無理がなくできるポーズで構成されたシークエンスを選択しましょう。基本的なポーズは、身体の動きや姿勢を安定させ、柔軟性を向上させるのに役立つからです。

初心者向けのヨガシークエンスは、以下のポーズを取り入れると良いでしょう。

1 山のポーズ 姿勢を整え、身体のバランス感覚を養う
2 立位前屈 柔軟性を向上させ、リラックスを促進する
3 猫と牛のポーズ 背骨の動きを促進し、緊張をほぐす

初心者が安全にヨガを始めるには、基本的なポーズを中心にしたシークエンスを選ぶと良いでしょう。身体への負担を抑え、ヨガの効果を実感しながら、スムーズにヨガの基礎を学べます。

4-5【上級者向け】

上級者向けのヨガシークエンスは、高度な柔軟性や筋力を養い、精神的な集中力をさらに高めます。上級者がヨガを続けていく中で、成長していくためには力強さと柔軟性を高める動作や高度なポーズを取り入れる必要があるからです。

上級者向けのヨガシークエンスは、以下のようなポーズを取り入れると良いでしょう。

1 戦士のポーズ2 足腰の筋力を強化し、全身のバランスを整える
2 三角のポーズ 柔軟性を高め、体幹を強化する
3 逆転のポーズ 体幹を鍛え、血行を促進する
4 鶴のポーズ バランスと集中力を高め、上半身を強化する
5 片脚王のハトのポーズ 柔軟性を必要とし、股関節と体幹を強化する

上記のポーズをシークエンスに組み込むと、身体全体を強化し、柔軟性とバランス感覚を高められます。準備運動として太陽礼拝を数セット行い、筋肉をしっかり温めてから取り組みましょう。
上級者向けのヨガシークエンスは、練習者の身体能力を向上させ、ヨガに対する新たな理解を深められるでしょう。

ヨガシークエンスに関するよくある質問

ここでは、ヨガのシークエンスに関するよくある質問に3つ回答します。

5-1ヨガシークエンスをノートにまとめる際に工夫すべきことはありますか?/h3>

ヨガシークエンスをノートにまとめる際は、以下の点に注意しましょう。
・目的とテーマを明記する
・時間配分を記載する
・ポーズとその目的をリストアップ
・呼吸とリズムの注意点
・アジャストメントや注意点
目的やテーマ、時間配分、各ポーズのターゲットや呼吸法を記載すると、全体像が理解しやすくなり、スムーズなレッスン管理が可能です。また、ポーズごとの注意点やアジャストメントを記録し、幅広い参加者に対応できる実用的なノートになるでしょう。

5-2ヨガシークエンスを覚えやすくするための方法はありますか?

ヨガシークエンスを覚えやすくするためには、ポーズを段階的に練習し、視覚的なツールや反復練習を取り入れると良いでしょう。
単に頭で理解するだけでなく、身体で実践し、定期的に練習すると自然にシークエンスを習得できます。

例えば、以下のようにすると良いでしょう。

視覚的ツールの活用 ポーズのフローチャートや動画を撮影し流れを確認する
反復練習 短いシークエンスを繰り返し練習し、徐々に長い流れに移行する
メモやノート 自分なりの簡単なメモやキーワードでポーズを覚えやすく整理する

シークエンスを効率よく覚えるためには、視覚的に整理し、身体で繰り返し練習しましょう。繰り返すことでスムーズな指導が可能になり、自信を持ってレッスンを進行できます。

5-3ポーズ同士のつなぎ方はどのように工夫すれば良いでしょうか?

ヨガのポーズを組み合わせる時は、スムーズなつなぎ方を取り入れましょう。適切なつなぎ方を意識すると、参加者が安心してレッスンを受けられます。

体位が急に変化するような動きは、血圧の変動を引き起こす可能性があります。特に寝転んだ状態から急に立ち上がるような動作は、めまいや立ちくらみ、失神を招いてしまう場合もあるため注意しましょう。座位から四つ這い、そして立位へと移行するなど、徐々にポーズをつなぐ工夫が必要です。適切なつなぎ方を意識すると、参加者が安心してレッスンを受けられるでしょう。

ヨガのシークエンスを組む時は、ポーズ間のつなぎ方を工夫すると、参加者が安全かつ効果的に動ける環境を整えるのが重要です。意図を持った動作と構成により、ヨガの目的やテーマに沿った結果を引き出せるレッスンをしましょう。

効果的なヨガシークエンスを組み立て、ヨガの理解をさらに深めよう


今回は、ヨガシークエンスの基礎を理解し、ヨガシークエンスを作成する方法や効果的なレッスン作成方法について解説してきました。
ヨガシークエンスは、レッスンの質を大きく左右します。目的やテーマに沿ったシークエンスを作ると、心と身体にポジティブな影響を与え、ヨガの効果をより深く感じられるようになります。

シークエンスは、単に知っているポーズを並べるだけでなく、各ポーズが連続的につながり、ピークポーズを効果的かつ安全に実施できるよう構成しましょう。身体がポーズの深まりを感じられ、心身の変化を体験しやすくなります。また、適切に構築されたシークエンスは、安心して取り組めるレッスンを実現するでしょう。
初心者向けのシークエンスでは、安全性を重要視しましょう。一方で、上級者向けには、バランスや柔軟性を高める高度なポーズを取り入れて新たな挑戦を提供すると良いでしょう。

インストラクターによってシークエンスの構成はさまざまです。固定された正解を追求するのではなく、参加者が「受けてよかった」と感じられるワクワクするシークエンスを考える意識を持ちましょう。ヨガシークエンス作成の際は、季節や時間帯に合わせた調整も大切です。朝は活力を高める動き、夜はリラックスを重視するなど、状況に応じた工夫が満足度を向上させてくれるでしょう。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部