筋トレ前後の食事は、内容を工夫するだけで効果に変化があります。
・筋トレ前の食事はトレーニングのエネルギーになる
・筋トレ後の食事は筋肉を作る働きが活発になる
以下で詳しく解説していきます。
筋トレ前の食事は効果を最大限に引き出すため、とても重要です。
食事から得られるエネルギーは筋肉を動かす燃料になるため、筋肉の修復と成長をサポートするからです。
例えば、炭水化物を含む食事は筋トレ中にエネルギーとして使われるグリコーゲンを筋肉に供給します。バナナのような複合炭水化物は持続的なエネルギーを与えます。また、筋トレ前にタンパク質を摂取すると筋肉の分解を防ぐため、筋トレ後の回復を促進します。
適切な栄養素を筋トレ前にバランスよく摂取すると、筋トレの効果を高め疲労を軽減させられるでしょう。
筋トレ後は筋肉を作る働きが活発になるため、筋トレ後30分以内に良質なタンパク質を取ると相乗効果があります。
筋トレ後30分間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌が増え、筋肉の合成が促進されるからです。
例えば、トレーニング直後に吸収率の高いホエイプロテインを摂取するのが効果的です。
乳清が主原料であるホエイプロテインは、筋肉に素早く栄養を届けてくれるため、筋肉の修復と成長をサポートします。
実際、運動後30分以内にプロテイン飲料を飲むと、筋肉の回復が促進されることが多くの研究で示されています。
筋トレの後は、筋肉の材料であるタンパク質を必ず摂取する意識を持ちましょう。
筋トレ前後の食事といっても、ベストなタイミングがあります。
・筋トレ前は2〜3時間前がベスト
・筋トレ後は30分以内に栄養補給をする
ポイントを押さえて、筋トレの効果を高めましょう。
筋トレ前に食事を取る際は、2〜3時間前にするといいでしょう。
筋トレをする3時間前に糖質を含む食事を摂ると、筋グリコーゲンの量が増えるので運動の効果が高まるからです。
例えば、定食形式でご飯、汁物、魚や肉のおかずを食べると、バランスよく栄養を摂取できます。運動の約3時間前にご飯やパスタなどの炭水化物の摂取で筋肉にエネルギーが蓄えられ、運動中のスタミナが持続しやすくなるでしょう。
運動前はバランスの取れた食事を意識し、糖質を含む十分な食事を2〜3時間前に摂ると運動効果を最大化できます。
筋トレ後は筋肉の修復と成長を促進するために、できるだけ早く栄養補給をしましょう。
筋トレ後は筋肉の合成が活発になるため、タンパク質や炭水化物の補給が効果的だからです。
筋トレ直後の30分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、このタイミングでの栄養摂取が筋肉の回復を最大化させます。
例えば、筋トレ後すぐにプロテインシェイクやバナナを食べると、素早く体に必要なタンパク質と炭水化物を補給できます。筋肉の修復がスムーズに進みトレーニングの効果を引き出せます。
筋トレ後30分以内にタンパク質と炭水化物をバランスよく摂取し、筋肉の成長と回復を効率よくサポートしましょう。
筋トレ前後に選びたい食べ物や飲み物のポイントも掴んでおきましょう。
・筋トレ前は糖質と必須アミノ酸
・筋トレ中の水分補給は必須アミノ酸
・筋トレ後はタンパク質と糖質
以下で詳しく解説していきます。
筋トレ前は、糖質と必須アミノ酸を摂るのがおすすめです。
身体に必要なエネルギーを効率的に補給できるからです。
糖質は、素早くエネルギーに変わるため、筋トレのパフォーマンスを向上させます。
必須アミノ酸(BCAA)は筋肉の分解を防ぎ、トレーニング効果を高めます。
例えば以下のような食べ物がおすすめです。
素早くエネルギーを作り出し、トレーニングのパフォーマンスをサポートします。
ダイエット中で甘いものを我慢している方でも筋トレ前の糖質摂取はトレーニング効果を最大化します。
筋トレ中に水分補給する際は、必須アミノ酸入りのものを摂りましょう。
必須アミノ酸は筋肉の分解を防ぎエネルギーを補給するため、効率的にトレーニングができます。
例えば、筋トレ初心者であれば、お水やスポーツドリンクでも問題ありません。スポーツドリンクは電解質を含み、発汗によるミネラルの不足を補うのにも役立ちます。
本格的にトレーニングしている方は、BCAAパウダーを水に溶かして飲むと体に必要なアミノ酸を効率よく補給できます。
プロテインは大量に摂ると内臓に負担がかかる場合があるため、注意が必要です。
自分の体に合った水分補給方法で、トレーニングをサポートするといいでしょう。
筋トレ後はタンパク質と糖質を摂取しましょう。
タンパク質は筋肉の材料となり、糖質はそのタンパク質を筋肉に運ぶ役割をするからです。
例えば、以下のような食べ物がおすすめです。
タンパク質と糖質をバランスよく摂取できるので、筋肉の修復と成長に役立ちます。
筋トレ後30分以内に、タンパク質と糖質をしっかり摂ると筋肉の成長を促進します。
ここでは、筋トレの目的別の食事プランをご紹介します。
・筋肉の増量を目指す場合の食事プラン
・ダイエットしたい場合の食事プラン
コンビニで買えるものもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
筋肉の増量を目指す人は、エネルギー補給と筋肉の修復をサポートするため糖質とタンパク質をバランスよく摂取しましょう。
筋トレでは多くのエネルギーが消費され、筋肉にもダメージが蓄積されます。これを補うためには、糖質で素早くエネルギーを補給し、タンパク質(アミノ酸)で筋肉を修復する必要があります。特に吸収の良いプロテインや消化の早い食品が効果的です。
・筋トレ前の食事例
メニュー | |
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おにぎり+プロテイン(250ml) | ・おにぎりは素早くエネルギーに変わる ・プロテインは筋肉修復に有効 |
グラノーラ+ヨーグルト | ・ヨーグルトは消化が良い ・加糖タイプはエネルギー補給に最適 |
バナナ+プロテイン(250ml) | ・バナナは消化が早くエネルギーに変わる ・プロテインは筋肉修復に有効 |
・筋トレ後の食事例
メニュー | |
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サラダチキン + 野菜 + おにぎり | 高タンパクなサラダチキンと糖質補給のおにぎりでバランスよくエネルギーを補給 |
プロテイン + 唐揚げ定食 | 唐揚げの脂質とご飯の糖質で筋肉の修復とエネルギー補給が同時に可能 |
プロテイン + 赤身肉のステーキ + ご飯 | 赤身肉で質の良いタンパク質と糖質でエネルギーを補充 |
トレーニング前後の食事は、糖質とタンパク質をしっかり摂り、体づくりとトレーニング効果を最大限に引き出しましょう。
ダイエットを目指す人は、質の高い食事を摂ることが重要です。
トレーニング前には糖質とタンパク質をバランスよく摂取することで、体に必要なエネルギーと栄養を効率的に補給できます。
・筋トレ前の食事例
メニュー | |
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おにぎり+プロテイン(250ml) | ・おにぎりは素早くエネルギーに変わる ・プロテインは筋肉修復に有効 |
フルーツ盛り合わせ | ・低カロリーでビタミン豊富 ・エネルギーと栄養補給が可能 |
バナナ+プロテイン(250ml) | ・バナナは消化が早くエネルギーに変わる ・プロテインは筋肉修復に有効 |
・筋トレ後の食事例
メニュー | |
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ブロッコリーとむね肉焼き + ご飯 | ご飯で糖質を補い、筋肉の修復をサポートする高タンパクメニュー。 |
ササミ肉の梅肉和え + ご飯 | 梅の酸味でさっぱりと食べられる、低カロリーで高タンパクなメニュー。 |
むね肉のトマト煮込み + ご飯 | トマトの酸味とオリーブオイルが減量期でも満足感がある |
ダイエットしようとするとエネルギー不足に陥りやすいため、必要な糖質を補給しましょう。同時に、タンパク質をしっかり摂取し筋肉の分解を防ぎます。
食事内容を調整し、無駄な脂肪を減らしつつ筋肉を維持するバランスの取れたメニューを選びましょう。
筋トレ前後の食事で意識したいポイントは以下の3つです。
・目的に合わせてカロリー管理をする
・PFCバランスを覚える
・食事管理にとらわれすぎてストレスをためない
以下のポイントを意識すると、より筋トレの効果を高められます。
筋トレの目的に合ったカロリー管理を意識しましょう。
目的によってカロリーのバランスが異なるためです。
カロリー管理 | 効果 | |
---|---|---|
痩せたい場合 | 「消費カロリーが摂取カロリーを上回る」アンダーカロリー | 脂肪を減らす |
筋肉を増やしたい場合 | 「摂取カロリーが消費カロリーを上回る」オーバーカロリー | 筋肉を成長させる |
筋トレを頑張っているのに筋肉が増えない場合は、摂取カロリーが足りていない「オーバーカロリー」になっていない可能性があります。自分の目標に合わせてのカロリー管理を行いましょう。
食事管理を効果的に行うには、PFCバランスを覚えましょう。
PFCバランスが意識できると、筋肉を維持しながら理想的な体型を作りリバウンドを防ぐことができます。
PFCバランスとは、食事で摂取する三大栄養素であるタンパク質(P)・脂質(F)・糖質(C)が全体のカロリーの何%を占めるかを示す指標です。
筋肉をつけたい人やダイエット中の人は、このバランスを調整すると効率的に体を作ることができます。
各栄養素のカロリー換算は以下のように行います。
例えば、1日の摂取カロリーを2000kcalに設定した場合、理想的なPFCバランスはタンパク質30%、脂質20%、糖質50%だとします。
・タンパク質:2000kcal × 30% = 600kcal →
600kcal ÷ 4kcal = 150g
・脂質:2000kcal × 20% = 400kcal → 400kcal ÷ 9kcal = 約44g
・糖質:2000kcal × 50% = 1000kcal
→ 1000kcal ÷ 4kcal = 250g
上記のようにPFCバランスを計算すると、1日に摂取すべき各栄養素の量を把握できます。
筋トレや食事管理は大切ですが、気にしすぎるとストレスになってしまう可能性があります。
過度に制限したり完璧を求めてしまうと、プレッシャーを感じて続けるのが難しくなってしまうからです。
食事に多少の誤差があっても、全体的にバランスが取れていれば問題ありません。筋トレ前後にしっかり栄養を摂ることを意識しつつ、食事を楽しむ心の余裕を持ちましょう。
食事管理は大切ですが、無理なく続けるためには完璧を求めすぎずに行いましょう。
ここでは、筋トレ前後の食事の際の注意点をご紹介します。
・たんぱく質を摂るために肉だけを食べる
・たんぱく質だけを摂ろうとする
・筋トレした日だけの食事を気を付ける
ただ必要な栄養素を取れば良いだけではないため、しっかりと注意点を押さえておきましょう。
タンパク質摂取には肉ばかりに偏ると脂質の摂取が増えるため、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。
肉はタンパク質が豊富な食品ですが、脂質も多く含まれているからです。
ササミやむね肉などの脂の少ない部位は脂質を抑えられますが、調理時に油を使うと自然と摂取量が増える場合があります。
肉以外のタンパク質が多く含まれている食材
上記の食材は脂質が少なくタンパク質が豊富なため、メニューに取り入れるとバランスのいい食事が取れるでしょう。
筋肉作りにはバランスが大切です。肉以外の高タンパク食品も取り入れて健康的な食生活を目指しましょう。
タンパク質は筋肉の成長に欠かせない栄養素ですが、タンパク質だけでは筋肉は作れません。体の機能を促進させるには5大栄養素をバランスよく摂取することが必要だからです。
筋トレ後はタンパク質を摂取するだけでなく、ご飯や全粒粉パンなどの炭水化物を一緒に摂りましょう。筋肉へのエネルギー供給が促進されます。
また、ビタミンやミネラルを含む野菜や果物を取り入れると、筋肉の修復や成長をさらにサポートします。
筋肉をつけるためにはタンパク質に加えて、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂るのが大切です。筋トレと食事の両方を意識して、健康的に筋肉を育てましょう。
筋トレをしない日でも、しっかりと栄養を摂取する意識が重要です。
筋肉は筋トレ後の48時間も修復のために栄養を必要としているからです。
筋トレをしない日でも、PFCバランスを意識しバランスの良い食事を摂りましょう。
筋肉の修復と維持をサポートできます。また、野菜や果物でビタミンやミネラルを補うことも忘れないようにしましょう。
筋トレの効果を最大化するためには、筋トレをしない日も食事に気を配ると筋肉の維持が可能になるでしょう。
ここでは、筋トレ前後の食事に関するよくある質問に3つ回答します。
・筋トレ後にすぐに食事ができないときの対処法は?
・空腹状態での筋トレはなぜNG?
・筋トレ後のアルコール摂取は大丈夫?
気になる点がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
筋トレ後にすぐに食事ができない場合は、手軽に摂取できるものを準備しておきましょう。
前述していますが、筋トレ後は筋肉の修復と成長を促進するために、タンパク質と糖質の補給が重要だからです。
例えば、プロテインシェイクやプロテインバーは、筋トレ後に手軽にタンパク質を摂取できるので便利でしょう。また、バナナやゼリー飲料など、糖質を含んだものを一緒に摂るとエネルギー補給にもなり、筋肉の回復がスムーズに進みます。
空腹状態での筋トレは、筋肉を減らすリスクがあるため避けるべきです。
空腹時の運動は体はエネルギーを確保するために脂肪を燃焼しますが、同時に筋肉も分解されやすくなるからです。
何も食べずに筋トレを続けると、筋肉が減少し、引き締まった体を作るどころか逆に痩せにくい体質になってしまいます。
引き締まった体を作るためには、筋肉量を維持することが重要です。空腹状態での筋トレは避け、適度な食事を摂ってから運動を行いましょう。
筋トレ後のアルコール摂取は、体に影響を与えるので注意が必要です。
アルコールには利尿作用があり、筋トレ後に必要な水分補給を妨げ脱水症状を引き起こすリスクがあるからです。
筋トレ後にアルコールを摂取すると、筋肉の修復に必要なタンパク質の合成が抑えられるため、効果を十分に得られなくなります。筋肉を成長させたい場合は、トレーニング後は水やプロテインを優先して摂取するのが理想的です。
筋トレ後のアルコールは筋肉の回復や成長に悪影響を与える可能性があるため、控えめにするか、できるだけ避けるようにしましょう。
ここまで、筋トレ前後の食事の工夫でどんな効果が得られるか、食事のタイミング、筋トレ前後に選びたい食べ物など詳しく解説してきました。
筋肉を作るためには、運動だけでなく適切な食事が欠かせません。
糖質や脂質は筋肉のエネルギー源になり、タンパク質は筋肉を育てます。また、ビタミンやミネラルは体内の栄養素を各所に運び、筋肉の回復をサポートします。バランスよく摂取すると、トレーニング効果が向上します。
筋トレ前には糖質を摂り、トレーニング後にはタンパク質と糖質、ビタミンミネラルをバランスよく補給しましょう。
食事のタイミングと内容を意識し、自分の体に合った食事を取り入れながら、理想の体作りを目指しましょう。
筋トレと食事は相乗効果で、良い筋肉を作ります。筋トレと一緒に食事も意識し、理想の身体を目指しましょう。