メンタル心理インストラクター®資格

公認心理師とは?

記事作成日:2024.07.30
公認心理師は、国家資格で国の要件を満たして免許を取得したメンタルケアの専門家です。心理学的な評価や治療を行い、心理的な問題や障害に対して診断と治療を行う資格を持っています。
心理学の種類

目次
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公認心理師の国家試験について

日本では、心理臨床士や心理療法士とは異なり、公認心理師という国家資格が存在します。公認心理師は、一般社団法人日本心理学会が主催する国家試験に合格することで取得することができます。

1-1試験内容

公認心理師の国家試験は、心理学の基礎知識、臨床心理学、教育心理学、心理評価など幅広い領域をカバーする問題が出題されます。試験は筆記試験となっており、複数の科目から構成されています。

1-2合格基準

試験に合格するには一定の基準をクリアする必要があります。各科目ごとに基準点が設定されており、全科目で合格基準を満たす必要があります。
具体的には、公認心理師は以下のような役割を担います。

1-3●診断と評価

患者の心理的な問題や状態を診断し評価します。

臨床診断

臨床診断はクライアントの話を聞き、観察し、行動パターンや感情の変化、精神的健康の問題を評価します。診断にはDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)などの診断基準が使用されることが一般的です。

症状評価

症状評価はクライアントの症状や問題の性質を詳細に理解し、適切な診断を行います。クライアントの日常生活での機能能力を評価し、問題の重症度や影響を把握します。これには、職業能力の評価、社会的スキルの評価、日常生活の管理能力の評価などが含まれます。

1-4●治療とカウンセリング

心理療法やカウンセリングを通じて、クライエントの問題やストレスに対処し、心理的な健康を改善します。カウンセリングは、公認心理師がクライアントに対して提供する支援的な対話やアドバイスのプロセスで、カウンセリングの目的はクライアントが自己の問題や課題をクリアし、日常生活での調整を行います。

1-5●予防やアドバイス

公認心理士は、個人や集団に対して具体的なアドバイスを提供し、心理的健康の向上を助けます。ライフスタイルのアドバイスは健康的なライフスタイルの促進に向けたアドバイスを提供します。適切な栄養、運動、休息の重要性について説明し、これらが心理的なウェルビーイングに与える影響を示唆します。また、公認心理士は、ストレス管理のテクニックやリラクゼーション法を教え、日常生活でのストレスの軽減をサポートします。深呼吸、マインドフルネス、プログレッシブ・マッスル・リラクセーションなどの方法が含まれます。

1-6●コンサルテーション

学校、企業、法的機関などで、心理学的な問題に関するアドバイスやコンサルテーションを提供します。
公認心理師は、臨床心理学、教育心理学、カウンセリング心理学などの専門分野で活動し、患者やクライエントのプライバシーと倫理規定を尊重し、高度な専門知識と技能を持って診断と治療を行います。

公認心理師の治療

公認心理師は、さまざまな心理的な問題や障害に対して治療を行います。具体的な治療方法やアプローチは、その心理師の専門性や訓練に基づいて異なる場合がありますが、一般的に以下のような方法が用いられます。

2-1心理療法(カウンセリング)

心理療法とは、心理的な問題や苦しみを解決し、精神的な健康を改善するための専門的な治療方法です。心理療法は、心理学の理論や技術を基にして行われ、訓練を受けた心理学者や臨床心理士、心理療法士によって提供されます。
うつ病などを対象に最も一般的な治療法であり、クライエントとの対話を通じて問題の解決や心理的な健康の改善を図ります。代表的な心理療法には、認知行動療法(CBT)、精神分析、人間関係療法、行動療法などがあります。

2-2ストレス管理とリラクゼーション技法

ストレスや不安に対処するための技術を教え、リラクゼーション法やマインドフルネスを取り入れることがあります。また、そのための資格なども異なっていて治療方法もさまざまです。

2-3行動変容の促進

患者が健康的な行動や習慣を身につけるためのサポートを提供します。例えば、喫煙や食事習慣の改善、運動習慣の促進などです。生活習慣や思考改善などの改善からメンタルケアを行います。

2-4家族療法

家族やカップルの関係性に焦点を当て、問題を解決するための支援を行います。

2-5精神薬物療法の支援

心理師は薬物療法(精神薬物)を処方することはできませんが、医師が処方した薬物療法を支援し、その効果や副作用に関する情報を提供することがあります。
治療の具体的な内容は、クライエントのニーズや状況に応じて異なります。公認心理師は、個々のクライエントの状態や目標に適した最適な治療プランを提供するために、豊富な心理学的な知識とスキルを活用します。

公認心理師が活躍している職場

公認心理師は、さまざまな場所で働くことが可能です。主な職場や仕事場は以下の通りです。

3-1臨床診療所・精神保健施設

公認心理師は、精神保健センターや病院の精神科、地域の診療所などで臨床的な診断と治療を行います。ここでは、様々な精神的な問題や障害を持つ患者に対して個別にカウンセリングや心理療法を提供します。

3-2教育機関

学校や大学でも、公認心理師は教育的なニーズに応じて活動します。学校カウンセラーや学校心理士として、生徒や学生の学業上や精神的なサポートを行います。また、特別支援教育に携わる場合もあります。

3-3企業や組織

企業や組織の健康管理プログラムや労働者のメンタルヘルス支援に関与することがあります。ストレス管理、職場のコンフリクト解決、人材やリーダーシップ開発などを担当することもあります。

3-4法的・司法領域

法的な問題に関連する心理的評価や専門的な意見を提供することがあります。例として、被疑者の取り調べの際などに精神鑑定や証言の専門家としても活動することがあります。

公認心理士独立後の活躍

4-1民間での活動

自営業として、個人や家族向けにカウンセリングや心理療法を提供することができます。自分で診療所を開設したり、他の専門家と共同で設立したりすることもあります。

4-2研究機関や大学

研究者や教育者として、心理学の研究や教育に携わることがあります。心理学の理論や実践についての知識を深め、次世代の専門家を育てる役割を果たします。
公認心理師は、その専門知識と技能を活かして、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。彼らの職場は、その専門分野や個々の専門家の興味に応じて多様であり、それぞれの役割が社会全体の心理的な健康と福祉に寄与しています。

公認心理師の需要について

公認心理師の需要は、地域や社会のニーズ、経済的な状況、そして心理的な健康への関心によって異なりますが、一般的に高い需要があります。以下にいくつかの要因を挙げてみます。

5-1精神的な健康問題の増加

近年、ストレス、不安、うつ病などの精神的な健康問題が増加しています。これにより、公認心理師の需要が高まっています。

5-2メンタルヘルスへの社会的な関心の高まり

メンタルヘルスに対する社会的な関心が高まっており、個人や組織が心理的な支援を求めるようになっています。これが治療を求めるクライエントの数を増加させています。

5-3教育機関での需要

学校や大学では、生徒や学生のメンタルヘルスを支援するために心理師やカウンセラーの需要があります。特に学業や社会的な圧力が高まっている現代社会では、学生の心理的なサポートが重要視されています。

5-4労働環境での需要

企業や組織が従業員のメンタルヘルスを管理するために心理師のサービスを求めるケースが増えています。ストレス管理、職場のコンフリクト解決、リーダーシップ開発などの領域で活躍する心理師の需要があります。

5-5高齢化社会の影響

高齢化が進む中で、認知症や孤独感などの精神的な問題に対応するための専門家としての需要があります。

5-6法的・司法領域での需要

法的な問題に関連する心理学的な評価や鑑定の需要もあり、これらの要因により、公認心理師の職業は多岐にわたり、求人市場でも積極的に募集されています。また、専門分野や地域によって需要の特性が異なるため、各地域での需要と供給のバランスが重要な課題となっています。

公認心理師になるために必要な勉強期間

公認心理師になるための勉強期間は、一般的に以下のようなステップに分かれます。
大学での公認心理師になるためにはまず、国立試験に合格する必要があります。一般的に4年間の大学での学業が必要です。この期間中に心理学の基本的な理論や方法論について学びます。

6-1大学院で科目を履修して修了

大学院での学業を経て、(科目を履修して修了)します。臨床心理学、教育心理学、カウンセリング心理学などの専攻を選択し、2年間の学習が一般的です。修士号取得後、多くの場合、さらに臨床経験や研究の機会が提供されます。

6-2臨床経験と監督下での訓練

公認心理師になるためには国が指定している施設での臨床経験が必要です。この期間は一般的に2年間で、監督下での訓練や実習を通じて臨床技術を磨きます。この間に、特定の臨床案件についての実践的な経験を積み国家資格の受験資格を得ることが出来ます。

6-3ライセンス取得のための準備

ライセンス試験に向けて準備をします。国の要件に基づき、臨床的な知識や法的・倫理的な規定に関する知識を確認するための国家試験を受けます。

国家試験に合格、ライセンス取得

国家試験に合格し、公認心理師のライセンスを取得します。これには州や国の法律や規定を満たす必要があります。
勉強期間の具体的な長さは、個々の学習ペースやプログラムの構成によって異なります。全体として、大学院での心理学の学習に4年、実績を積むためにさらに2〜3年を要することが一般的です。ライセンス取得までの総合的な期間は、通常5年以上と見積もられます。

公認心理師の職業について更に詳しく

公認心理師の職業について、更に詳しく説明します。
公認心理師は、心理学の専門知識と技術に基づき、人々の心の健康増進と問題解決を支援する専門職です。国家資格であり、厚生労働大臣の登録を受けて初めて公認心理師として活動できます。

7-1仕事内容

公認心理師の仕事内容は多岐に渡り、以下の様な分野で活躍しています。

臨床心理分野

精神科病院やクリニック、カウンセリングセンターなどで、うつ病、不安障害、PTSDなどの精神疾患を抱える方の心理療法やカウンセリングを行います。最も代表的な仕事ですね。

教育心理分野

学校や教育機関で、生徒の学習や発達に関する相談、カウンセリング、指導を行います。不登校やいじめなど、学校における様々な問題に対応します。教育現場でもかなり需要が高いです。

産業・組織心理分野

企業や団体で、従業員のメンタルヘルス、組織活性化、人材育成などを支援します。ストレスマネジメント、チームビルディング、コミュニケーション研修などを行います。

福祉心理分野

福祉施設や高齢者施設などで、利用者の心のケア、家族支援、地域活動などを支援します。認知症ケア、介護予防、生活支援などを行います。

司法心理分野

裁判所や検察庁などで、犯罪者の心理鑑定、被害者のカウンセリングなどを行い、司法手続きの円滑化に貢献します。

研究・教育分野

大学や研究機関で、心理学の研究や教育に従事します。講師としての活動なども含めて教育現場での需要はかなり高いです。

心理検査

適性検査、性格検査、知能検査などを行い、クライアントの心理状態や能力を評価します。また、必要なケアがあれば治療方法なども提案します。

心理療法

認知行動療法、精神力動療法など、様々な心理療法を用いて、クライアントの心の問題を解決するための支援を行います。

相談支援

クライアントや家族に対して、様々な問題に関する情報提供やアドバイスを行います。

研修・指導

従業員や学生などに対して、メンタルヘルス、コミュニケーションスキル、ストレスマネジメントなどの研修や指導を行います。必要なサポートがあれば提案し、環境改善に一役買います。

7-2心理学を学ぶと同時に必要なスキル

心理学の基礎知識はもちろん、専門分野に関する深い知識が必要です。

コミュニケーション能力

クライアントや関係者との良好なコミュニケーションを築く能力が必要です。

傾聴力

クライアントの話をじっくりと聞き取り、共感する能力が必要です。またそこから的確な治療について説明できる分析力も非常に重要です。

問題解決能力

クライアントの抱える問題を分析し、適切な解決策を見つける能力が必要です。どのような心の痛みか、または相手が何を改善したいのかを心理的に読み問題解決に向けます。

倫理観

公認心理師として、倫理的な観点からクライアントと接する必要があります。

人間性・魅力

人の役に立つ仕事 人々の心の健康増進や問題解決に貢献できる、やりがいのある仕事です。経験や実績を積んでさまざまな現場で魅力的な人材となれる仕事です。

幅広い分野で活躍

臨床、教育、産業、福祉など、様々な分野で活躍できます。その他にもケースバイケースで需要が非常に高いです。

専門性と成長

心理学の知識や技術を深め、専門性を高めることができます。

社会貢献性

クライアントや周囲の人々の生活の質向上や社会の課題解決に貢献することができます。また、自分のためにもなるでしょう。
試験に合格すると、厚生労働大臣に登録し、公認心理師として活動できます。公認心理師は、人々の心の健康増進と問題解決に貢献できる、やりがいのある専門職です。心理学に興味があり、人の役に立ちたいと考えている方は、公認心理師を目指してみてはいかがでしょうか。

公認心理士と企業や団体

公認心理師と企業や団体の関係は、近年ますます深まっています。企業や団体は、従業員のメンタルヘルスや組織活性化、人材育成などの課題を抱えており、公認心理師の専門知識やスキルが求められています。

8-1公認心理師が企業や団体で活躍できる分野

公認心理師が企業や団体で活躍できる仕事や、各分野を紹介します。

メンタルヘルス対策

ストレスチェックの実施、相談窓口の設置、メンタルヘルス研修などを通して、従業員の心の健康をサポートします。

職場環境改善の提案

ストレスマネジメントスキル向上のための研修など、予防的な活動も重要です。
いじめやパワハラなどの問題発生時の対応、従業員の心のケアなど、事後対応も担います。

組織活性化

チームビルディング研修、コミュニケーション研修、リーダーシップ研修などを通して、組織全体のコミュニケーション能力や協調性を向上させます。チームワークや組織文化の分析、改善提案などを行い、より働きやすい職場環境作りを支援します。

人材育成

従業員の能力開発、キャリアプランニング、自己啓発などを支援し、個々の能力を最大限に引き出します。
面接や採用における心理的な評価、適性検査の活用など、人材選抜にも貢献します。

公認心理師が企業や団体に貢献できること

公認心理師が企業や団体に貢献できること を下記に明記しました。

9-1従業員の心の健康増進

従業員のメンタルヘルスを改善することで、離職率の低下、生産性向上、企業業績の向上に繋がります。

9-2組織のパフォーマンス向上

チームワークやコミュニケーション能力の向上、組織風土の改善などを通して、組織全体の活性化、パフォーマンス向上に貢献します。ストレス管理なども行い車内の健康に寄与出来るスキルです。

9-3人材の定着率向上

従業員のエンゲージメントを高め、健康管理やカウンセリングにより働きがいのある職場環境を提供することで、人材の定着率向上に繋がります。

9-4企業の社会的責任の向上

従業員のメンタルヘルス対策や人材育成に取り組むことで、企業の社会的責任を果たし、企業イメージの向上に繋げることができます。ストレスのない仕事環境を目指すオフィスで活躍が期待できます。

9-5公認心理師の活躍の場は拡大中

近年、メンタルヘルスへの関心が高まる中、企業や団体における公認心理師の需要はますます高まっています。公認心理師は、心理学の専門知識と技術を活かして、企業や団体の様々な課題解決に貢献できる存在です。

9-6公認心理師を目指す方へ

公認心理師は、人々の心の健康増進に貢献できるやりがいのある仕事です。企業や団体で活躍したい方は、心理学の知識やスキルを活かして、組織や社会に貢献できる可能性を秘めています。

公認心理士、障害者施設での活動

公認心理師が障害者施設で活躍する場面は、多岐に渡ります。具体的な活動内容と、その重要性について詳しく解説します。

10-1利用者の方への支援

心理療法

精神的な問題を抱える利用者の方に対して、認知行動療法や精神力動療法などの心理療法を実施します。
例:うつ病、不安障害、PTSD、発達障害など

カウンセリング

利用者の方の悩みや困りごとを聞き取り、共感し、解決策を一緒に探します。
例:生活上の困難、人間関係の悩み、家族との関係、将来への不安など

心理アセスメント

精神状態や能力、発達段階などを評価するための心理検査を実施し、支援計画に役立てます。
例:知能検査、性格検査、発達検査など

コミュニケーション支援

言葉によるコミュニケーションが難しい利用者の方に対して、絵カードやジェスチャーなど、様々な方法を用いてコミュニケーションを支援します。
例:発達障害、知的障害、言語障害など

行動療法

行動上の問題を抱える利用者の方に対して、望ましい行動を強化したり、問題行動を減らすための訓練を行います。
例:自傷行為、攻撃性、不適切な行動など

家族支援

利用者の方の家族に対して、病気や障害に関する理解を深め、家族としての役割や支援方法についてアドバイスを行います。

10-2●施設全体の支援

職員研修

職員に対して、障害者理解、コミュニケーションスキル、メンタルヘルス、虐待防止などに関する研修を実施し、質の高い支援を提供できる体制作りを支援します。

支援計画作成への協力

利用者の方の個別支援計画の作成に協力し、心理的な側面から支援内容を検討します。

施設運営に関する助言

施設運営上の課題や問題点について、心理学的な視点から助言を行います。

地域との連携

他の福祉機関や医療機関との連携を図り、利用者の方への包括的な支援体制を構築します。

10-3●公認心理師の役割の重要性

利用者の方の(生活の質)向上

心理的なサポートを通して、利用者の方の心の安定、生活の充実、社会参加の促進を図ります。

職員の負担軽減

職員のスキルアップや知識習得を支援することで、職員の負担を軽減し、より質の高い支援を提供できる環境作りに貢献します。

さまざまな施設の質向上

心理学的な知見に基づいた支援を提供することで、施設の質を高め、利用者の方にとってより安全で安心できる環境作りに貢献します。このように公認心理士は活動場所が限られておらず、オールラウンドに活躍している職業です。