手編みニットデザイナー資格

編み物作家になるには?キャリアの流れ、収入や必要な資格を解説!

記事作成日:2025.03.07
編み物の楽しさをもっと多くの人に伝えたい、趣味を仕事にしたい、そんな思いを持っている方も多いのではないでしょうか。一方で、作家として活動するにはどうすればいいのか、収入は得られるのか、不安も尽きないのではないでしょうか。本記事では、編み物作家になるための具体的な方法から、収入の得方まで詳しく解説していきます。
編み物作家になるには?キャリアの流れ、収入や必要な資格を解説!

目次

編み物作家になりたい!どんな仕事なの?

編み物作家は、自分で作品を作って販売したり、教室を開いたりする仕事です。近年、ハンドメイド作品への関心が高まり、注目を集めている職業の一つです。それでは、具体的にどんな仕事内容なのか、なぜ今人気があるのか、詳しく見ていきましょう。

1-1編み物作家ってどんなことをするの?

編み物作家の主な仕事は、セーターやマフラー、小物などの作品を作って販売することです。自分のペースで作品を作り、オンラインショップやハンドメイドマーケットで販売したり、実際の店舗に委託販売したりします。また、編み物教室を開いて技術を教えることもあります。 作品作りは自宅でできるので、子育て中の方や、会社勤めをしながら副業として始める方も増えています。毎日コツコツと作品を作り、SNSで発信しながら、少しずつファンを増やしていくのが一般的です。 作品のデザインや使う素材は自分で決められるので、自分の好きなものを作れる自由さがあります。ただし、顧客に喜んでもらえる作品を作ることも大切です。流行を取り入れたり、季節に合わせた商品を作ったりする工夫も必要になってきます。

1-2今、なぜ編み物作家が人気なの?

編み物作家が注目を集めている理由は、主に3つあります。1つ目は、インターネットの普及で、作品を販売する機会が増えたことです。以前は実店舗での販売が中心でしたが、今ではminneやCreemaといったハンドメイドマーケットで、全国の顧客に作品を届けられるようになりました。 2つ目は、手作りのものへの関心が高まっていることです。大量生産の商品が多い中で、一点一点丁寧に作られた手作り品の温かみや個性が見直されています。特に、環境への配慮や持続可能な消費への関心から、長く大切に使える手作り品を選ぶ人が増えています。 3つ目は、働き方の多様化です。在宅ワークや副業が一般的になり、自分の好きなことを仕事にする選択肢が広がっています。編み物は、自宅で無理なく始められ、徐々に仕事として成長させていけるという特徴があります。

編み物作家になるまでの道すじ

編み物作家として活動を始めるには、いくつかの準備が必要です。資格は必須ではありませんが、基本的な技術や知識を身につけることが大切です。これから、編み物作家になるために必要なことを具体的に説明していきましょう。

2-1資格は必要?まずは何から始めればいい?

編み物作家になるために必須の資格はありません。ただし、技術と知識を証明するために取得しておくことも視野に入れておきましょう。 初心者におすすめの資格としては。「手編みニットデザイナー資格」があります。この資格は、編み物に関する基本的な知識を持っていることを認定するもので、編み図の見方や毛糸の選び方、作品の仕上げ方などの知識が問われます。受験資格は特になく、在宅で受験できるため、チャレンジしやすい資格です。 手編みニットデザイナー資格を取得すると、自宅やカルチャースクールでの講師活動もできるようになります。資格試験では、 ・編み物の種類 ・基本道具 ・道具のメンテナンス方法 ・毛糸の種類と選び方 ・作品の基本 ・仕上げ方 ・編み図の見方 などの幅広い知識が問われます。 ただし、資格の有無よりも大切なのは、実際の技術と経験です。まずは基本的な編み方をしっかりと習得し、様々な作品作りを通じて技術を磨いていくことをおすすめします。

2-2独学と教室、私に合った学び方は?

編み物の学び方は、大きく分けて独学、教室通い、オンライン講座の3つがあります。それぞれにメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。 独学の場合、本やインターネットの動画を見ながら、自分のペースで学べます。時間や場所を気にせず、好きなときに練習できるのが魅力です。 教室に通う場合は、プロの先生から直接指導を受けられます。基本的な編み方はもちろん、糸の選び方や編み目の調整など、細かいコツも学べます。また、同じ趣味を持つ仲間と出会えることも、教室の大きな魅力です。情報交換をしたり、お互いの作品を見せ合ったりすることで、モチベーションも高まります。 オンライン講座という選択肢もあります。オンライン講座なら、自宅にいながら専門家の指導を受けられます。zoom等を使った双方向のレッスンや、動画教材を使った学習など、様々な形式があります。自分の生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を選びましょう。

2-3編み物作家とニットデザイナー、何が違うの?

編み物作家とニットデザイナーは、似ているようで実は大きく異なる職業です。編み物作家は、自分で作品を企画・制作し、直接販売することが主な仕事です。一つ一つの作品を丁寧に手作りし、作り手の個性や温かみを大切にします。 一方、ニットデザイナーは、主にアパレルメーカーなどに所属し、商品の企画やデザインを担当します。デザインだけでなく、素材選びや生産管理まで幅広い業務を行います。大量生産を前提としたデザインや、コストを考慮した企画力が求められます。 ただし、最近では境界線が曖昧になってきています。編み物作家でも、オリジナルのパターンを販売したり、編み物の本を出版したりする方も増えています。逆に、ニットデザイナーとして経験を積んだ後、独立して編み物作家として活動する方もいます。自分の目指す方向性に合わせて、キャリアを組み立てていくことができます。

実際の活動内容を詳しく紹介

編み物作家の活動は、作品作りだけではありません。販売や情報発信、顧客とのコミュニケーションなど、様々な要素があります。ここでは、実際の活動内容について、具体的に説明していきましょう。

3-1作品づくりの基本の「き」

作品作りは、編み物作家の活動の中心となります。まず、作品のデザインを考えることから始まります。季節や流行を意識しながら、どんな作品を作るか構想を練ります。例えば、夏に向けては涼しげな帽子や軽いストール、冬に向けては暖かいセーターやマフラーなど、季節に合わせた作品を企画します。 デザインが決まったら、使用する毛糸や道具を選びます。毛糸は、素材や色、太さによって編み上がりが大きく変わります。綿やウール、アクリルなど、それぞれの素材の特徴を理解し、作品に合ったものを選びましょう。また、編み針のサイズや種類も重要です。かぎ針編みか棒針編みか、太さは何号を使うかなど、細かな設定が必要です。 実際の制作では、丁寧に編むことはもちろん、編み目の大きさを均一に保つことが大切です。また、途中で試着や確認をしながら、サイズや形を調整していきます。完成後は、丁寧に仕上げ処理を行い、ブロッキング(形を整えること)をして完成となります。

3-2作品の売り方いろいろ

作品の販売方法は、大きく分けてオンラインと実店舗の二つがあります。オンライン販売では、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)などのハンドメイドマーケットを利用するのが一般的です。これらのサイトは、手作り作品専門の販売プラットフォームで、多くの作家さんが利用しています。 商品を出品する際は、作品の写真と説明文が重要です。写真は、明るく鮮明で、作品の特徴がよく分かるものを用意します。説明文には、 ・サイズ ・素材 ・お手入れ方法 など、必要な情報をもれなく記載します。また、作品にまつわるエピソードや、使用シーンの提案なども加えると、顧客の興味を引きやすくなります。 実店舗での販売には、委託販売やハンドメイドマーケットへの出店があります。委託販売は、雑貨店などに作品を置かせてもらう方法です。手数料は発生しますが、実際に手に取って見てもらえる機会が増えます。 また、定期的に開催されるハンドメイドマーケットに出店して、直接顧客と交流することもできます。

3-3SNSで作品を素敵に見せるコツ

SNSは、作品の宣伝や情報発信に欠かせないツールです。特にInstagramは、写真を中心としたSNSなので、編み物作品の魅力を伝えやすいです。写真は、自然光を使って明るく撮影し、作品の質感や色合いが伝わるようにします。また、季節感のある小物や背景を取り入れることで、より魅力的な写真になります。 投稿の文章も重要です。作品の説明だけでなく、制作過程やこだわりのポイント、使用した毛糸の感想なども書くと、読者の興味を引きやすくなります。ハッシュタグを効果的に使うことで、より多くの人に見てもらえる可能性も広がります。

3-4教室を開いてみよう!

編み物教室の開催は、作品販売とは異なる収入源となり、技術を活かした新しい活動の場を広げることができます。教室を始めるには、まず自分の得意分野を明確にし、どんなレッスンを提供するか計画を立てましょう。初心者向けの基礎クラスから、高度な技法を教える上級クラスまで、段階的なカリキュラムを考えると良いでしょう。 教室の形態には、自宅で開く少人数制のレッスンや、カルチャーセンターでの定期講座、カフェでのワークショップなど、さまざまな選択肢があります。自宅教室なら初期費用を抑えられますが、プライバシーや場所の確保などの課題もあります。一方、公共施設やカフェを利用する場合は、会場費は必要になりますが、多くの生徒さんを受け入れやすい利点があります。

お金のことを考えよう

編み物作家として活動を始めるとき、避けて通れないのがお金の問題です。初期投資から日々の収支管理まで、しっかりと計画を立てることが大切です。これから、具体的な金銭面での準備や管理方法について説明していきましょう。

4-1始めるときにかかるお金と必要な道具

編み物作家として活動を始めるには、まず基本的な道具と材料を揃える必要があります。始めに必要な道具としては、 ・かぎ針 ・棒針 ・はさみ ・メジャー ・とじ針 などがあります。これらの道具は、良質なものを選ぶことで長く使えます。また、作品の種類によって必要な道具も変わってきますので、徐々に揃えていくのがおすすめです。 材料である毛糸は、作品によって必要な量や種類が異なります。最初は基本的な太さの毛糸を少量ずつ購入し、作品作りに慣れてから種類を増やしていくと良いでしょう。また、作品の撮影用の機材や、販売用の包装材料なども必要になってきます。初期費用は、基本的な道具と材料で2~3万円程度から始められます。 経費を抑えるコツもあります。例えば、毛糸は季節の変わり目のセールを利用したり、まとめ買いで単価を下げたりすることができます。また、SNSでの宣伝は無料でできますし、最初は自宅で撮影するなど、できるところから始めていくのがおすすめです。ただし、作品の質に関わる材料や道具は、できるだけ良いものを選ぶようにしましょう。

4-2作品の値段の決め方

作品の価格設定は、編み物作家として成功するための重要なポイントです。適切な価格設定をすることで、継続的な活動が可能になります。価格を決める際は、 ・材料費 ・作業時間 ・技術料 などを考慮する必要があります。ただし、初めは値付けに悩む方が多いのも事実です。 まずは材料費を正確に把握することから始めましょう。使用した毛糸の価格、副資材の費用、包装材料の費用などを細かく計算します。次に作業時間を記録し、時給を設定します。例えば、1つの作品を作るのに5時間かかり、時給を1000円と設定すれば、人件費は5000円となります。これに材料費を加え、さらに利益を上乗せして販売価格を決めていきます。 よくある失敗は、価格を低く設定しすぎることです。「まだ経験が浅いから」「売れるかどうか不安だから」という理由で、原価ギリギリの価格をつけてしまう方も多いです。 しかし、これでは継続的な活動が難しくなります。自分の技術や時間に見合った適正価格をつけることが、長く続けるコツです。また、同じような作品の相場も参考にしながら、自分の作品の価値を正しく評価することが大切です。

魅力的な作品を作るために

顧客に喜んでもらえる作品を作るには、技術はもちろん、デザイン性や使いやすさなど、様々な要素が必要です。ここでは、魅力的な作品作りのポイントについて、具体的に説明していきます。

5-1毛糸選びと道具の使い方

作品の出来栄えを左右する重要な要素が、毛糸と道具の選び方です。毛糸には、 ・ウール ・コットン ・アクリル ・モヘア など、様々な種類があり、それぞれに特徴があります。季節や用途に合わせて適切な素材を選ぶことが、作品の質を高めるポイントです。 例えば、夏物には吸湿性の良いコットンや麻、冬物には保温性の高いウールやアルパカなどが適しています。また、赤ちゃん用の作品には肌触りの良いメリノウールや、お手入れのしやすいアクリルがよく使われます。毛糸を選ぶ際は、実際に手に取って触り心地を確かめることをおすすめします。 また道具選びも重要です。編み針は、サイズや素材によって編み心地が大きく変わります。初めは基本的なサイズの編み針セットを揃え、使いながら自分に合ったものを見つけていきましょう。特に良く使う道具は、多少値段が高くても使いやすいものを選ぶと、長い目で見て効率的です。

5-2流行を取り入れるコツ

流行を意識した作品作りは、売れる商品を生み出すポイントの1つです。ファッション雑誌やSNSで今の流行を研究し、編み物ならではの表現方法を考えましょう。例えば、流行の色を取り入れたり、人気のシルエットを編み物で表現したりすることができます。 ただし、流行を追いすぎるのも考えものです。編み物は時間のかかる作業なので、制作している間に流行が終わってしまうこともあります。そのため、流行のエッセンスを取り入れながらも、長く愛用できるデザインを心がけることが大切です。また、自分らしさを失わないよう、自分の得意な技法や好きな要素も大切にしましょう。

5-3自分らしい作品づくりのポイント

編み物作家として成功するには、他の作家との差別化が重要です。そのためには、自分らしい特徴を持った作品作りを心がけましょう。例えば、特定の編み方を得意としたり、個性的な配色を取り入れたり、特別な仕上げ方法を開発したりすることで、オリジナリティを出すことができます。 最初から完璧な作品を目指す必要はありません。まずは基本的な技術を磨きながら、少しずつ自分らしさを加えていきましょう。顧客からのフィードバックも参考にしながら、より良い作品作りを目指します。失敗を恐れずに新しいことにチャレンジすることも、成長につながります。

5-4作品写真の撮り方

作品の魅力を伝えるには、写真撮影の技術も重要です。いくら素晴らしい作品でも、写真が暗かったり、ぼやけていたりすると、その良さが伝わりません。特にオンライン販売では、写真が商品の顔となるため、撮影には十分な時間をかける必要があります。 まず大切なのは、自然光を上手に使うことです。窓際の明るい場所で、直射日光が当たらない時間帯を選んで撮影すると、作品の色や質感が自然に表現できます。曇りの日は光が柔らかく、編み物の質感を美しく撮影できる絶好のチャンスです。暗い場所での撮影は、どうしても作品の魅力が半減してしまいます。 また、構図も大切なポイントです。作品全体が分かる写真はもちろん、編み目の細かい部分や、デザインのポイントとなる部分のアップ写真も必要です。 さらに、実際の使用シーンを想像できるような写真があると、顧客が購入を検討する際の参考になります。例えば、マフラーなら首に巻いた状態の写真や、帽子なら被った時の写真があると、サイズ感や使い心地が伝わりやすくなります。

将来に向けてのステップアップ

編み物作家として活動を始めたら、次は成長のためのステップアップを考えていきましょう。技術の向上はもちろん、活動の幅を広げることで、新たな可能性が開けてきます。

6-1もっと腕を磨くには?

編み物の技術は、経験を重ねるほど上達していきます。しかし、ただ漫然と作品を作るだけでなく、計画的にスキルアップを図ることで、より早く成長できます。例えば、新しい編み方や技法に挑戦したり、より難しいデザインに取り組んだりすることで、技術の幅が広がります。 技術を高めるための学びの場も積極的に活用しましょう。ワークショップや講習会に参加することで、プロの技術を直接学べます。また、編み物の専門書や技術書を読んで研究することも効果的です。最近では、オンラインでの講座も充実しており、自分のペースで新しい技術を学べます。 さらに、他の作家さんとの交流も大切です。編み物イベントや作家さん同士のコミュニティに参加することで、情報交換ができたり、新しいアイデアが生まれたりします。時には、コラボレーション作品を作ることで、お互いの得意分野を活かした新しい作品が生まれることもあります。

6-2活動の幅を広げよう

編み物作家としての活動は、作品作りと販売だけにとどまりません。例えば、編み物教室の開催や、ワークショップの講師を務めることで、新たな収入源を作ることができます。また、編み物の本や雑誌への寄稿、パターンの販売など、知識や技術を活かした活動も考えられます。 イベントやマーケットへの出店も、活動の幅を広げる良い機会です。実際に顧客と face to face でお話しすることで、作品の感想を直接聞けたり、新しいニーズを発見したりできます。また、同じイベントに出店する作家さんとの交流も、新しいアイデアや情報を得る貴重な機会となります。 オンラインでの活動も重要です。自分のブログやウェブサイトを持つことで、作品の魅力をより詳しく伝えることができます。また、YouTubeなどの動画配信プラットフォームで編み方の解説動画を配信したり、オンラインショップを開設したりすることで、より多くの方に作品を届けることができます。

6-3自分だけのブランドを作ろう

長期的な視点で考えると、自分だけのブランドを確立することが重要です。ブランドとは、単にロゴやデザインだけではなく、作品に込める想いや価値観、そして作家としての個性を含めた総合的なものです。例えば、「環境に優しい素材にこだわった編み物」や「現代的なデザインと伝統的な技法を融合させた作品」など、自分らしい特徴を打ち出していきましょう。 ブランディングで大切なのは、一貫性です。作品のデザインや品質はもちろん、写真の撮り方、商品の説明文、包装の仕方まで、すべてに統一感を持たせることで、ブランドとしての印象が強くなります。また、SNSでの発信も、自分のブランドイメージに合わせた内容や表現方法を心がけましょう。

まとめ

編み物作家として成功するためには、技術力はもちろん、経営感覚やマーケティング力も必要です。しかし、何より大切なのは、編み物を愛する気持ちと、顧客に喜んでもらいたいという想いです。一歩一歩着実に進みながら、自分らしい作品作りを続けることで、必ず道は開けていきます。本記事で紹介したさまざまなポイントを参考に、編み物作家としての第一歩を踏み出してみませんか?

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部