暮らしと住まい資格のなかには、受講または受験資格として実務経験が問われないものがあります。
そのため誰でも挑戦でき、必要な知識を身につけたうえで就職や転職のチャンスを掴むことができるでしょう。
建築・インテリア・住まい関連で実務経験が問われず、かつ基礎知識をしっかり学んだことをアピールできる資格を8種類ご紹介します。
「建築材料インストラクター」は、木材や石材などの構造用材、床材や屋根材などの内外装仕上げ材、シール材や断熱材などの性能維持材の種類や性能についての知識があることを証明する資格です。
取得した資格を活かし、さらに難易度が高い資格に挑戦したりインテリアや建築材料を取り扱う店に就職したりできるでしょう。
建築関係の学習内容には専門用語が多く難しいイメージがありますが、初めて勉強する方や、女性でもわかりやすく学べるよう工夫されているため、建築の分野への入口として最適です。
資格を取得するには、以下の手順を踏むのがおすすめです。
1.「諒設計アーキテクトラーニング」または「SARAスクールジャパン」が提供の講座を受講
2.カリキュラム修了後、自分で検定試験を申し込む
3.自宅で検定試験を受験
4.合格したら資格取得
また「建築材料インストラクター」を取得すると同時に「住まいアドバイザー」の資格も取得できます。
2つの資格を一度に取得できる専用の講座は、以下のような内容です。
講座を提供するサービス名 | 諒設計アーキテクトラーニング | SARAスクールジャパン |
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講座名 | 住まいアドバイザーW資格取得講座 | 住まい |
受講資格 | 特になし | |
受講料(税込) | 基本コース:5万9,800円 プラチナコース:7万9,800円 |
基本講座:5万9,800円 スペシャル講座:7万9,800円 |
受講スタイル | 在宅でテキストを読みながら学習 | |
資格取得までの最短期間 | 約2か月 | |
カリキュラムの内容 | ・無垢材・新建材・床材・内壁、天井材・屋根材 ・仕上げ材(モールディング)・クラウン・継手、仕口・木材住宅用金物 ・Zマーク表示金物同等認定品・基礎、土台編・床組編・軸組編・小屋組編 ・外観工事編・内装工事編 |
「諒設計アーキテクトラーニング」には基本コースとプラチナコース、「SARAスクールジャパン」には基本講座とスペシャル講座と、それぞれ2種類の講座が用意されています。
プラチナコースとスペシャル講座は、卒業課題を提出すると試験が免除になるお得な講座です。
試験を受けずに2つの資格が取得できるため、試験が苦手な方におすすめです。
また基本コースと基本講座を受講した方は、以下の試験をそれぞれ受験し、合格すれば2つの資格が取得できます。
資格名 | 建築材料インストラクター | 住まいアドバイザー |
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主催団体 | 日本インストラクター技術協会(JIA) | 日本生活環境支援協会(JLESA) |
受験資格 | 特になし | |
受験料(税込) | 1万円 | 1万円 |
受験スタイル | 在宅受験 | |
合格基準 | 正答率70%以上 | |
難易度 | ★☆☆ |
「高齢者住まいアドバイザー検定」は、高齢者にとって安全な住まいの選び方、介護保険や年金の仕組み、介護離職防止について基礎的な知識があることを証明する資格です。
人口の減少により建築業界の売り上げが下方傾向にあるとの調査結果があります。
そこで今後増加する高齢者に焦点を当て、高齢者が安心できる住まいづくりの知識を得ておくと、業界から重宝されるでしょう。
学習には通信販売や書店で購入できる公式テキストを使用し、独学します。
また「直前対策講座」も開講されていますので、独学だけでは不安な方には受講がおすすめです。
受講料は9,000円(税込)で、3時間ほどでテキストと配布資料を用いた復習、模擬試験が行われます。
講座の受講は任意であり、試験の合否には影響しません。
認定協会 | 一般財団法人 職業技能振興会 |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 8,000円 (学生は6,000円) |
受験スタイル | 指定された会場で受験 35問のマークシート方式 |
受験会場 | 東京または大阪の指定された会場 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
試験内容 | ※主に公式テキストから出題される 1.高齢化の加速と住まいの整備 2.老後の暮らしの資金 3.介護保険の知識 4.在宅の暮らし 5.高齢者住宅・施設 6.高齢者住宅・施設の探し方・選び方 |
合格率 | 77.6% 直前対策講座受講者の合格率:93.6% (令和元年〜令和4年までの合格者平均) |
難易度 | ★☆☆ |
「福祉住環境コーディネーター検定試験」は、高齢者や障がい者にとって安全で住みやすい住まいづくりを提案するための知識が身についているかどうかを確認する試験です。
超高齢化社会の日本は、高齢者の数が今後も増加すると思われます。
そのため、高齢者や障がい者にとってストレスの少ない環境をアドバイスし提供できる人材の育成が重要視されています。
主な学習方法は、販売されている公式テキストを用いた独学ですが、定期的に開講されている試験対策のオンラインセミナーの活用もおすすめです。
主催団体 | 東京商工会議所 | ||
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レベル | 3級 | 2級 | 1級 |
受験資格 | 特になし 1級や2級からの受験も可能 |
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受験料(税込) | 5,500円 | 7,700円 | 1万2,100円 |
受験スタイル | IBT方式:自宅のパソコンで受験する多肢選択式 CBT方式:全国各地のテストセンターに備え付けられているパソコンで受験する多肢選択式(利用料+2,200円) |
CBT方式 前半(多肢選択式) 後半(記述式) |
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受験会場 | 自宅や会社 全国各地のテストセンター |
全国各地のテストセンター | |
合格基準 | 正答率70%以上(1級は前半と後半ともに) | ||
合格率 | 66.1% (2021年度) |
67.8% (2021年度) |
17.7% (2021年度) |
難易度 | ★★☆ | ★★☆ | ★★★ |
「マンションリフォームマネージャー試験」は、マンションのリフォームにおけるお客様の希望を聞いて叶えるため、施工管理や管理組合などと協力して業務を進めるのに必要な能力と知識があるかどうかを確認する試験です。
学習は、公式テキストを購入し独学します。
独学では不安な場合は、オンラインまたは全国各地の指定された場所で試験対策講座が実施されているため受講しましょう。
認定協会 | 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 学科試験と設計製図試験:1万4,300円 学科試験のみ:1万1,000円 設計製図試験のみ:1万1,000円 |
受験スタイル | 学科試験(4肢択一式)と設計製図試験 |
受験会場 | 札幌・東京・名古屋・大阪・福岡 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
試験内容 | 【学科試験】 計画・基礎知識、法規・規約・制度、マネジメント、住戸内各部のリフォーム、設備のリフォーム 【設計製図試験】 マンションリフォームのプランニング |
合格率 | 35.3%(2021年度) |
難易度 | ★★☆ |
「インテリアデザイナー」は、オフィスや商業施設にて居心地がよい空間を作るため、家具や照明、内装や動線について知識があることを証明する資格です。
また施工管理や建築・インテリア関連の法律知識も身につきます。
資格取得後は、不動産や店舗プロデュースを行う職場へ就職したり、インテリアを取り扱うお店でお客様へアドバイスしたりできるでしょう。
資格取得には、以下の手順を踏むのがおすすめです。
1.「諒設計アーキテクトラーニング」または「SARAスクールジャパン」が提供する専用講座を受講
2.カリキュラム修了後、自分で検定試験を申し込む
3.自宅で検定試験を受験
また「インテリアデザイナー」を取得すると同時に「インテリアアドバイザー」の資格も取得できます。
2つの資格を一度に取得できる専用の講座は、以下のような内容になっています。
講座を提供するサービス名 | 諒設計アーキテクトラーニング | SARAスクールジャパン |
---|---|---|
講座名 | インテリアデザイナーW資格取得講座 | インテリアデザイナー |
受講資格 | 特になし | |
受講料(税込) | 基本コース:5万9,800円 プラチナコース:7万9,800円 |
基本講座:5万9,800円 スペシャル講座:7万9,800円 |
受講スタイル | 在宅でテキストを読みながら学習 | |
資格取得までの最短期間 | 約2か月 | |
カリキュラムの内容 | ・建築基準法・消防法・室内安全計画・関連法規 ・部屋の部位別の工法について・インテリアエレメンツ・インテリア材料 ・各種インテリア工事について・工事監理・施工管理 ・積算の取り方・契約について・インテリア、建築の歴史 ・インテリア計画・音や光、温度を中心とした室内環境、整備 ・施工場所別の建築計画・構造計画、工法について・構造力学について ・栄養欠乏について・腹八分目と断食の重要性について |
それぞれ2種類の講座があります。
プラチナコースまたはスペシャル講座を受講すると、卒業課題を提出すれば「インテリアデザイナー」と「インテリアアドバイザー」2つの資格が取得できます。
試験が免除になるため、試験が苦手な方や確実に資格が取りたい方におすすめです。
基本コースまたは基本講座を受講した場合は、カリキュラム修了後に以下の試験を受けます。
それぞれ合格すれば、「インテリアデザイナー」と「インテリアアドバイザー」の資格が取得できます。
資格名 | インテリアデザイナー | インテリアアドバイザー |
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主催団体 | 日本デザインプランナー協会(JDP) | |
受験資格 | 特になし | |
受験料(税込) | 1万円 | 1万円 |
受験スタイル | 在宅受験 | |
合格基準 | 正答率70%以上 | |
難易度 | ★☆☆ |
「インテリアプランナー」は、お客様の希望に沿いつつ、空間の有効活用を意識した高品質かつ魅力的なインテリアを提案できる能力を証明する資格です。
生活者や使用者が長時間快適に滞在できる空間をつくるには、行動や動線の把握、インテリアエレメントに関する知識が必要です。
インテリアプランナーの足掛かり的立ち位置として、「アソシエイトインテリアプランナー」があります。
学科試験に合格すれば誰でも登録でき、インテリアプランナーになるために必要な実務経験を積むまでの称号とすることができます。
主催団体 | 公益財団法人 建築技術教育普及センター | |
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クラス | アソシエイト・インテリアプランナ(AIP) | インテリアプランナー(IP) |
受験資格 | 学科試験:特になし | 学科試験:特になし 設計製図試験:AIP登録者・1級建築士・2級建築士・木造建築士 ※設計製図試験に合格後、資格取得までに2年以上の実務経験が必要 |
受験料(税込) | 学科試験:9,900円 合格後の登録料:2,200円 |
学科試験:9,900円 設計製図試験:1万6,500円 学科試験と設計製図試験:2万6,400円 合格後の登録料:1万1,000円 |
受験スタイル | 学科試験(四肢択一式) | 学科試験と設計製図試験 (AIPに合格した方は設計製図試験のみ) |
受験会場 | 全国各地の指定された試験会場 | |
試験内容 | 【学科試験】 インテリア計画、インテリア装備、インテリア施工、インテリア法規及び建築一般 【設計製図試験】 建築物における空間の使われ方、生活のイメージがわかるようなインテリアの設計 |
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合格率 | 59.1%(令和3年度学科試験の合格率) | 23.5%(令和元年) |
難易度 | ★☆☆ | ★★☆ |
「インテリアコーディネーター資格試験」は、お客様にとって最適な空間やインテリアを提供するためのアドバイスができるよう、インテリアに関する幅広い知識が問われる試験です。
一次試験は、公式テキストを購入し独学で対策できます。
二次試験はプレゼンテーションと論文です。
公式テキストで学習すると同時に、公式サイトで公開されているプレゼーション対策の動画を視聴したり、試験対策のセミナーを積極的に受講したりするのがおすすめです。
認定協会 | 公益社団法人 インテリア産業協会 |
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受験資格 | 特になし |
受験料(税込) | 一次試験と二次試験:1万4,850円 (※一次試験に不合格の場合、二次試験分の返金はありません) 一次試験:1万1,550円 二時試験:1万1,550円 |
受験スタイル | 一次試験(マークシート方式)と二次試験(プレゼンテーションと論文) |
受験会場 | 全国各地の指定された試験会場 |
試験内容 | ・インテリアコーディネーターの誕生とその背景 ・インテリアコーディネーターの仕事 ・インテリアの歴史 ・インテリアコーディネーションの計画 ・インテリアエレメント・関連エレメント ・インテリアの構造・構法と仕上げ ・環境と設備 ・インテリアコーディネーションの表現 ・インテリア関連の法規、規格、制度 |
合格率 | 23.5%(2021年度) |
難易度 | ★★★ |
「住宅建築コーディネーター」とは、お客様自身が納得して理想の住居を購入できるよう、中立的な住まい相談員として活躍するための資格です。
住宅購入における複雑な要素を、お客様にわかりやすいよう説明し提案する能力が身に付きます。
認定協会 | 一般社団法人 住宅建築コーディネーター協会 |
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受験資格 | 特になし |
受験料(税込) | 8,500円 合格後の認定登録料:1万5,000円 |
受験スタイル | CBT方式:全国各地のテストセンターに備え付けられているパソコンで受験する4肢択一式 |
受験会場 | 全国各地のテストセンター |
合格率 | (公式サイトによる発表がないため不明) |
学習はテキストを購入して独学できますが、在宅で好きな時間に受講できる試験対策講座も用意されています。
また試験対策講座の受講は任意のため、合否には影響しません。
受講資格 | 特になし |
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受講料(税込) | テキスト代:3,300円 受講料:1万780円 |
受講スタイル | オンライン授業またはDVDの視聴 |
受講場所 | 自宅 |
暮らしや住まいに関する仕事は、図面を扱ったりお客様や同僚と意見交換を行なったりする機会が多いです。
そのため、基礎知識のほかにも身につけたほうがよいスキルやスタンスがあります。
求人条件や優遇条件として挙げられることが多い項目をご紹介します。
CADとは、コンピュータを用いて設計を行うツールのことです。
大きく分けて2DCADと3DCADがあり、2DCADは紙の上に描くような二次元の平面図を設計する際に用いられ、3DCADは3次元の立体的な物体を設計するために用いられます。
住まい関連のお仕事では、製図や作図のためにしばしばCADが使われます。
そのため、CADを使って製図や作図をした経験がある、またはソフトを扱ったことがある方は職場で活躍しやすいでしょう。
CADの練習をするには、自宅のパソコンにCADをダウンロードして扱ってみるのがおすすめです。
フリーソフトならば無料でダウンロードできますが、できれば業界におけるシェアが高い以下のソフトで練習しましょう。
・AutoCAD(2DCAD・3DCAD・30日間のみ無料体験版の使用が可能)
・Vectorworks(2DCAD・3DCAD・30日間のみ無料体験版の使用が可能)
・Jw_cad(2DCAD・Windowsのみ動作)
Jw_cadはWindowsのみで動作するフリーソフトの2DCADです。
AutoCADとVectorworksは有償ですが、無料体験版をダウンロードできます。
住まいの仕事は、お客様やクライアント、建築に携わる方や他業種の方など多くの方と関わります。
円滑な意思疎通を可能にするには、高いコミュニケーション能力が欠かせません。
建築に携わる方のなかには気難しい職人気質の方もいて、こちらの意見や指示をなかなか聞いてくれないこともあります。
そのような場でも、いかに場の空気を悪くせずに意思疎通が図れるかが重要です。
建築様式やインテリアの流行はどんどん変化します。
最新の技術や流行を学び続けることも大切ですが、美術館や博物館などへ出向き、歴史上の建造物や展示物を実際に見て色や形の刺激を受けることも大切です。
話題になった建物や人物についての本を読んだり勉強したりして、感性を磨き知識を積み上げる姿勢も大事です。
建物やインテリアに対して強い好奇心を持ち続けられる人は、仕事において活躍し続けられるでしょう。
学歴や実務経験を問わない、暮らしと住まい資格をご紹介しました。
業界で働きたい、独立したいと考える方は多いため、そのなかから他者と差別化を図り個性を出す必要があります。
日本では今後、高齢者が増える可能性が高いため、高齢者に寄り添った提案ができると一層重宝されるでしょう。
また、CADや住まいにおける最新知識を常に吸収し続けることも必要です。
資格取得で基礎や土台を作り、スキルを増やしていけば、ますます重宝される人材になるでしょう。