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石鹼作りに使う道具・材料は?100均で手に入るアイテムも紹介

記事作成日:2025.02.07
手作り石鹸を始めたいけれど、どんな道具や材料が必要なのかわからない。市販の石鹸より高くついてしまうのではないか。そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。実は100均でも揃えられる道具があり、予算をおさえながら素敵な手作り石鹸を作ることができます。本記事では、初心者の方でも安心して始められる材料と道具の選び方について解説していきます。
石鹼作りに使う道具・材料は?100均で手に入るアイテムも紹介

目次

石鹸作りの3つの基本メソッド

石鹸作りには主に3つの方法があります。それぞれ特徴が異なるので、自分の目的や技術レベルに合わせて選択することが大切です。はじめての方は、まず簡単な方法から始めて、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。

1-11. 苛性ソーダ法

苛性ソーダを使用する方法は、最も本格的な石鹸作りの方法です。オイルと苛性ソーダ、水を使用して化学反応を起こし、石鹸を作り出します。完成までには時間がかかりますが、自分好みの配合で作れる本格的な手作り石鹸を楽しむことができます。 この方法は化学反応を利用するため、正確な温度管理と安全な作業環境が必要不可欠です。
安全メガネやゴム手袋などの保護具を必ず着用し、換気の良い場所で作業を行うことが重要です。また、材料の計量は正確に行い、手順通りに作業を進めることで、安全に美しい石鹸を作ることができます。特に初めて作る場合は、経験者のアドバイスを受けたり、信頼できるレシピを参考にしたりすることをおすすめします。

1-22. グリセリンソープ法

グリセリンソープを使用する方法は、透明感のある美しい石鹸を作ることができます。溶かして固めるだけの簡単な作り方で、初心者の方でも簡単に作れるのも魅力です。また、色付けや香り付けも自由自在で、見た目にも華やかな石鹸を作ることができます。
特別な設備や技術が必要なく、電子レンジでグリセリンソープを溶かし、好みの型に流し入れて固めるだけです。カラフルな色付けや、ドライフラワーを入れたデザインなど、アレンジの幅も広く、SNS映えする素敵な石鹸作りを楽しむことができます。季節に合わせた色や香りを選んだり、プレゼント用にラッピングを工夫したりと、創作の楽しみが広がります。

1-33. 石鹸素地法

石鹸素地とお湯だけで作る方法は、最も簡単な石鹸作りです。粘土遊びのような感覚で作れるため、お子様と一緒に楽しむ手作り石鹸として人気があります。特別な道具や技術が必要なく、安全に作ることができるのが特徴です。
石鹸素地をお湯で溶かし、好みの形に整えるだけで完成します。香りや色を付けることもでき、簡単なアレンジを楽しむことができます。
特に、お子様向けのワークショップなどでよく使われる方法で、安全に手作り石鹸の楽しさを体験できます。誕生日会やイベントでも人気のアクティビティとして取り入れられ、思い出に残る体験となります。

必要な材料と道具一覧

石鹸作りを始める前に、必要な材料と道具をしっかりと揃えることが大切です。しかし最初から全てを揃える必要はなく、選んだ作り方に合わせて必要なものを準備していけば大丈夫です。ここでは、それぞれの材料と道具の役割や選び方のポイントについて詳しく解説していきます。

2-1基本の材料

石鹸作りを始めるにあたって、まず基本となる材料を理解することが大切です。材料選びは石鹸の品質を左右する重要なポイントとなります。特にオイルの選択は慎重に行う必要があり、それぞれの特性を理解したうえで、目的に合った材料を選びましょう。初めて作る方は、基本的な材料から始めることをおすすめします。
<基本材料リスト>
オリーブオイル:保湿効果が高く、肌に優しい
ココナッツオイル:泡立ちが良く、硬い石鹸に仕上がる
パームオイル:石鹸の硬さと泡立ちのバランスを整える
苛性ソーダ:オイルと化学反応を起こし、石鹸を作る
精製水:不純物の少ない水、水道水は適さない
グリセリンソープ:溶かして固めるだけで作れる
石鹸素地:粘土状の材料で、水を加えて形作る
これらの材料は、作り方によって必要な組み合わせが異なります。苛性ソーダを使用する本格的な方法では、オイルと苛性ソーダ、精製水が必要不可欠です。
初心者の方は、グリセリンソープや石鹸素地から始めることをおすすめします。材料の保管には適切な容器を使用し、特に苛性ソーダは施錠できる場所に保管するなど、安全管理に十分注意を払うことが重要です。

2-2必須の道具リスト

石鹸作りには、正確な計量と安全な作業のための道具が必要です。最初は基本的な道具から始めて、徐々に揃えていくのがおすすめです。特に計量器具と保護具は、安全で成功率の高い石鹸作りには欠かせません。初期投資を抑えながら、必要最小限の道具から始めましょう。
<必須道具リスト>
デジタルスケール:0.1g単位で計測可能なもの
デジタル温度計:材料の温度管理用
ステンレスボウル:材料の混合用
耐熱容器:苛性ソーダ溶液作成用
シリコン型:石鹸の成形用
ゴーグル:目の保護用
耐薬品性ゴム手袋:手の保護用
マスク:蒸気から保護
エプロン:衣服の保護用
カッター:石鹸を切るためのもの
これらの道具は使用目的に応じて適切な素材を選ぶことが重要です。特に材料と接触する容器類は、耐熱性と耐薬品性を確認して購入しましょう。保護具は安全性を重視し、できるだけ良質なものを選ぶことをおすすめします。道具は使用後にしっかりと洗浄し、次回の使用に備えて清潔に保管することで、長く使い続けることができます。

100均で揃えられる道具

手作り石鹸を始めるにあたって、道具にかかる費用を抑えたい方も多いでしょう。実は100均ショップでも、十分使える道具を揃えることができます。ただし、安全性と耐久性を考慮して選ぶことが大切です。ここでは、100均で購入できる便利な道具と、避けた方が良いものについて解説していきます。

3-1おすすめアイテム10選

日用品売り場やキッチン用品コーナーには、石鹸作りに活用できるアイテムがたくさんあります。特に計量や撹拌、型入れなどの基本的な作業で使用する道具は、100均アイテムでも十分な品質のものが見つかります。初めは必要最低限の道具から始めて、徐々に揃えていくのがおすすめです。
<100均おすすめアイテム>
耐熱プラスチック計量カップ:液体材料の計量用
シリコンゴムべら:材料の掻き取り用
泡立て器:材料の撹拌用
プラスチックボウル:材料の混合用
シリコン型:石鹸の成形用
温度計:材料の温度管理用
カッター:石鹸のカット用
保存容器:材料の保管用
ゴム手袋:手の保護用
計量スプーン:少量材料の計量用
これらの道具は、使用前に必ず強度や耐熱性を確認してください。特に熱い材料を扱う道具は、耐熱温度を必ずチェックしましょう。また、使用後は丁寧に洗浄し、次回使用時に問題がないか確認することが大切です。状態が悪くなったら、すぐに新しいものに交換することをおすすめします。

3-2100均では買わない方が良いもの

初期費用を抑えるために100均アイテムを活用するのは賢明な選択ですが、安全性や耐久性の観点から、避けた方が良いものもあります。特に化学反応を伴う工程で使用する道具や、精密な計量が必要な器具は、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
<避けるべき100均アイテム>
デジタルスケール:精度が不安定
ゴーグル:強度が不十分
耐薬品手袋:薬品への耐性が不明確
ガラス製温度計:割れやすく危険
電子温度計:精度に不安
金属製道具:材質が不明確
計量カップ:目盛りが不正確
プラスチック容器:耐熱性が不明確
マスク:防護性能が不十分
撹拌機:耐久性に不安
これらの道具は、安全性や正確性が重要な作業に使用するものです。特に苛性ソーダを扱う際の保護具や、精密な計量が必要な道具は、専門店やホームセンターで品質の確かな商品を購入することをおすすめします。多少費用がかかっても、安全で正確な作業ができる道具を選ぶことが、長期的には経済的です。

材料の選び方とコツ

手作り石鹸の出来栄えを左右する重要な要素が、材料の選び方です。特にオイルの種類と配合は、できあがりの石鹸の質感や使用感に大きく影響します。
また、香りや色付けの材料選びも、オリジナリティのある石鹸作りには欠かせません。ここでは、それぞれの材料の特徴と選び方のポイントについて詳しく解説します。

4-1オイルの種類と効果

石鹸の基礎となるオイルの選び方は、作りたい石鹸の特性を決める重要な要素です。肌タイプや目的に合わせて、適切なオイルを選ぶことで、理想の石鹸を作ることができます。初めて作る方は、基本的なオイルから始めて、徐々にレパートリーを増やしていくことをおすすめします。
<基本的なオイル>
オリーブオイル:しっとりタイプの石鹸の基本
ココナッツオイル:泡立ちの良い洗浄力重視の石鹸用
パームオイル:石鹸の硬度を調整する用途
アーモンドオイル:敏感肌向けの優しい石鹸用
ひまわり油:さっぱりとした使用感の石鹸用
シアバター:保湿効果の高い石鹸用
ホホバオイル:美容効果を高めたい石鹸用
アボカドオイル:エイジングケア向けの石鹸用
オイルの選択は、使用目的や好みの使用感によって変えていきましょう。また、複数のオイルをブレンドすることで、それぞれの特性を活かした理想的な石鹸を作ることができます。保存方法にも注意を払い、品質の良い状態で使用することが大切です。

4-2香りと色付けの材料

手作り石鹸の魅力の一つが、好みの香りと色を付けられることです。天然素材を使用することで、自然な香りと色合いを楽しむことができます。ただし、添加量には適切な範囲があり、使いすぎは逆効果になる場合もあるので注意が必要です。
<香りと色付けの材料>
ラベンダー精油:リラックス効果のある香り
ローズマリー精油:さわやかな香り
ミント精油:清涼感のある香り
ドライハーブ:自然な香りと見た目のアクセント
ウコン:イエローの天然色素
クチナシ:グリーンの天然色素
ベリー類:ピンクやパープルの天然色素
粘土:ナチュラルカラーの着色
カカオパウダー:ブラウンの天然色素
抹茶パウダー:グリーンの天然色素
天然素材を使用する際は、使用量と保存方法に気を付けましょう。特にエッセンシャルオイルは濃度が高いため、適量を守ることが大切です。また、色付けに使用する材料は、事前に少量で試してから本番に使用することをおすすめします。

安全に作るための準備と注意点

石鹸作りは楽しい手作りの趣味ですが、特に苛性ソーダを使用する場合は、安全面への配慮が不可欠です。作業環境の整備と適切な保護具の使用により、安全に石鹸作りを楽しむことができます。ここでは、安全な作業のために必要な準備と注意点について詳しく解説していきます。

5-1作業環境の整備

石鹸作りを始める前に、適切な作業環境を整えることが重要です。特に換気と温度管理は、安全で成功率の高い石鹸作りには欠かせません。作業スペースは広めに確保し、材料や道具を使いやすく配置することで、スムーズな作業が可能になります。
<作業環境チェックリスト>
換気扇のある場所または窓の開く部屋
清潔で平らな作業台
十分な明るさのある場所
子供やペットの立ち入りを制限できる空間
緊急時の水道やシャワーへのアクセス
温度管理のできる環境
材料や道具の置き場所
掃除用具の準備
緊急連絡先の掲示
応急処置キットの設置
作業環境が整ったら、使用する材料や道具を作業手順に沿って配置します。特に苛性ソーダを使用する場合は、換気に十分注意を払い、常に新鮮な空気が入れ替わるようにしましょう。また、作業中は部屋の温度にも気を配り、材料が適切な温度を保てるようにすることが大切です。

5-2必須の保護具

石鹸作りでは、肌や目を守るための適切な保護具の着用が必要不可欠です。特に苛性ソーダを使用する場合は、確実な防護が必要となります。ここでは、必要な保護具とその正しい使用方法について説明します。
<必須保護具リスト>
耐薬品性ゴーグル:目を守る専用タイプ
耐薬品性手袋:手首まで覆うロングタイプ
防塵マスク:蒸気や粉末から呼吸器を守る
長袖エプロン:衣服への付着を防ぐ
長袖の服:肌の露出を防ぐ
長ズボン:足元の保護
靴下と靴:足の保護
フェイスシールド:顔全体の保護
腕カバー:腕の保護
キャップ:頭髪の保護
これらの保護具は、作業開始前に正しく着用し、作業が完全に終わるまで外さないようにします。特に目の保護は重要で、通常の眼鏡やサングラスでは代用できません。必ず専用のゴーグルを使用しましょう。また、使用後の保護具は適切に洗浄し、次回の使用に備えて清潔に保管することが大切です。

予算別おすすめセット

手作り石鹸を始めるにあたって、予算は重要な考慮点となります。必要な道具や材料をどの程度そろえるかによって、初期費用は大きく変わってきます。
ここでは、予算に応じた3つの異なるセット構成をご紹介します。初心者の方は、まず基本的なセットから始めて、徐々にグレードアップしていくことをおすすめします。

6-13000円で始めるミニマムセット

手作り石鹸を気軽に始めたい方におすすめなのが、グリセリンソープを使用する方法です。3000円という予算内で、必要最低限の道具と材料を揃えることができます。グリセリンソープ、シリコン型、温度計が基本となります。100均の耐熱容器や計量カップも活用することで、予算内に収めることができます。
初めて石鹸作りに挑戦する方は、まずはシンプルなデザインから始めることをおすすめします。基本的な道具で作れる範囲で技術を磨き、徐々にアレンジを加えていくことで、失敗も少なく、着実に上達することができます。コスト削減のコツは、キッチンにある道具を活用することと、100均アイテムを上手に取り入れることです。

6-25000円で始める標準セット

本格的な石鹸作りを始めたい方向けの、スタンダードな道具セットです。5000円の予算で、基本的な道具一式を揃えることができます。デジタルスケール、温度計、耐熱容器、シリコン型など、品質の良い基本道具を選びましょう。この予算帯であれば、安全面でも妥協することなく、必要な保護具も含めて揃えることができます。
これらの道具は長期的な使用に耐えるものを選ぶことで、継続的な石鹸作りの基礎となります。特に計量器具は正確さが重要なので、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。初期投資は少し高くなりますが、長く使える道具を選ぶことで、結果的には経済的です。

6-3本格派のフルセット

石鹸作りを本格的に楽しみたい方向けの、プロ仕様のフルセットをご紹介します。予算は20,000円~30,000円を目安に考えましょう。この予算があれば、高品質な道具を揃えることで、より本格的な石鹸作りを楽しむことができます。デジタルスケールは0.1g単位で計測できる精密なもの(8,000円程度)、温度計はデジタル式の高性能なもの(5,000円程度)を選びましょう。また、耐久性の高いステンレス製の大型ボウル(3,000円程度)や、プロ仕様の保護具セット(4,000円程度)も必要です。
材料も上質なものを使用することで、より高品質な石鹸を作ることができます。オーガニックオイルやエッセンシャルオイルなど、こだわりの材料を使用することで、世界に一つだけの特別な石鹸を作ることができます

さらに石鹸作りを深めたい方へ

石鹸作りの技術を磨き、さらなるステップアップを目指す方には、専門的な資格取得という選択肢があります。その代表的な資格が「石鹸アーティスト®」です。この資格は、ハンドメイドソープの専門知識と技術を証明するもので、オイルの特性理解から安全な制作方法、さらには様々な種類の石鹸の製法まで、幅広い知識を習得することができます。
資格取得のメリットは、自宅やカルチャースクールでの講師活動が可能になることです。オンラインでの指導も視野に入れることができ、石鹸作りの知識を活かした新しいキャリアを築くチャンスが広がります。インターネットでの申し込みが可能で、在宅での受験にも対応しているため、仕事や家事の合間を利用して学習を進めることができます。
資格取得には70%以上の評価が必要ですが、固形石鹸だけでなく、透明石鹸や液体石鹸など、様々な製法を体系的に学べることは、石鹸作りの技術向上に大きく役立ちます。趣味として楽しんでいた石鹸作りを、より専門的なレベルへと高めたい方にとって、挑戦する価値のある資格といえるでしょう。

まとめ

手作り石鹸は誰でも始められる素敵な趣味ですが、安全で満足のいく結果を得るためには、適切な道具と材料の選択が重要です。予算や目的に応じて、100均アイテムを活用したり、プロ仕様の道具を選んだりと、様々な選択肢があります。
特に初心者の方は、グリセリンソープから始めて、徐々に本格的な石鹸作りにステップアップしていくことをおすすめします。安全面には十分な注意を払い、正しい知識と適切な道具を使用することで、世界に一つだけのオリジナル石鹸作りを楽しむことができます。また、手作り石鹸は完成までに時間がかかりますが、その過程で得られる知識と経験は、より深い石鹸作りの理解につながります。失敗を恐れずに、まずは基本的なレシピから始めて、少しずつアレンジを加えていくことで、確実に技術を身につけることができるでしょう。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部