メンタル心理インストラクター®資格

臨床心理士とは?

記事作成日:2024.09.09
臨床心理士

目次
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臨床心理士

臨床心理士は心理学の専門知識と臨床経験を活かし、うつ病や精神疾患等、さまざまな心理的な問題を診断し治療する専門家です。主な仕事内容は以下の通りです。

1-1臨床経験

臨床経験」とは、医療現場や福祉現場などで、実際に患者さんや利用者さんと関わりながら得られる経験のことです。
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士など、様々な医療従事者が、病院、クリニック、介護施設などで患者さんと接し、治療やケアを行う経験で、臨床心理士も福祉施設、児童福祉施設、障害者支援施設などで利用者さんと接し、支援を行い経験を積みます。

1-2臨床心理士のカウンセリング

患者の問題や症状を評価し、心理学的な診断を行います。これには、面接や様々な評価ツールを使用して、カウンセリングは患者の心の状態(心理)を理解するための情報を収集します。ストレスチェック・性格診断・悩み相談から患者の悩みを理解し、心理学的な評価を出します。

1-3治療計画の立案

患者と共同で治療目標を設定し、適切な治療計画を立てます。クライアントの症状や希望を理解し、どのように心理療法やその他の治療的アプローチを使用して、患者の症状や問題の軽減または解決を目指します。多くのアイデアをアドバイスし最終的にクライアントに合わせた治療方法を定めます。

1-4心理療法の実施

治療計画に基づいて、心理療法を施しますが、認知行動療法、精神分析、人間関係療法などが代表的です。セラピーのセッションを通じて、患者が自己理解を深め、問題に対処するためのスキルを身につけるサポートをし、最終的に自分で自立・自己管理ができるようになるまでのサポートを図ります。

1-5クライアントの支援

患者やその家族に対して、心理的な問題や治療に関する教育を行い、サポートを提供します。また、健康な生活習慣やストレス管理の方法など、予防的なアドバイスも行います。

1-6施設全体でのケア

他の医療専門家やケアプロバイダーと協力して、総合的な治療計画を立てます。医師、看護師、社会労働士の他に親族や家族を含めてオリエンテーションなどを行い、無理なく患者の状態を包括的に管理します。
また臨床心理士は、患者の精神的な健康と自己管理の仕方を提案し、多岐にわたるスキルと専門知識を駆使し、個々の患者に焦点を当て、そのニーズに応じ治療を提供することにあります。

臨床心理士の仕事の勤務先とは?


臨床心理士が勤務する場所や職場は多岐にわたりますが、一般的な勤務先として以下のようなものがあります。

2-1病院

精神科や心療内科などの部門で、患者の評価、診断、治療を行います。病院勤務の場合、重症な精神障害や精神的な疾患を持つ患者に対する臨床心理士の専門知識が求められます。また、術後の患者の精神状態の確認など病院内での職務は多様です。

2-2クリニック

精神保健クリニックやカウンセリングセンターなどで、一般的なカウンセリングや心理療法を提供します。中には長期的な治療を必要としている患者や長期のリハビリを必要としていて、軽度から中程度の精神的な問題を抱えた患者への対応が主な仕事です。

2-3学校

学校でのカウンセリングサービスや教育支援を行うことがあります。生徒や教職員の全員のメンタルヘルスの支援、管理、アドバイスなどを行うため、実績やキャリアが求められる職場です。

2-4企業

ストレス社会において多くの企業がストレス管理を積極に行っています。従業員の心理的な健康とストレス管理を支援するためのプログラムを運営する企業で働き、社内のストレス管理、人材開発、ワークライフバランスの支援などが任務です。

2-5刑務所や更生施設

受刑者や更生を目指す人々に対して、心理評価、カウンセリング、リハビリテーションプログラムの提供から、再犯防止や社会復帰のサポートを目的とし、この職場でも実績やキャリアが重用視されます。

2-6民間の臨床診療所

独立した臨床心理士が運営するプライベートクリニックや診療所で、心理療法やカウンセリングを行い、個別のクライアントに対して、多様な心理的な問題に対応します。
これらの勤務先での臨床心理士の役割は多岐にわたり、それぞれの環境やクライアントのニーズに応じて、適切な治療や支援を提供することが求められます。

臨床心理士の患者へのケア

臨床心理士が患者へ提供するケアは、患者のニーズや状況に応じて多岐にわたります。一般的に、以下のようなアプローチやケアが含まれます。

3-1カウンセリング・診断

患者との初回面談や各セッションを通じて、患者の問題や症状を理解し、適切な診断を行います。診断も対話力やコミュニケーション力が要求され、心理的な状態や精神的な健康、社会的な問題を見つけ解決策を見出します。

3-2精神的な問題への理解

患者と共同で治療目標を設定し、精神状態を理解した上で治療計画をクライアントに説明しどのような心理療法の選択、またその後のセラピーを行うのかを計画します。改善だけでなく防止のためにもクライアントにさまざまなアイデアを提供します。

3-3心理療法の提供

患者に適した心理療法を提供するため、セラピーのセッションを通じて、患者が感情を理解し、健康な行動パターンを築く手助けをします。効果が出る様に、クライアントに適した心理療法を提案することが重要です。

3-4自己管理の支援

患者に対して、問題解決スキルやストレス管理の技術など、自己管理のツールを提供し、支援を行います。患者が日常生活で実践できるような自己管理の方法から、必要なケアを十分に考案します。

3-5クライアントの支持と安全な環境の提供

患者との信頼関係を築き、支持的で安全な環境を提供します。患者が自分自身を表現し、感情を開示しやすいようにサポートし、安心感を与えます。

3-6統合的なケアの促進

他の医療専門家やケアプロバイダーと連携し、患者にとって最適な統合的なケアを提供します。医師、看護師、社会労働士などと連携し、総合的な治療計画をサポートします。

3-7継続的な治療や管理の調整

治療の進行状況を定期的にカウンセリングし、必要に応じて治療計画を調整します。患者の反応や症状を分析し、適切な介入を行います。
臨床心理士は、患者のメンタルヘルスと安定した精神を保つことを支援するために、専門的なスキルと経験に基づいたアプローチを使用します。患者の状態に応じて柔軟に調整し、患者の成長と回復を手助けします。

臨床心理士が向いている人とは?

臨床心理士は、人々の心の健康を支える重要な役割を担う仕事です。向いている人、そうでない人、それぞれの特徴があります。臨床心理士に向いている人の特徴をいくつか挙げますね。

4-1向いている人の特徴

●共感力が高い
他者の気持ちや状況を深く理解し、共感することができます。相手の立場に立って考え、寄り添うことができる人が向いています。
●傾聴力に優れている
相手の話をじっくりと丁寧に聞き取る能力があり、言葉だけでなく、表情や仕草にも注意を払い、相手の真意を理解しようと努めることができます。
●コミュニケーション能力が高い
相手に分かりやすく説明したり、質問したり、意見交換したりすることが得意ならば、相手に安心感を与え、良好な関係を築くことができます。
●問題解決能力が高い
クライアントの抱える問題点を分析し、解決策を一緒に探すことができ、論理的に考え、状況に応じて柔軟に対応することができます。
●忍耐強く、粘り強い
セラピーは長期にわたる場合もあり、すぐに成果が出るとは限りませんので、クライアントとじっくり向き合い、根気強くサポートしていくことができます。
●責任感がある
クライアントのプライバシーを尊重し、プロとしての倫理観に基づいて行動することができます。
●常に学び続けようとする姿勢を持つ
心理学は常に発展している分野なので、最新の知識や技術を学び続け、自己成長を図る意欲が求められます。
●精神的に安定している
他者の心の問題と向き合う仕事なので、自分自身の心の状態を安定させ、客観的な視点を持つことが重要です。

4-2向いていない人の特徴

人の話を聞きたくない、人の感情に興味がない
自分の意見や価値観を押し付けがち
すぐイライラしたり、感情的になったりする
責任感がない、約束を守れない
他人のことを理解しようとしない
新しい知識や技術を学ぶことに抵抗がある
臨床心理士は、人々の心の健康を支える重要な仕事です。上記の特徴を参考に、自分の適性と照らし合わせて考えてみてください。
臨床心理士は、様々な分野で活躍できます。興味のある分野を調べて、自分に合った仕事を探してみるのも良いでしょう。
臨床心理士になるには、大学院で心理学を学び、国家試験に合格する必要があります。実際に臨床心理士として働いている人に話を聞いてみるのも良いでしょう。
臨床心理士の仕事は、決して楽ではありません。しかし、人々の心に寄り添い、その人がより良く生きられるようにサポートする、やりがいのある仕事です。

臨床心理士の心理的な具体的なケアとは?

臨床心理士が行う心理的なケアは、一言で言うと「心の健康をサポートする」ことです。しかし、その内容は多岐にわたります。具体的な例を挙げながら説明します。

5-1悩みや問題の理解と解決への道筋をつける

クライアントの話をじっくりと聞き、その人が抱える悩みや問題を理解することから始まります。自分の気持ちや状況を客観的に見つめる機会を提供し、問題解決に向けて一緒に考え、過去の経験やトラウマ、思考パターンなどを探り、心の状態をより深く理解します。認知行動療法などの手法を用いて、歪んだ考え方や行動パターンを修正し、より建設的な考え方や行動を身につけるサポートを行います。

5-2心理検査

適性検査、性格検査、知能検査など、様々な心理検査を用いて、クライアントの心の状態をより詳細に把握します。これらの検査結果に基づいて、より適切なカウンセリングや治療法を検討します。

5-3ストレスや不安の軽減 ・ストレスマネジメント

ストレスの原因や対処方法を一緒に考え、ストレスに効果的に対処できるようサポートします。
リラックス法、瞑想、呼吸法などの具体的な方法を指導し、心の安定を図ります。ストレスを軽減するための生活習慣の改善をアドバイスします。

5-4不安障害の治療

不安障害(パニック障害、強迫性障害など)の症状を和らげるための治療を行います。薬物療法と併せて、認知行動療法や暴露療法などの心理療法を用いることで、不安に立ち向かう力を育みます。

5-5精神的な安定と成長を促す ・うつ病の治療

臨床心理士はうつ病の症状を改善し、生活の質を高めるための治療を行います。薬物療法、認知行動療法、精神療法など、状況に応じて適切な治療法を選択します。患者さんが自分らしく生きられるよう、心の回復をサポートします。

5-6トラウマや過去の傷の克服 ・トラウマの治療

過去のトラウマ的な出来事によって心に傷を負っているクライアントに対して、トラウマを克服するための治療を行います。EMDR療法などの専門的な心理療法を用いることで、トラウマの記憶を処理し、心の安定を図ります。
臨床心理士は、クライアントの状況やニーズに合わせた、様々な心理的なケアを提供します。
さらに、 臨床心理士は、家族や周りの人々にも適切なサポートを提供することで、クライアントの回復を支援します。また、社会に存在する様々な問題(いじめ、虐待、貧困など)に対して、心の専門家として積極的に活動し、社会全体の心の健康向上に貢献していて、臨床心理士の仕事は、人々の心の健康を支える、とてもやりがいのある仕事です。

臨床心理士 心の病との向き合い方

臨床心理士が「心の病」とどのように向き合っているのか、それはまさに「心の健康を支えるプロフェッショナル」としての姿勢そのものです。

6-1理解と共感に基づいたサポート

心の病は、風邪や骨折と同じように、治療が必要な病気です。
臨床心理士は、心の病気を抱える人々を「弱っている人」ではなく、「病気と闘っている人」として理解し、寄り添います。

6-2差別や偏見をなくす努力

心の病に対する誤解や偏見は、患者さんにとって大きな苦しみになります。臨床心理士は、正しい知識を普及し、心の病に対する理解を深める活動にも積極的に取り組んでいます。

6-3個々の状況に合わせたサポートを心掛ける

心の病は、人それぞれ症状や原因が異なります。臨床心理士は、患者さんの状況を丁寧に聞き取り、その人に合ったサポートを提供します。

6-4心理学研究に基づいた治療法

臨床心理士は、心理学研究に基づいた、効果的な治療法を駆使します。認知行動療法、精神療法、EMDR療法など、様々な治療法があります。

6-5経験や研究から学ぶ

心理学は常に発展していて新たな知識が増えている分野です。臨床心理士は、最新の研究成果や治療法を学び続け、常にスキルアップを目指しましょう。

6-6薬物療法との連携

精神疾患の患者さんなどは必要に応じて、精神科医との連携を図り、薬物療法を組み合わせることもあります。患者さんの主体性を尊重し患者さんの声を大切にする 事も求められ、臨床心理士は、患者さんの気持ちを尊重し、積極的に意見を聞きながら治療を進めます。

6-7目標設定と自己決定

患者さんと一緒に治療目標を立て、その達成に向けてサポートします。患者さん自身が治療に積極的に参加し、自分の人生を主体的に選択できるよう支援します。

6-8回復への道のりを共に歩む

心の病の回復には時間がかかる場合もあります。臨床心理士は、患者さんが回復するまで、寄り添い、励まし、共に歩見解決を目指します。

6-9自分自身の心の健康も大切にする

心の病と向き合う仕事は、決して楽ではありません。 臨床心理士は、自分自身も心の健康を維持し、常に自分自身を見つめ直すことが重要です。
臨床心理士は、他の専門家から意見を聞いたり、自分自身もカウンセリングを受けることで、心の健康を保ち、より良いサポートを提供できるように努めます。
臨床心理士は、心の病と闘う人々にとって、かけがえのない存在です。 彼らの専門知識と人に対する深い愛情は、患者さんの回復への道を照らしてくれる光となります。

臨床心理士 代表的な治癒方法

臨床心理士が用いる代表的な治癒方法は、大きく分けて 心理療法 と 心理検査 に分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

7-1心理療法

心理療法は、言葉や行動を通して心の状態を改善していく方法です。様々な種類があり、患者さんの症状やニーズに合わせて適切な方法が選択されます。

7-2認知行動療法

個人的な偏った考え方や行動パターンを指摘し、普通に過ごせるようなマインドに変化を目指す療法です。具体的な例として、不安や恐怖に立ち向かうための「暴露療法」、ネガティブな思考パターンを修正するための「認知再構成」などが挙げられます。

7-3精神力動療法

過去の経験や無意識的な感情が現在の心の状態に与える影響を探り、心の葛藤を解決することを目指す療法です。対人関係や過去のトラウマ、嫌なおもいをした経験や、抑圧された感情などを深く掘り下げていくことで、自己理解を深め、より健全な人間関係を築けるようにサポートします。

7-4対人関係療法

人間関係の改善を通して、心の状態を改善することを目指す療法です。勤務先での人間関係に悩んでいる方や家族や恋人との関係などについての悩みなどを含めて、現在の対人関係における問題点や、過去の対人関係の経験を分析し、より良好な人間関係を築くためのスキルを習得します。

7-5家族療法

家族全体の相互作用に着目し、家族関係の改善を通して、個々のメンバーの心の状態を改善することを目指す療法です。家族間のコミュニケーション、役割分担、境界線などの問題点を解決することで、家族全体の機能を高めます。

7-6その他・EMDR療法

トラウマの克服を目的とした療法。目の動きや音、触覚などを用いてトラウマ記憶を処理することで、心の安定を図ります。心理的に重症なトラウマなどは長期的な解決を試み、そのためのさまざまなセラピーを試していきます。

7-7ゲシュタルト療法

自分の感覚や感情に意識を向け、今この瞬間の体験を重視する療法。

7-8芸術療法

絵画、音楽、演劇など、芸術的な活動を通して、心の状態を表現したり、解放したりする療法。

7-9心理検査

心理検査は、クライアントの心の状態をより客観的に把握するためのツールです。様々な種類があり、検査結果に基づいて、適切な心理療法や治療法が選択されます。

7-10知能検査

知的な能力を評価する検査。学習能力や思考力、問題解決能力などを測定します。

7-11性格検査

性格傾向や特徴を把握するための検査。性格の強みや弱み、対人関係における傾向などを明らかにします。

7-12適性検査

特定の仕事や役割に適しているかどうかを評価する検査。能力や興味、適性などを測定します。

7-13うつ病尺度

うつ病の症状の重症度を評価する検査。

7-14不安障害尺度

不安障害の症状の重症度を評価する検査。

7-15重要ポイント

臨床心理士は、これらの様々な治癒方法を組み合わせたり、他の専門家と連携したりすることで、患者さんの心の健康を総合的にサポートします。
どの治療法が最適かは、患者さんの症状やニーズによって異なります。臨床心理士は、患者さんの状態を丁寧に観察し、最適な治療法を選択し、治療を進めていきます。
臨床心理士は、患者さんのプライバシーを厳守し、倫理的に配慮した治療を行います。患者さんと良好な信頼関係を築き、深く理解し、その対策までを十分に提供できるスキルや知識を持ち、安心して治療を受けられる環境を提供します。心の病は、適切な治療によって改善できる病気なので、 心のことで悩んでいるクライアントを臨床心理士が改善を図ります。