手編みニットデザイナー資格

編み物を売りたい!販売方法や価格設定、著作権について解説

記事作成日:2025.03.07
趣味で始めた編み物が上手くなってきて、「これなら売れるかも」と思ったことはありませんか?しかし、販売となると著作権や価格設定、顧客とのやり取りなど、わからないことがたくさんありますよね。編み物は誰でも販売できるとはいえ、きちんとした準備と知識が必要です。本記事では、手編み作品の販売方法や価格設定、著作権について詳しく解説していきます。
編み物を売りたい!販売方法や価格設定、著作権について解説

目次

手編み作品は販売できるの?

手編み作品を販売したいと考えたとき、まず気になるのが「そもそも販売していいの?」という点です。結論から言えば、著作権さえクリアしていれば誰でも販売することができます。ただし、いくつか知っておくべきルールや注意点がありますので、順番に見ていきましょう。

1-1著作権って気にしなきゃいけないの?

手編み作品を販売する際に最も気をつけなければならないのが著作権の問題です。編み物の本や雑誌に掲載されている作品には、それぞれデザイナーの著作権が存在します。特に気をつけなければならないのは、市販の編み図や本に掲載されているデザインをそのまま使って作品を販売することです。多くの場合、本の最後のページに「本書で紹介した作品の商品化や複製頒布を禁じます」といった注意書きが記載されています。 自分で考えたオリジナルのデザインであれば、自由に販売することができますが、他人の編み図やパターンを使用する場合は、必ず販売が許可されているかどうかを確認しましょう。また、フリーの編み図を使用する場合でも、利用規約をしっかりと読んで、販売が認められているかを確かめることが大切です。

1-2お店を始めるのに資格は必要?

手編み作品を個人で販売する場合、特別な資格や免許は必要ありません。趣味の延長として少量の販売を行う場合は、特に事業登録などの手続きも必要ありません。ただし、ある程度の規模で継続的に販売を行い、収入を得る場合には、個人事業主としての手続きが必要になってきます。 また、安全性や品質についても考慮が必要です。特に子供向けの商品やアクセサリーなどを販売する場合は、使用する材料の安全性や耐久性について十分な確認を行い、顧客に安心して使っていただける商品を提供することが大切です。

1-3税金のことも考えておこう

継続的に販売を行う場合、税金の申告も必要になってきます。売上が一定額を超える場合は、確定申告が必要です。そのためには、日頃から収入と経費の記録をしっかりとつけておくことが大切です。売上や経費を記録するノートを用意したり、領収書をきちんと保管したりするなど、基本的な経理の習慣をつけておくと安心です。 経費として認められるのは、 ・材料費 ・道具代 ・販売手数料 ・梱包材 ・交通費 など、販売に必要な支出です。これらの経費を売上から差し引いた利益に対して税金がかかります。初めは難しく感じるかもしれませんが、きちんと記録をつける習慣をつけることで、後々の確定申告がスムーズになります。

どうやって売る?販売方法を選んでみよう

手編み作品の販売方法は、大きく分けて実際に顧客と対面で販売する方法と、インターネットを使って販売する方法があります。自分の生活スタイルや作品の特徴に合わせて選んでいくことが大切です。

2-1リアルでの販売方法

リアルでの販売方法は大きく分けて、ハンドメイドマーケット、イベント、フリーマーケット、委託販売の4つが挙げられます。詳しく見ていきましょう。 ①ハンドメイドマーケット 手編み作品を販売するのにぴったりの場所です。顧客と直接お話ができ、作品の良さを直接伝えられるのが大きな魅力です。 作品の質感や色合いを実際に見てもらえるので、オリジナリティのある作品や高級感のある作品を販売する場合は特におすすめです。 ②イベント イベントでの販売作品の陳列方法や値札の付け方、接客の仕方など、事前に準備しておくことがたくさんあります。まずは、テーブルクロスや什器など、ディスプレイに必要な道具を用意しましょう。 また、お釣りの準備や、レジ袋やショップカードなど、販売に必要な備品も忘れずに準備します。天候や気温によって売れる商品が変わってくることもあるので、季節に合わせた商品構成を考えることも大切です。 ③フリーマーケットへの出店 フリーマーケットへの出店も、手編み作品の販売方法として人気があります。手作り市に比べて出店料が安く、気軽に始められるのが特徴です。また、幅広い年齢層の顧客が訪れるので、様々な方に作品を見ていただくチャンスがあります。 ただし、ハンドメイド作品以外の商品も多く並ぶため、作品の良さをしっかりとアピールする工夫が必要です。 ④委託販売 委託販売は、雑貨店やギャラリーなどにお店のスペースを借りて作品を販売する方法です。自分で接客する必要がなく、定期的に作品を納品するだけで販売してもらえるのが特徴です。 ただし、委託手数料が発生するため、価格設定の際にはそれも考慮に入れる必要があります。また、お店のコンセプトやイメージに合った作品作りが求められるので、事前によく相談することが大切です。

2-2自宅でできる!オンラインでの販売方法

インターネットを使った販売は、24時間365日いつでも商品を販売できる上、場所を問わず全国の顧客にアプローチできるのが魅力です。主な方法としては、ハンドメイド作品専門サイトでの販売、フリマアプリ、ネットショップ開設の3つの方法があります。 ①ハンドメイド作品の専門サイト 手編み作品の販売に特化したプラットフォームです。minneやCreemaなどの大手サイトでは、作品の展示方法や価格設定、商品説明の書き方などのサポートも充実しています。またハンドメイド作品を探している顧客が多く集まるため、作品を見つけてもらいやすいというメリットもあります。 商品ページの作成は簡単で、写真を何枚か用意して説明文を書けばすぐに出品できます。ただし、他の作家さんの作品も多く並ぶため、どうやって自分の作品を目立たせるかが課題になってきます。 ②フリマアプリ 手編み作品の販売によく使われているプラットフォームです。メルカリやラクマ、PayPayフリマなどが代表的です。フリマアプリの特徴は、出品や取引がスマートフォンだけで完結するという手軽さです。 写真を撮って簡単な説明を書けばすぐに出品でき、商品が売れたら専用の配送用ラベルで発送するだけです。ただし、価格交渉が頻繁にあることや、ハンドメイド作品以外の商品も多く出品されているため、作品の価値を理解してもらいにくい面もあります。 ③ネットショップを開設 自分のネットショップを開設する方法もあります。BASE(ベイス)やSTORES(ストアーズ)などのサービスを利用すれば、専門的な知識がなくてもオリジナルのお店を作ることができます。 自分のショップを持つメリットは、ブランドイメージを自由に作れることと、販売手数料を抑えられることです。ただし、顧客を集めるための宣伝や、ショップの運営管理は全て自分で行う必要があります。

オンラインショップ開設方法

オンラインで手編み作品を販売するには、いくつかの準備が必要です。どのプラットフォームを選ぶか、商品写真をどう撮影するか、価格をいくらに設定するかなど、考えなければならないポイントをひとつずつ見ていきましょう。

3-1どのサイトで売るのがいいの?

販売サイトの選び方は、これからの販売活動を大きく左右する重要なポイントです。まずは自分の作品や販売スタイルに合ったプラットフォームを選ぶことから始めましょう。 手編み作品の販売でよく利用されるプラットフォームには、それぞれ特徴があります。 ・minne 国内最大級のハンドメイドマーケットで、手数料は比較的低めですが、作家さんが多く競争が激しい傾向にあります。 ・Creema 少し高めの商品が多く、こだわりの作品を販売するのに向いています。 ・BASE 自分でショップをカスタマイズできる自由度が高く、ブランディングを重視する方に人気です。 これらのサイトを複数併用することもできますが、まずは1つのサイトでしっかりと運営方法を学ぶことをお勧めします。商品の登録方法や発送ルール、顧客とのやり取りの仕方など、サイトごとに異なる部分も多いためです。

3-2顧客の心をつかむ写真の撮り方

オンライン販売で最も重要なのが商品写真です。実際に手に取って確認できない顧客に、作品の魅力を伝えるには、写真の力が必要不可欠です。 商品写真を撮影する時は、自然光を活用するのがポイントです。窓際の明るい場所で、できるだけ影の少ない状態で撮影しましょう。背景は白やベージュなど、シンプルな色を選ぶと作品が引き立ちます。また、全体写真だけでなく、編み目の細かい部分や、使用シーンがわかる写真も用意すると、より作品の魅力が伝わります。 商品の色味は、顧客が購入を決める重要な要素です。画面で見る色と実物の色が大きく違うと、届いた時にがっかりしてしまいます。そのため、できるだけ実物に近い色で撮影することを心がけましょう。また、スマートフォンの加工機能は控えめに使い、作品本来の質感や色合いを大切にすることが重要です。

3-3適正価格の決め方

手編み作品の価格設定は、販売を始める際に多くの方が悩むポイントです。安すぎても継続が難しく、高すぎると顧客がつきにくくなってしまいます。適切な価格を見つけるためには、いくつかの要素を考える必要があります。 まず基本となるのは、材料費の計算です。毛糸などの材料費、道具のコスト、梱包材などの経費をすべて書き出してみましょう。次に作業時間を計算します。編み物は時間がかかる作業なので、自分の技術や経験に見合った時給を設定し、作業時間を金額に換算します。さらに、販売手数料や送料、税金なども考慮に入れる必要があります。 これらの費用を合計し、そこに適切な利益を上乗せして販売価格を決めていきます。同じような商品の相場も参考にしながら、顧客に納得していただける価格帯を探っていくことが大切です。価格が高めになる場合は、商品の特徴や作りの丁寧さ、素材の良さなどをしっかりとアピールすることで、価値を理解していただけるよう工夫しましょう。

3-4梱包や発送はこんな風にしよう

手編み作品は繊細なものが多いため、配送時の梱包には特に気を配る必要があります。顧客の手元に作品が無事に届くよう、丁寧な梱包を心がけましょう。 基本的な梱包の手順としては、まず商品を薄葉紙やOPP袋で包み、形が崩れないよう保護します。デリケートな部分には緩衝材を使用し、箱や封筒に入れる際にも適度なクッション材を入れることで、配送時の衝撃から商品を守ります。季節によっては防水対策も必要です。雨の日でも安心な梱包方法を考えておくと良いでしょう。 配送方法は、商品の大きさや重さ、価格によって選びます。定形外郵便やクリックポストなど、比較的安価な配送方法もありますが、高額商品の場合は追跡番号のついた配送方法を選ぶことをお勧めします。また、配送料を誰が負担するかも重要なポイントです。送料込みの価格設定にするか、別途送料をいただくかは、商品の特性や価格帯を考慮して決めましょう。

必要な顧客に届ける!集客のコツ

せっかく素敵な作品を作っても、顧客の目に留まらなければ販売につながりません。特にオンライン販売では、効果的な集客方法を知っておくことが重要です。作品の魅力を多くの方に知っていただくためのポイントを見ていきましょう。

4-1SNSを上手に使って宣伝しよう

SNSは手編み作品の魅力を伝えるのに最適なツールです。InstagramやPinterestなどの視覚的なSNSは、作品の見た目の美しさを効果的に伝えることができます。 SNSでの発信で大切なのは、投稿の質と頻度です。作品の写真だけでなく、制作過程や材料の紹介、使用している様子なども投稿すると、より多くの方に興味を持っていただけます。ハッシュタグを効果的に使うことで、作品に興味のある方に見つけてもらいやすくなります。例えば、 #手編み #ハンドメイド #ニット といった一般的なタグに加えて、作品の特徴を表すオリジナルのタグを付けることで、ファンの方が作品を見つけやすくなります。 ただし、SNSでの宣伝は一方的な発信だけでは効果が薄れます。フォロワーの方とコミュニケーションを取り、コメントへの返信やメッセージのやり取りを大切にすることで、信頼関係を築いていくことができます。また、リアルタイムでの情報発信を心がけ、新作情報やイベント出展の告知なども積極的に行っていきましょう。

4-2またリピートしてもらうためには?

一度購入してくださった顧客に、また買っていただけるようになることは、販売を続けていく上でとても重要です。リピーターの顧客は、新規の顧客を開拓するよりも少ない労力で販売につながりやすい傾向があります。 リピーターを増やすためには、まず商品の品質を高い水準で保つことが大切です。丁寧な作りはもちろん、梱包や発送の際の心遣い、顧客とのコミュニケーションなど、すべての面で誠実な対応を心がけましょう。例えば、商品と一緒にお手入れ方法を記載したカードを同封したり、お礼のメッセージを添えたりすることで、顧客との関係を深められます。 次に、定期的に新作を発表することも重要です。季節に合わせた商品展開や、人気商品の色違いやサイズ違いなど、バリエーションを増やすことで、再び購入したいと思っていただけるきっかけを作ることができます。

4-3かゆいところに手が届く!商品を作りのコツ

売れる商品作りのポイントは、顧客のニーズを理解することです。作り手の自己満足ではなく、実際に顧客が求めているものを作ることが大切です。 顧客のニーズを知るためには、販売時のコミュニケーションが重要です。顧客からいただいたコメントや感想、要望などを丁寧に記録し、次の商品作りに活かしていきましょう。また、売れ筋商品の特徴を分析したり、季節やトレンドの変化にも注目したりすることで、より魅力的な商品作りができます。 例えば、冬物のニット帽を作る場合、デザイン性だけでなく、実際の使用感も考慮に入れます。防寒性はもちろん、髪型が崩れにくい設計や、洗濯のしやすさなども重要なポイントです。使う人の立場に立って考えることで、より実用的で愛される商品を作ることができます。

売上アップの実践テクニック

手編み作品の販売に慣れてきたら、次は売上を伸ばしていくことを考えましょう。ただ作品を作って販売するだけでなく、工夫次第で売上を大きく伸ばすことができます。具体的なテクニックを見ていきましょう。

5-1季節に合わせた商品づくり

手編み作品は、季節によって需要が大きく変わります。そのため、季節を先取りした商品展開が売上アップのポイントとなります。 季節商品は、実際の季節よりも1~2ヶ月前から制作を始めるのがおすすめです。例えば、冬物のマフラーやニット帽は、10月頃から展開を始めることで、防寒具が必要になる時期に合わせて販売できます。春夏向けの商品は、コットン糸を使用した軽やかなストールや、麻糸で編んだバッグなど、素材にもこだわると良いでしょう。 また、イベントや行事に合わせた商品作りも効果的です。クリスマスシーズンには、オーナメントやリース、バレンタインの時期には、ハート柄を取り入れた小物など、その時期ならではの商品を用意することで、顧客の購買意欲を高めることができます。

5-2色違い・サイズ違いで品ぞろえを増やそう

人気の商品は、色違いやサイズ違いを展開することで、より多くの方に手に取っていただけるチャンスが増えます。顧客の好みや用途に合わせて選んでいただけるよう、バリエーションを増やしていくことが大切です。 バリエーションを展開する際は、あまり一度に多くの種類を作りすぎないように注意が必要です。まずは人気の定番カラーを中心に、2~3色程度から始めると良いでしょう。実際の売れ行きを見ながら、徐々にカラーバリエーションを増やしていきます。サイズ展開も同様に、需要の多いサイズから始めて、顧客の反応を見ながら追加していくことをお勧めします。 また、同じデザインでも素材を変えることで、異なる印象の商品を作ることができます。例えば、同じデザインのマフラーでも、ウールで編めば暖かみのある冬物として、コットンで編めば春先まで使える軽やかなアイテムとして展開できます。

5-3顧客にアピールできる写真の撮り方

オンライン販売では、商品写真の良し悪しが売上に大きく影響します。顧客の目を引く魅力的な写真を撮るためのポイントを押さえておきましょう。 写真撮影で最も重要なのは光の使い方です。自然光を上手に活用することで、作品の色や質感を美しく表現できます。窓際の明るい場所で、直射日光を避けて撮影するのがコツです。曇り空の日は、影が出にくく撮影に適しています。 また、商品のある生活シーンを意識した撮影も効果的です。例えば、マフラーであれば実際に巻いた状態の写真や、コーディネート例を示す写真があると、顧客がイメージを掴みやすくなります。小物類も、実際の使用シーンと一緒に撮影することで、サイズ感や使い勝手が伝わりやすくなります。

まとめ

手編み作品の販売を成功させている方々には、いくつかの共通点があります。まず、作品の品質にこだわり、丁寧なものづくりを心がけていること。そして、顧客との誠実なコミュニケーションを大切にしていることです。さらに、適切な価格設定と効率的な制作方法で、継続的な販売を実現していることです。 販売については気をつけるべきポイントは確かにたくさんあります。しかし、基本的なルールを守り、誠実な態度で取り組んでいけば、必ず道は開けていきます。ぜひ、本記事を参考に、自分らしい販売スタイルを見つけていってください。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部