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筋肥大とは?メカニズムや効果的なポイントをわかりやすく解説

記事作成日:2024.10.15
「筋肥大ってなに?」
「筋肉が大きくなる仕組みって?」

上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、筋肥大とはどのようなものか、筋肥大のメカニズム、必要な栄養素、トレーニングのポイントなど詳しく解説していきます。
筋肥大とは?メカニズムや効果的なポイントをわかりやすく解説

そもそも筋肥大(きんひだい)とは何か?

筋肥大とは「筋肉量を増やす」ことを指し、筋肉細胞が成長・増加する現象です。
筋肉に負荷をかけるトレーニングを行うと、筋繊維が損傷しその修復過程で筋繊維が以前より強く太くなります。

筋肥大には2つのタイプがあり、それぞれ異なる役割を持っています。

収縮性筋肥大 筋繊維が太くなると起こり、筋力とスピードの向上に貢献
筋形質性筋肥大 結合組織が肥大すると起こり、筋力の増加には結びつかない

例えば、ラグビーやアメフトの選手がコンタクトスポーツで、関節や骨を外部の衝撃から守るために筋肥大を目指す場合があります。また、ボディビルやフィジークなど、魅せる身体を作る競技においても筋肥大が重要視されます。

筋肥大には2つのタイプがあり、競技や目的に応じてトレーニング方法を選びましょう。
収縮性筋肥大は筋力向上に、筋形質性筋肥大は見た目の筋肉量に効果があります。

筋肥大のメカニズム|筋肉が大きくなる仕組み

筋肉を大きくなる仕組みは、以下のようなものがあります。

・筋肉が損傷し修復されるプロセス
・筋タンパク質の合成と分解のバランス
・ホルモンが筋肥大に与える影響

ここでは詳しく解説していきます。

2-1筋肉が損傷し修復されるプロセス

筋肉が損傷し修復されるプロセスは、以下のステップで進行します。

1. トレーニングで筋肉がダメージを受ける
筋トレで身体に強い負荷をかけると、筋肉の繊維が細かく傷つきます。ウェイトトレーニングや高強度の運動によって起こります。

2. 身体の修復反応(炎症反応)
筋肉が損傷すると、身体はその部分を修復しようとします。
白血球などの免疫細胞が集まり損傷した部分を修復し始めるため、炎症が起こり筋肉痛を感じる場合があります。

3. 筋肉の修復と超回復
炎症が進むと、体内でタンパク質の合成が始まり筋肉が修復されます。この時、筋肉は元の状態よりも強く太くなります。
これを「超回復」と呼びこれが筋肥大となる理由です。

4. 成長ホルモンと栄養補給の役割
筋肉の修復は、成長ホルモンやIGF-1などの成分が関与します。また、タンパク質やエネルギーをしっかり補給すると筋肉の回復が促進されます。
適切な栄養接種と十分な休息が、筋肉をより強く大きくするために重要です。

この一連のプロセスを繰り返すと、筋肉が少しずつ大きく強くなります。
筋トレ、栄養、休息の3つをバランスよく行うのが筋肥大につながります。

2-2筋タンパク質の合成と分解のバランス

筋タンパク質の合成は「筋肉を作る」プロセスで、筋タンパク質の分解は「筋肉を壊す」プロセスです。この2つが常に体の中で行われています。

筋肉を作る力(合成)が、筋肉を壊す力(分解)より強いと筋肉が大きくなります。
一方で、筋肉を壊す力が強いと筋肉は小さくなります。

筋トレをした後にタンパク質を摂って休息を取り入れると、筋肉は修復され少しずつ大きくなります。バランスを取ると筋肉が成長していきます。

2-3ホルモンが筋肥大に与える影響

筋肥大はホルモンが重要な役割を果たすので、
ホルモンは筋トレ後に筋肉の修復と成長を助ける「メッセンジャー」のような役割を果たしているからです。

筋肥大に関与する主なホルモンは以下の通りです。

成長ホルモン ・筋肉の修復と成長を助けるホルモン

筋トレをすると成長ホルモンの分泌が増え、筋繊維の修復が進み、筋肉が強く大きくなる
テストステロン ・男性ホルモンの一つで筋肥大に強く関わるホルモン

テストステロンが多く分泌されると筋肉の成長が促進される

筋トレをするとテストステロンの分泌が増え、筋力と筋肉量がアップする
インスリン様成長因子(IGF-1) ・筋肉の修復と再生をサポートするホルモン

身体はIGF-1を分泌して筋肉を修復し、筋肉を以前よりも強く大きくするのを助ける

2-4ホルモンが筋肉を修復・成長させる

成長ホルモンやテストステロン、IGF-1などのホルモンが、筋肉の修復を助けます。ホルモンがしっかり働くと、筋肉は修復され、元の状態よりも強く大きくなります。

筋肥大のために必要な栄養素|食事の重要性

筋肥大のためには、食事にも意識するのが重要です。

・タンパク質
・糖質(炭水化物)
・脂質

詳しく解説していきます。

3-1タンパク質

動物性と植物性のタンパク質をバランスよく食べるのは、筋肥大のため重要です。
筋肉はタンパク質からできており動物性タンパク質は吸収されやすいため、効率的に筋肉をつくるからです。

動物性タンパク質 肉・魚・卵・乳製品など
植物性タンパク質 大豆・小麦など

植物性タンパク質は脂肪が少ないので、体脂肪を気にしている人にはおすすめです。
また、タンパク質は体内でアミノ酸という形に分解されますが、その中の「必須アミノ酸」は食べ物から摂取する必要があります。
特に、BCAA(ロイシン・バリン・イソロイシン)は筋肉にとってとても重要なアミノ酸です。

タンパク質をバランスよく摂りBCAAを意識した食事をすると、筋肉を効率的に成長させられます。

3-2糖質(炭水化物)

適切な糖質を摂取するのは、筋トレの効果を高めるために重要です。
糖質は高強度な運動時の主要なエネルギー源であり、筋肉を動かす力をサポートするからです。

糖質が不足すると、筋肉がエネルギーとして分解されてしまうため、せっかくの筋トレが逆効果になります。また、糖質は脳の栄養源でもあるので、不足すると神経や筋肉の働きが悪くなるリスクがあります。

例えば、筋トレ前にご飯やパンなど糖質を含む食事を適度に摂取すると、筋肉を守りながらトレーニングに取り組めるでしょう。一方で、糖質を極端に制限すると筋肉の分解が進む可能性が高くなります。

糖質を適切に摂取し、筋肉や脳の機能を保ちながらトレーニングに励むと筋力アップの効果を最大化します。

3-3脂質

適切な量の脂質も、筋肥大を目指すために重要です。
脂質は身体に必要なエネルギーを効率的に供給し、ホルモンの生成を助ける働きがあるからです。

特に、筋肉の成長にはテストステロンといったホルモンが重要であり、これらのホルモンの生成には脂質が必要です。また、脂質を完全に避けると身体のエネルギー不足を引き起こし、筋肥大が妨げられる可能性があります。

良質な脂質が取れるおすすめの食材は、以下の通りです。

・アボカド
・ナッツ類(アーモンド・クルミなど)
・オリーブオイル
・魚(サーモン・イワシ・さばなど)

健康的な脂質を含む食品をバランスよく取り入れると、筋肉の成長を効率よくサポートできます。また、全く脂質を摂らないダイエットは、筋肥大には逆効果になる可能性があるため、適度な摂取が重要です。

筋肥大に欠かせないトレーニングのポイント

筋肥大を達成するためには、トレーニングにも注意を払いましょう。

・負荷のかけ方に気をつける
・レップ数やセット数の考え方
・正しいフォームを意識

筋肥大を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

4-1負荷のかけ方に気をつける

筋肥大は、適切な重量でトレーニングを行い徐々に負荷を増やしていくのが大切です。
適切な重量でトレーニングし徐々に負荷を増やすと、筋肉は成長に適応し強く大きくなるからです。

例えば、パーソナルトレーナーと一緒にトレーニングすれば、適切な重量を設定してもらい、限界に挑戦できます。費用はかかりますがその分しっかりとサポートが得られるため、最速で筋肥大を目指すには効果的です。

筋肥大を効率よく進めるためには、適切な重量設定と負荷の調整が重要です。
トレーニングパートナーと一緒に挑戦し、少しずつ重量を増やしながら安全に進めていくと良いでしょう。

4-2レップ数やセット数の考え方

筋トレの効果を最大化するためには、レップ数とインターバルが重要です。
インターバルを短くしすぎるとトレーニング全体の総重量が減るため、筋トレの効果が薄れてしまうからです。

正しいレップ数と休憩時間を守ることで、効率よく筋肉を鍛えることができます。

レップ数 1セット内でエクササイズを何回繰り返すかを指します。
(例:腕立て伏せを10回行う=10レップスです。)
セット数 レップを繰り返した後に休憩を挟んで行う回数を指します。
(例:10回の腕立て伏せを3セット行う=10回を1セットとして合計で3セット行う)

筋トレはレップ数とセット数を組み合わせてトレーニングを計画し、筋肉に適切な負荷をかけて成長を促します。
筋肉の成長には、1セットあたり6〜12レップスが効果的で、セット間に60〜90秒のインターバルを取るのが一般的です。

・ベンチプレスをする場合
6〜12回のレップスを目標に、セットごとに1~1.5分の休憩を取る

この方法でトレーニングを続けると、効率よく筋肉を成長させられます。
レップ数とインターバルの管理をしっかり行い、総重量を意識したトレーニングをし筋トレの効果を最大限に引き出しましょう。

4-3正しいフォームを意識

筋肥大を効果的に進めるには、正しいフォームを意識しましょう。
正しいフォームで行うと狙った筋肉に集中して負荷をかけることができ、筋肥大の効果が最大化するからです。

例えば、スクワットでは背中を丸めず、膝をつま先より前に出さないように意識すると、下半身の筋肉にしっかり負荷をかけられます。また、間違ったフォームで行うと腰や膝を痛めることもあるので、フォームを確認しながら進めましょう。

筋肥大にはケガを防ぎながら狙った筋肉に効果的に負荷をかけるため、フォームに集中して取り組みましょう。

筋肥大の促進には休息が必要な理由3選

筋肥大を促進するためには、トレーニングだけでなく休息も重要です。

・筋肉は休息中に成長する
・睡眠が筋肥大に影響を与える
・アクティブリカバリー(軽い運動を行う回復法)で筋肉の回復を促進

休息が必要な理由を以下で詳しく解説していきます。

5-1筋肉は休息中に成長する

筋肥大の促進には、トレーニングだけでなくしっかりと休息が重要です。
筋肉は休んでいる間に成長するからです。

例えば、週に3回筋トレを行い、1日おきにしっかりと睡眠を取ると筋肉はその間に回復します。休息を軽視すると、逆に筋肉が疲労して成長が遅れてしまう可能性もあります。

筋肥大を効率よく進めるためには、トレーニングと休息のバランスを取る意識を持ちましょう。

5-2睡眠が筋肥大に影響を与える

筋肥大の促進は睡眠中に筋肉の成長が進むため、十分な睡眠を取るのが重要です。
睡眠が不足すると成長ホルモンの分泌が減少し、筋肉の回復や成長が遅れてしまうからです。

例えば、毎日7〜9時間の質の良い睡眠を取るとトレーニング後の筋肉がしっかりと回復し、効率的に筋肥大が進みます。一方で、睡眠不足が続くと筋肉の回復が遅れトレーニングの成果が出にくくなる可能性があります。

筋肥大を促進するには、トレーニングだけでなく十分な睡眠も必要です。
睡眠時間を確保し身体をしっかり休めると、筋肉の成長をサポートします。

5-3アクティブリカバリー(軽い運動を行う回復法)で筋肉の回復を促進

筋肥大の促進は休息だけでなく、筋肉の回復をサポートしてくれるアクティブリカバリーを取り入れると効果的です。
アクティブリカバリーは血流を促進するため、筋肉に栄養を送り込む効果があるからです。

例えば、筋トレを休む日にウォーキングや軽いストレッチを取り入れると、筋肉が硬くなるのを防ぎ回復を促進します。完全に休んでいるよりも早く筋肉が回復するため、効率よく筋肥大を目指せます。

アクティブリカバリーを活用し筋肉の回復を促進し、筋肥大の効果を最大限に引き出しましょう。
完全な休息だけでなく、軽い運動を取り入れるのがポイントです。

筋肥大を促進するための効果的なトレーニングスケジュール

筋肥大を目指す上でのトレーニングスケジュールを立てるには、以下の点に注意しましょう。

・筋肉を休ませるタイミングを取り入れる
・長期的な成長を見据えた計画
詳しく解説していきます。

6-1筋肉を休ませるタイミングを取り入れる

筋肥大は適切なトレーニング頻度と筋肉を休ませるタイミングを取り入れるのが重要です。
筋肉に負荷をかけると筋繊維が一時的にダメージを受けますが、ダメージが修復される過程で筋肉は大きくなるからです。

例えば、同じ筋肉を毎日鍛えるのではなく、週に2〜3回の頻度でトレーニングしその間に48〜72時間の休息を設けると良いでしょう。筋肉が十分に回復し次のトレーニングに備えられます。

筋肥大を効率的に進めるには、トレーニングと休息のバランスが重要です。筋肉をしっかり休ませながら、適切な頻度でトレーニングを続けましょう。

6-2長期的な成長を見据えた計画

筋肥大を持続的に達成するには、長期的なトレーニング計画を立て無理なく続けるのが大切です。
筋肥大には時間がかかるため、急激な変化を求めるのではなく適度な負荷と休息を取り入れるのが重要だからです。

計画のポイント

週のトレーニング回数 週に3~4回
1つの筋群に対する負荷 適切な負荷を設定
トレーニング内容 毎月トレーニング内容を見直し
負荷の増加 徐々に負荷を増やす
停滞期防止 定期的な見直しで停滞期を防ぐ

無理をしてトレーニングを続けると疲労やケガのリスクが高まるため、トレーニングの継続が難しくなります。
長期的な筋肥大を目指すためには、無理のないトレーニング頻度と休息を組み合わせた計画が必要です。焦らず少しずつ成長を重ねていくことが筋肉を最大限に成長させるポイントと言えるでしょう。

筋肥大の効果を最大化するために押さえておくべきこと

7-1計画的に負荷の増加する

筋肥大の効果を最大化するには、計画的にトレーニングの負荷を増加させるて行くのが重要です。
筋肉は、今まで経験したことのない強度のトレーニングに適応して成長します。

ベンチプレスの場合毎週少しずつ重量を増やしたり、1セットあたりのレップ数を1〜2回増やすと、筋肉に十分な刺激を与え続けられます。同じ重量や回数でトレーニングを続けると、筋肉が刺激に慣れて成長が停滞してしまいます。定期的に負荷を増やすと筋肉に新たなチャレンジを与え、成長につながります。

計画的に負荷を増加させていくのは、筋肉の成長を最大化するための重要ポイントです。
少しずつ負荷を上げて筋肉に新しい刺激を与え続けるため、筋肥大を効率的に進める方法です。

7-2メンタルと筋肥大の関係

筋肥大の効果を最大化するには、メンタルの状態も非常に重要です。
メンタルが筋トレのパフォーマンスや継続に大きく影響し、最終的に筋肉の成長にも関わるからです。

例えば、トレーニング前に深呼吸や瞑想を取り入れるとメンタルが整うため、トレーニングに集中できます。また、ポジティブな考え方を持つとトレーニングを楽しみ、続けるモチベーションを維持できるでしょう。

メンタルが筋肥大に与える影響は大きいため、心の状態を整えるとトレーニングの質が上がります。メンタルケアをしながら、筋トレに取り組めると筋肉の成長を効果的に促進できるでしょう。

7-3自己モニタリングでトレーニングを最適化

筋肥大の効果を最大化するには、自己モニタリングを取り入れてトレーニングの進捗を把握
するのもおすすめです。
自分の成果を記録すると、トレーニングを最適化しやすくなるからです。

筋トレは計画的に行うことが大切で、自己モニタリングを通じて、どの筋群が成長しているか、どのくらいの重量や回数で効果が出ているかを確認できます。記録があると、トレーニングが効果的かどうかが判断しやすく、必要に応じて負荷やメニューを調整することができます。

例えば、トレーニング日記をつけるのも良いでしょう。

以下のような項目を記録します。

・使用した重量
・レップ数
・セット数
・感じた疲労度

記録を残すと、自分がどのように進歩しているかを確認できます。また、写真や動画での記録もおすすめです。
目標設定や達成感を得やすくなり、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

自分のトレーニングの成果を確認し、効果を最大化するために適切な調整を加えましょう。記録を通じてトレーニングを最適化すると、筋肥大の成功につながります。

筋肥大のメカニズムをよく理解して効率的にトレーニングをしよう

ここまで、筋肥大のメカニズムや筋肥大に必要な栄養素、トレーニングのポイントなど詳しく解説してきました。
筋肥大の達成は、トレーニングだけでなく、休養・睡眠・栄養補給を適切に行い、超回復のサイクルを意識しましょう。
筋肥大は筋トレによって筋肉が一時的に「分解」され、栄養と休息を通じて「合成」される過程で起こります。このサイクルを繰り返し筋肉は徐々に大きく成長します。

筋肥大を最大化するためには、トレーニング・栄養・休息のバランスが重要です。
目的に合ったトレーニングを計画的に行い、効率的に理想の身体を手に入れましょう。

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