手編みニットデザイナー資格

編み物の魅力やメリットとは?人気の理由やデメリットも解説

記事作成日:2025.03.14
「編み物を始めてみたいけれど、難しそう…」「時間がかかりすぎるのでは?」そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実は編み物には、心を落ち着かせる効果があり、世界に一つだけの作品を作る喜びがあります。最近では、SNSで若い世代にも人気が広がっています。本記事では、編み物の魅力やメリット、始め方のコツについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
編み物の魅力やメリットとは?人気の理由やデメリットも解説

目次

いま、なぜ編み物が人気なのか

私たちの暮らしがデジタル化する中で、手作りの温かみがある編み物が、新しい形で注目を集めています。その理由を見ていきましょう。

1-1SNSでの広がり

InstagramやTikTokでは、手編みのセーターやマフラーの投稿が毎日たくさん共有されています。「#編み物」や「#ハンドメイド」のハッシュタグをつけた写真は、若い方を中心に人気を集めています。特に、編み方の解説動画は分かりやすく、「私にもできそう」と感じる人が増えているようです。 また、完成品だけでなく、編んでいる途中の様子を共有する投稿も多く、失敗談や上達のコツなど、リアルな情報交換の場となっています。初心者の方も気軽に質問でき、経験者からアドバイスをもらえる環境が整っているのです。

1-2環境にやさしい趣味として

私たちの生活の中で、「環境に優しく暮らしたい」という思いが強くなっています。編み物は、そんな願いにぴったりの趣味なのです。一つの作品を丁寧に作り、長く使うことができます。また、使わなくなった毛糸を再利用したり、良質な素材を選んで丈夫な作品を作ったりすることもできます。 最近では、オーガニックコットンや、環境に配慮して作られた毛糸も人気です。大量生産の服があふれる中で、手作りの良さを見直す人が増えているのです。編み物を通じて、ものを大切にする心も育っていきます。

1-3心が落ち着く効果

毎日、スマートフォンやパソコンの画面を見続ける生活の中で、手を使って何かを作る時間は、とても貴重です。編み物をしている時は、自然と呼吸が落ち着き、心が穏やかになっていきます。電車の中でも、テレビを見ながらでも、ちょっとした時間に楽しめます。 「今日は3段編めた」「この模様がきれいにできた」など、小さな達成感を味わいながら、ストレス解消にもなります。仕事や家事で疲れた心を、編み物が優しく癒してくれるのです。多くの方が、編み物の時間を「自分へのご褒美」として楽しんでいます。

1-4自分だけの一着を作る楽しみ

どこのお店でも同じような服が並ぶ中で、世界に一つだけの手作り作品には特別な価値があります。自分の好きな色や素材を選び、サイズもぴったりに調整できます。例えば、市販のセーターでは見つからない、自分の理想の色合いや着丈のものが作れます。デパートで売っている高級ブランドのような、質の良い毛糸で作ることもできます。 また、簡単なアレンジを加えることで、より自分らしい作品に仕上げることも可能です。首元を少し広げたり、袖丈を調整したり、好みのボタンをつけたり。自分だけのこだわりを詰め込んだ一着は、何より愛着がわきます。

1-5新しい仲間との出会い

編み物は一人でも楽しめますが、同じ趣味を持つ仲間がいると、さらに楽しみが広がります。編み物カフェや教室では、年齢も職業も違う人たちが、和気あいあいと交流しています。 「この糸、とてもきれいですね」 「この編み方、どうやるんですか?」 など、自然と会話が生まれます。休日に仲間と集まって編み物をする「編み物会」も人気です。オンラインのコミュニティでは、離れた場所に住む仲間と情報交換ができます。作品を見せ合う、困ったときに相談し合うなど編み物を通じて、新しい出会いと発見が広がっているのです。

編み物の基本的な魅力

編み物には、時代が変わっても色あせない魅力があります。ここからは、多くの人々を魅了してきた編み物の基本的な魅力について、詳しく見ていきましょう。

2-1手軽に始められる親しみやすさ

編み物を始めるのに、特別な準備は必要ありません。基本的な道具は編み針と毛糸だけです。初心者向けの道具セットは、2,000円程度で手に入ります。毛糸も、練習用なら500円前後から購入できます。最初は、ハンドウォーマーやマフラーなど、四角く編むだけの簡単な作品から始めることができます。 動画やテキストを見ながら、自分のペースで練習を進められるのも魅力です。編み物教室に通わなくても、基本の編み方は独学で習得できます。また、スマートフォンで無料の編み方動画を見ながら練習することもできます。道具を選ぶ時は、太めの毛糸と針から始めるのがおすすめです。太い毛糸の方が、編み目が見やすく、失敗も気付きやすいからです。

2-2場所を選ばない自由さ

編み物は、どこでも楽しめる趣味です。自宅のソファでくつろぎながら、通勤電車の中で、カフェでお茶を飲みながら、好きな場所で編むことができます。大きな道具や特別な設備は必要ありません。小さな作品なら、ポーチに入れて持ち運ぶこともできます。 家事の合間や、昼休みのちょっとした時間にも編み進められます。また、周りの人の邪魔になることもないので、電車の中でも気兼ねなく楽しめます。ちょっとした待ち時間も、編み物があれば有効に使えます。スマートフォンを見る時間が減って、目の疲れも軽減できるかもしれません。

2-3マイペースで楽しめる柔軟性

編み物の大きな特徴は、急ぐ必要がないことです。5分でも10分でも、その日の気分や時間に合わせて進められます。仕事や家事が忙しい時は休んでも、編み目が崩れることはありません。 「今日は疲れているから休もう」 「週末にまとめて編もう」 など、自分のリズムで進めることができます。編み物には締め切りもノルマもありません。 ゆっくり編んで、編む時間そのものを楽しむことができます。また、同じ作品を編むのに、人それぞれペースが違って当たり前です。上手な人と比べる必要はありません。自分なりの進み方で、完成を目指せばいいのです。このマイペースさが、長く続けられる理由の一つになっています。

編み物がもたらす心理的効果

編み物には、作品作りの楽しさ以外にも、心に良い影響を与える効果があります。心理的な面でのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

3-1ストレス解消とリラックス効果

編み物をしているとき、多くの人が「心が落ち着く」と感じます。これは、一定の動作を繰り返すことで、瞑想に似た効果が得られるからです。同じ動きを繰り返すことで、自然と呼吸が整い、心拍数も落ち着いてきます。また、手を動かすことで脳内にセロトニンという幸せホルモンが分泌され、気分が前向きになると言われています。

3-2達成感と自己実現

編み物の醍醐味は、一目一目積み重ねた努力が、目に見える形になることです。特に初めての作品が完成したときの喜びは格別です。 「こんな素敵な物が作れるなんて」 「思っていたより上手にできた」 という驚きと喜びは、大きな自信になります。また、編み物は徐々に技術を伸ばしていけます。最初は簡単な編み方から始めて、少しずつ難しい技法に挑戦していけます。新しい模様が編めるようになったり、より複雑な作品が完成したりするたびに、確かな上達を実感できます。 この小さな達成感の積み重ねが、日常生活での自信にもつながっていくのです。さらに、自分の作品を身につけて出かけたときに「素敵ね、どこで買ったの?」と聞かれて「実は手作りなんです」と答えられる瞬間は、何よりも嬉しいものです。

3-3創造性の発揮

編み物は、創造性を存分に発揮できる趣味です。同じ編み図を使っても、毛糸の色や質感によって、まったく違う印象の作品になります。 例えば、明るい色を選べば元気な雰囲気に、落ち着いた色を選べば大人っぽい印象になります。また、基本の編み方を応用して、オリジナルの模様を作ることもできます。 柄の配置を変えたり、装飾でアクセントを付けたり、アイデア次第で世界に一つだけの作品を生み出せます。編み物を続けていくと、 「この色とこの色を組み合わせてみたい」 「この模様とあの模様を組み合わせたら面白そう」 など、次々とアイデアが浮かんでくるようになります。こうした創造性は仕事や日常生活での問題解決にも良い影響を与えるでしょう。

編み物の健康効果

編み物は趣味として楽しむだけでなく、体にも良い影響をもたらします。様々な研究でも、その効果が明らかになってきています。

4-1認知機能の維持・向上

編み物には、脳を活性化させる効果があることが分かっています。編み図を読み解き、目数を数え、模様を作っていく過程では、常に頭を使います。例えば、複雑な模様を編むときは、「ここで表編み2目、裏編み3目」といった手順を覚えながら進めていきます。これは、計算力や記憶力のトレーニングにもなります。 また、色を組み合わせて模様を作る時は、空間把握能力も使います。実際に、高齢者施設でも認知症予防の活動として編み物が取り入れられています。 編み物をしながらテレビを見たり、会話を楽しんだりすることで、脳が活発に働き、年齢とともに低下しがちな認知機能を保つことができます。最近の研究では、編み物を趣味とする高齢者は、認知症のリスクが低いという結果も出ています。

4-2肩こりや目の疲れの改善

編み物をする時の姿勢は、体の健康にも影響を与えます。背筋を伸ばして編み物をすることで、自然と良い姿勢が身につきます。また、編み針を動かす動作は、指先から手首、腕にかけての軽い運動となります。パソコンやスマートフォンの使用が多い現代人にとって、肩こりや目の疲れの予防にもなります。 ただし、長時間同じ姿勢を続けることは避けましょう。30分編んだら5分休憩を取るなど、適度な休憩を取りながら楽しむことが大切です。 また、明るい場所で編むことで、目の疲れも防げます。最近では、立って編み物をする「立ち編み」も注目されています。これは、全身の血行を促進し、より高い運動効果が期待できます。

編み物の実用的なメリット

趣味としての楽しみだけでなく、実生活にも役立つ編み物の実用的な面について見ていきましょう。

5-1手作りならではの価値

手作りの良さは、既製品にはない温かみと、一つ一つに込められた思いにあります。例えば、お子さんのために編んだセーターは、デパートで買った物とは比べものにならない特別な価値があります。 サイズも、肩幅が狭めの方なら少し詰めて編んだり、腕が長めの方なら袖を長くしたり、体型に合わせて微調整できます。着心地も自分好みに調整できます。例えば、首元が苦手な方は広めに編む、寒がりな方は厚めに編むなどが可能です。 手触りの良い素材を選べば、デパートの高級ブランドにも負けない上質な仕上がりになります。また、毛糸の種類によって、洗濯機で洗えるものや、型崩れしにくいものを選ぶこともできます。手作りだからこそ、細部まで自分の好みやライフスタイルに合わせられるのです。

5-2手先が器用になる

編み物を続けることで、自然と手先が器用になっていきます。編み針を操作し、毛糸を編んでいく動作は、指先の細かな動きを必要とします。特に、細い毛糸を使う作品では、より繊細なコントロールが求められます。 この繊細な作業の積み重ねが、手先の器用さを向上させます。最初は編み針が思うように動かなくても、練習を重ねるうちに自然とスムーズに動かせるようになります。 編み物で見についた手先の器用さは、お料理、お裁縫など、日常生活の様々な場面で活きてきます。特に年齢を重ねると衰えがちな手先の細かい動きも、編み物を続けることで維持できます。また、関節を動かすことで、手先の血行も良くなります。

5-3経済的なメリット

編み物には、長い目で見ると経済的なメリットがあります。確かに、良質な毛糸は1玉1,000円以上することもあります。しかし、手作りの良さを活かして長く使い続けることで、結果的にコストパフォーマンスは良くなります。例えば、基本の編み方を覚えれば、同じデザインで色違いの作品を何点も作ることができます。 気に入った形のセーターなら、毎年違う色で編んで着回すこともあるでしょう。また、子育て中の方は、お子さんの成長に合わせて服のサイズを調整して編み直すこともできます。 さらに、手作りの小物は誕生日や記念日のプレゼントとしても喜ばれます。毎年の予算で考えると、プレゼント代の節約にもなるのです。素材選びを工夫すれば、高級ブランドと同じような質感の物を、より手頃な価格で作ることもできます。

5-4実用性と趣味の両立

編み物の良さは、趣味を楽しみながら実用的な物が作れることです。マフラーや手袋、セーターといった防寒具は、実際に使うことで温かさを実感できます。 「この厚さがちょうどいい」 「この長さが使いやすい」 など、使いながら次の作品に活かせる発見もあります。また、キッチンで使うアクリルたわしや、インテリアとして飾るクッションカバーなど、暮らしの中で活躍する小物も編むことができます。 使い込むほどに味わいが増し、長く愛用できるのも手作りの良さです。編み物は、見た目の楽しみだけでなく、実用的な価値も兼ね備えているのです。さらに、エコバッグやペットボトルホルダーなど、今の暮らしに役立つアイテムも編むことができます。時代とともに、編み物の可能性も広がっているのです。

編み物を楽しむ人々の広がり

編み物は今、新しい形で広がりを見せています。年齢や性別を超えて、多くの人々が自分なりの楽しみ方を見つけているのです。

6-1性別を超えた魅力

最近では、男性の編み物愛好家も増えています。特にファッション分野では、多くの男性デザイナーが編み物の技術を活かした作品を生み出しています。SNSでは「#男性編み物部」というタグで、男性の編み物作家が作品を発表したり、情報交換したりしています。 男性ならではの視点で、シンプルで機能的なデザインや、幾何学的な模様を取り入れた作品も人気です。例えば、スポーツ観戦用の防寒グッズや、パソコンケース、カメラストラップなど、実用的なアイテムを編むことができます。

6-2世代を超えた交流

編み物には、世代を超えた交流を生む力があります。編み物教室では、20代から80代まで、幅広い年齢層の方が一緒に学んでいます。例えば、経験豊富な方が若い世代に技術を教える、若い方が新しいデザインのアイデアを提案するなどの交流が盛んです。そこには自然な学び合いが生まれています。 最近では、親子で編み物を楽しむ方も増えています。お母さんの編み物姿を見て興味を持った子どもが、一緒に簡単な小物作りに挑戦するケースも。また、お孫さんへのプレゼントを編むために、編み物を始めるシニアの方も多いです。世代を超えた交流は、お互いの価値観を理解し合うきっかけにもなっています。

編み物のデメリットとその対策

編み物をより楽しむために、起こりやすい問題とその解決方法について見ていきましょう。初めての方でも安心して始められるよう、具体的な対策をご紹介します。

7-1時間がかかる課題

セーターなど大きな作品を編むとき、完成までにかかる時間を心配される方は多いです。実際、一枚のセーターを編むのに、初心者なら2〜3ヶ月はかかるでしょう。一方で、これは逆に言えば、じっくりと作品と向き合える時間があるということです。 通勤電車の中で10分、テレビを見ながら30分など、生活の中の「すきま時間」を活用すれば、無理なく進められます。また、編んでいる途中の達成感を味わうコツもあります。例えば、「今週は袖を1枚完成させよう」といった具体的な小目標を立てることです。 写真を撮って記録をつけておくと、少しずつ形になっていく様子が分かり、モチベーションも保てます。焦らず、編む時間そのものを楽しむ気持ちで取り組むことが大切です。

7-2費用面での注意点

良質な毛糸は決して安くありません。セーター1枚分の毛糸では、1万円近くかかることもあります。特に初心者は、必要な量が分からずに買いすぎてしまったり、セール品に魅かれて衝動買いをしてしまったりすることもあります。 しかし、賢く工夫をすれば費用を抑えることができます。例えば、初めのうちは練習用の手頃な毛糸で基本を覚え、慣れてから良質な毛糸に挑戦することをおすすめします。 作品を編む前には、必ず編み図の必要量を確認し、少し多めに購入することが安全です。また、毛糸屋さんのセール時期(春と秋が多いです)を狙って購入したり、見本品で試し編みをしてから本番用を買ったりすることで、無駄な出費を防ぐことができます。 最近では、ネットショップでお得に購入できることもあります。ただし、実際の色味や手触りが分からないので、初めのうちは実店舗で現物を確認することをおすすめします。

7-3技術習得の壁

新しい編み方に挑戦するとき、誰もが壁にぶつかります。特に「裏編み」や「模様編み」など、基本的な技術でも最初は難しく感じるものです。しかし、コツさえつかめば必ず上達します。まずは、基礎をしっかり固めることが大切です。 「表編み」が完璧にできるようになってから次の技術に進むなど、段階を踏んで練習しましょう。分からないことがあれば、編み物教室に通ったり、動画講座を活用したりするのも効果的です。また、編み物仲間を作ることをおすすめします。 同じ趣味を持つ人と情報交換することで、新しい発見や気づきが得られます。最近では、オンラインのコミュニティでも、たくさんの仲間と出会えます。失敗を恐れず、チャレンジする気持ちを大切にしましょう。

まとめ

編み物は、始めやすく、生涯楽しめる素晴らしい趣味です。手先を使うことで脳が活性化され、ストレス解消にもなります。また、世界に一つだけの作品を作る喜びは、何物にも代えがたいものです。確かに、時間がかかったり、技術の習得に苦労したりすることもあります。でも、一目一目丁寧に編んでいくことで、必ず素敵な作品が完成します。本記事を読んで、少しでも編み物に興味を持っていただけたなら、ぜひチャレンジしてみてください。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部