筋トレと睡眠はお互いに深い関係があります。
筋トレは質の良い睡眠を促進し、睡眠は運動の効果をさらに高めるからです。
筋トレをすると体温が上がりリラックス効果が得られるので、寝付きが良くなります。深い睡眠がとれると脳と体の疲労が回復するため、翌日の運動や活動に集中力を発揮できます。
以下では、筋トレと睡眠の関係が身体に与える影響を詳しく解説します。
睡眠中は筋肉の修復と強化が進む重要な時間です。
成長ホルモンやアナボリックホルモンが筋肉を成長させるからです。
成長ホルモンは、筋肉の回復と強化に重要な役割を果たしており、睡眠中に多く分泌されます。アナボリックホルモンは、筋肉の合成を促進し、筋肥大をサポートします。2つのホルモンの働きにより、睡眠を取ると筋肉の成長が促されるのです。
運動後に効果的に筋肉を成長させたいなら、質の良い睡眠を取ることが不可欠です。
睡眠は脳のリフレッシュにもつながります。
睡眠は、脳機能の正常な働きを保つために欠かせない要素だからです。
脳は体を動かす司令塔であるため、疲れていると反応が遅くなり集中力が低下してしまいます。睡眠は記憶の定着にも関わっており、練習で習得したスキルを体にしっかりと身につけるために不可欠です。
より良い運動パフォーマンスを発揮したい場合は、筋肉の回復だけでなく脳の疲労回復にもつながります。
睡眠は、コンディションの維持にもつながります。
睡眠不足になるとホルモンバランスが乱れ、免疫力が低下してしまうからです。
例えば、スポーツ選手が試合期に風邪をひいたりすると、パフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。
トップアスリートは、リスク回避のために忙しくても睡眠を十分に確保し、免疫力を保ちながらベストな状態を維持しています。
睡眠は、コンディションの記事には不可欠です
筋トレが睡眠の質を向上させる理由は、いくつかあります。
・身体の疲労感が深い睡眠を促す
・ストレスホルモンの減少とリラックス効果
・睡眠リズムの安定化
以下で、一つずつ詳しく解説していきます。
筋トレは身体に適度な疲労が生じるため、深い睡眠を促します。
筋肉の回復を助けるには、身体が自然と質の高い睡眠を求めるからです。
例えば、筋トレをした日に身体が疲れていると通常よりも寝つきが良くなるため、より深い睡眠を得やすくなります。
筋トレは体を疲労させるだけでなく、深い睡眠を得るための効果的な手段と言えるでしょう。
筋トレはストレスホルモンであるコルチゾールを減少させ、リラックス効果をもたらします。運動によって脳内でセロトニンなどの幸せホルモンが分泌されるからです。
例えば、日中に強いストレスを感じていた人が筋トレを行うと、筋トレ後には気分が落ち着き、心身がリフレッシュされたと感じる場合があります。運動によって幸せホルモンが分泌され、精神的な安定感が増加します。
筋トレはストレス軽減だけでなく、深いリラックス効果ももたらし質の高い睡眠へとつながります。
筋トレを行うと、睡眠リズムが安定しやすくなります。
毎日同じ時間帯に行うと体内時計が整い、自然な入眠と目覚めが促されるからです。
例えば、夜に軽い筋トレを行う人は、身体が程よく疲れてリラックスするので、その後の就寝時間に合わせて体内リズムが調整されます。寝つきが良くなり、翌朝もスッキリと目覚めやすくなります。
筋トレは睡眠リズムを安定させるための効果的な方法であり、日々の生活の質を向上させます。
筋トレと睡眠は、相乗効果があることがわかりましたが寝る直前の筋トレはどうでしょうか?
どのような影響があるかを以下で解説していきます。
寝る直前に筋トレを行うと、身体が興奮状態に入り寝付きが悪くなる可能性があります。
寝る直前の激しい運動は体温や心拍数を上昇させるため、脳が覚醒してしまうからです。
例えば、22時に筋トレを行った後、シャワーを浴びても心拍数が高いままで身体が興奮して眠れない場合があります。布団に入ってもなかなか寝付けず、翌朝も疲れが残り悪循環が起こります。
睡眠の質を保つためには、筋トレを寝る2〜3時間前までに終えるのが理想的です。
寝る直前の筋トレは、免疫力の低下につながる恐れがあります。
質の良い睡眠は、身体の回復と免疫力の維持に不可欠だからです。
例えば、寝る直前に筋トレをした場合、寝つきが悪くなるため翌朝疲れが残るリスクがあります。疲労感が重なると免疫力が弱まるため、風邪をひきやすくなったり体調を崩す可能性があります。
健康を守るためには、筋トレは寝る2〜3時間前に終えると身体が十分に回復し、免疫力を維持できるでしょう。
寝る直前の筋トレは、ストレスがたまりやすくなる原因になります。
体温や心拍数が上昇し身体が興奮状態になるため、リラックスしにくくなるからです。
例えば、22時頃に激しい筋トレをした後寝ると身体がリラックスできず、ベッドに入っても眠れない可能性があります。翌朝も疲れが残り気持ちに余裕がなくなり、日中の仕事や生活でストレスを感じやすくなるでしょう。
ストレスをためないためには、寝る前の筋トレは控えましょう。
寝る直前の筋トレは睡眠に影響があるため、3時間前までに行うのが良いでしょう。
ここでは筋トレ後、より睡眠の質を向上させるために意識することを3つ紹介します。
・筋トレ後はストレッチを
・入浴は筋トレ後に
・筋トレ後の食事は食べすぎに注意
以下で詳しく解説していきます。
筋トレ後はストレッチをおこないましょう。
ストレッチは筋肉の緊張をほぐし血行を促進するので、疲労回復を早める効果があるからです。
例えば、筋トレ後に太ももの筋肉を伸ばすストレッチを行うと、運動で張り詰めた筋肉が緩み、血液循環が良くなります。筋肉痛が軽減し、次の日のパフォーマンスも向上します。
筋トレ後のストレッチは、心身の回復とリラクゼーションに非常に効果的です。
入浴は筋トレの後にすると、リラクゼーション効果が促進されます。
入浴は筋肉をほぐし、心身をリラックスさせる効果があるからです。
例えば、筋トレ後ストレッチをし、お風呂で40℃のお湯に15分ほど浸かると、浮力によって筋肉の緊張が和らぎ身体が芯から温まります。血行が促進され、疲労回復が早まるだけでなくリラックス効果も向上します。
入浴は筋トレ後にすると、リラクゼーションと回復に効果的に睡眠の質も高めます。
筋トレを行った後は、食べすぎないように注意が必要です。
食べ過ぎると、筋トレの効果が薄れ逆に体脂肪が増えるリスクがあるからです。
例えば、夜遅くにトレーニング後ハンバーガーなどの高カロリー食品を多く摂ると、運動で消費したカロリーを超え脂肪が蓄積しやすくなります。
筋トレ後にお腹が空いた時は、軽めのプロテインシェイクやゆで卵など、低カロリーかつ栄養価の高い食品を選ぶのが理想的です。
ここでは、寝る前でも簡単にできるおすすめの筋トレを3つご紹介します。
・プランク
・スクワット
・プッシュアップ
上記の筋トレは、寝る前に身体を過度に興奮させるような激しい筋トレではないため、睡眠の質の向上が期待できます。
軽めの筋トレは血行が促進され筋肉が緩むため、リラックス効果があり寝つきが良くなります。
以下で、詳しくやり方を解説していきます。
プランクは、お腹やお尻の筋肉を中心に体幹を効果的に鍛えるトレーニングです。
お腹とお尻の筋肉を同時に鍛えると、姿勢改善や体幹の安定に役立ちます。
プランクの手順は以下の通りです。
初心者は10秒間からスタートし、無理のない範囲でキープ時間を増やしていくと良いでしょう。
プランクは手軽に体幹を鍛えられる優れたエクササイズです。
スクワットは、下半身を効率的に鍛えることができる優れたトレーニングです。
スクワットの手順は以下の通りです。
スクワットは、10〜15回を1セットとして1〜2セット行うのが理想です。
スクワットは下半身全体を強化する効果的なトレーニングですが、フォームを正しく保つのが重要です。膝がつま先より前に出ないように気をつけましょう。
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、上半身を効果的に鍛えるトレーニングであり、腕、肩、胸、さらには体幹まで総合的に強化できます。
プッシュアップの手順は以下の通りです。
プッシュアップは、初心者の方は1セットあたり
5〜10回、2〜3セット、各セット間に30〜60秒の休憩でやるのが理想です。
プッシュアップは上半身全体を効率よく鍛えられるトレーニングです。
正しいフォームと呼吸を意識し自分に合った回数で続けると、筋力強化と体幹の安定に繋がります。
筋トレ以外でも睡眠の質を良くする習慣があります。
・就寝前はスマホの画面を見ない
・朝起きたら日光を浴びる
・食生活に気を付ける
以下では、睡眠の質向上のために意識してほしい習慣を詳しく解説していきます。
就寝前はスマホの画面を見ないように注意しましょう。
スマホやタブレットの画面から発せられるブルーライトは、寝付きが悪くなる原因になるからです。
例えば、寝る直前までスマホでSNSを見ていると画面を見た後も頭が冴えてしまうため、布団に入っても眠れない場合があります。
寝る30分前にスマホを置いてリラックスすると、スムーズに眠りにつけるでしょう。
睡眠の質を向上させるためには、寝る30分前はスマホや電子機器の使用をやめ、リラックスできる環境を整えましょう。
朝起きたら日光を浴びると、睡眠の質向上にも効果的です。
体内時計をリセットし1日のリズムを整えるためです。
例えば、朝起きてすぐにカーテンを開けて日光を浴びると、身体がスッキリ目覚めやすくなります。逆に、カーテンを閉めたままでいると体内時計がリセットされず、日中にぼんやりしてしまう場合もあるでしょう。また、日光を浴びる習慣を持つと、夜も自然に眠くなり睡眠の質が向上します。
朝起きたらすぐに日光を浴びると、1日のリズムが整い、夜には質の良い睡眠ができるようになるでしょう。
食生活に気を付けると、睡眠の質も向上します。
栄養バランスの良い食事と適度な食事量を心がけると、消化不良を防ぎスムーズに入眠できるからです。
例えば、夕食後にコーヒーを飲むと、カフェインの効果で眠れなくなる場合があります。
また、夜にアルコールを摂取すると、一時的には眠気が感じられても深い睡眠が得られず、途中で目が覚めやすくなります。
就寝前にはカフェインやアルコールを控え、栄養バランスの取れた食事を適量摂取すると、質の良い睡眠をサポートします。健康な食生活は、良質な睡眠の土台となるでしょう。
寝室の環境を快適にするのも、睡眠の質を良くするには重要です。
寝室の環境が快適でないと、眠りにくくなったり、途中で目が覚めたりしてしまうからです。
例えば、寝室の温度や湿度の状態が以下の状態だと、体温調節がしやすくなりぐっすり眠れます。
・寝室の温度
夏場は26〜28度
冬場は18〜20度
・寝室の湿度
40〜60%
乾燥や過度な湿気を防ぎ、快適な呼吸が可能です。また、暗めの照明や快適な寝具を選ぶのも良いでしょう。
明るい照明を避け、落ち着いた光にするとリラックスした状態で眠りにつけます。
筋トレの後身体をよりリラックスさせるには、寝室の温度や湿度、照明、寝具などの環境を整えてみましょう。
筋トレと睡眠に関するよくある質問に3つ回答します。
・睡眠が短いと筋トレの効果は薄れるの?
・寝る前に筋トレをすると太る?
・質の良い睡眠の基準はある?
筋トレや睡眠にお悩みがある方は、ぜひよく読んで参考にしてみてください。
睡眠不足は、筋肉の成長を妨げ筋トレのパフォーマンスを低下させます。
睡眠中に筋肉の合成が進むため、睡眠不足だと筋肉が十分に成長しないからです。
例えば、夜更かしが続いている状態で筋トレを行うと、思うように力が出ずフォームが崩れてしまう場合があります。その結果、筋肉が効率的に鍛えられず怪我をしやすくなるリスクも高まります。
十分な睡眠は、筋肉の成長とパフォーマンス向上には不可欠です。
もしどうしても寝不足で筋トレをしたい場合は、20分程度の仮眠を取るか、筋トレ前にカフェインを摂取するなどの対策を行いましょう。
寝る前の筋トレ自体は太る原因にはなりません。
しかし、寝る前に何も食べずに寝てしまうと、筋肉が成長できず、基礎代謝が下がるリスクがあります。
例えば、寝る前に筋トレをしても、栄養補給をしないでそのまま寝てしまうと、筋肉が十分に回復できず、長期的には筋肉量が減少してしまいます。一方で、寝る前に高カロリーな食事を摂ると、消費されずに脂肪として蓄積されやすくなります。
寝る前の筋トレ後は、適度に栄養を補給することが大切です。
高タンパク・低糖質のプロテインなどで必要な栄養を摂取し、筋肉を回復させる意識を持ちましょう。
質の良い睡眠は、厚生労働省が提示する評価指標に基づくと、以下の状態が質の良い睡眠だとされています。
・規則正しい睡眠サイクルの維持
・十分な睡眠時間の確保
・安定した睡眠時間
・朝のスムーズな目覚め
・活動的な起床後
・素早く眠れる
・ぐっすり寝た感覚
・疲労感の軽減
質の良い睡眠が確保できると、日常生活のパフォーマンスや健康維持に繋がるとされています。
ここまでは、筋トレと睡眠の関係性や、寝る直前の筋トレが睡眠に与える影響、睡眠の質を高めるおすすめの筋トレなどを解説してきました。
筋トレと睡眠は大きく関係しており、質の高い睡眠が筋肉の成長やパフォーマンス向上に大きく影響します。
筋トレで筋肉を損傷させた後、身体は睡眠中に損傷を修復し、筋肉を成長させます。
睡眠が不足してしまうと、回復が十分に行われず、筋トレの効果が半減してしまいます。
また、睡眠直前の筋トレは体温や心拍数が上昇し脳が覚醒するため、質の良い睡眠に影響します。できるだけ睡眠の2.3時間前には筋トレを終わらせ、睡眠に備えましょう。
筋トレの成果を最大限に引き出すためには、睡眠の質にも注目しましょう。
これから筋トレを始める方や、成果が出にくいと感じている方は、まずはしっかりとした睡眠の質を見直してみましょう。
筋トレと睡眠の理解が、理想の身体を手にいれる一歩になるでしょう。