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フラワーアレンジメントの初心者向けの手順やコツとは?

記事作成日:2025.03.14
花のある生活を始めたいけれど、フラワーアレンジメントは難しそうと思っていませんか?テレビや雑誌で見るプロの作品は美しいけれど、自分には作れないと諦めていませんか?実は基本の知識と少しのコツを知れば、初心者でも素敵なアレンジメントを作ることができます。本記事では、フラワーアレンジメントの基礎知識から実践的な手順、さらには資格まで、初心者の方に向けて詳しく解説していきます。
フラワーアレンジメントの初心者向けの手順やコツとは?

目次

フラワーアレンジメントの基礎知識

フラワーアレンジメントを始める前に、基本的な知識を身につけましょう。アレンジメントとは何か、必要な道具や材料、花の種類や色の組み合わせ方など、基礎から理解することで、より美しい作品を作ることができます。

1-1フラワーアレンジメントとは何か

フラワーアレンジメントとは、花や葉、枝などを美しく配置して、芸術的に表現する技術です。ヨーロッパを起源とし、日本の生け花とは異なる特徴を持っています。生け花が空間や線を重視するのに対して、フラワーアレンジメントでは花の色や形のバランス、全体のボリュームを大切にします。 また、フラワーアレンジメントは場所やシーンに合わせて様々なスタイルがあります。テーブルの上に飾るもの、壁に掛けるもの、ブライダルブーケなど、用途によって形や大きさが変わります。初心者の方でも基本を学べば、自宅で気軽に楽しめる趣味として始められるのが魅力です。

1-2必要な道具と材料

フラワーアレンジメントを始めるにあたって、基本的な道具と材料を揃えましょう。特別なものはそれほど多くなく、すぐに始められます。 フラワーアレンジメントに必要な基本的な道具と材料をご紹介します。これらは初心者が最初に揃えるべきアイテムです。 1.花切りバサミ:園芸用のもので切れ味の良いもの 2.吸水性スポンジ:フローラルフォームやオアシスと呼ばれるもの 3.花器:バスケットや陶器、ガラスの器など 4.セロハン:バスケットなど水漏れする容器を使う場合 5.花留め:剣山やワイヤーなど、フォームを使わない場合 6.花材:メインの花、サブの花、グリーン類 7.水差し:水を追加する時に使用 8.タオルや雑巾:こぼれた水を拭くため これらの道具は、100円ショップや園芸店、クラフトショップで手に入ります。特にハサミは花の茎を潰さないように鋭い切れ味のものを選びましょう。吸水性スポンジは生花用と造花用があるので、間違えないように注意してください。初心者のうちは基本的な道具から始めて、慣れてきたら徐々に専門的な道具を増やしていくと良いでしょう。

1-3花の種類と役割を知ろう

フラワーアレンジメントでは、花にはそれぞれ役割があります。花の特性を理解し、適切に組み合わせることで、バランスの良いアレンジメントが作れます。 まず、「フォームフラワー」は、アレンジメントの中で最も目立つ主役の花です。バラやユリ、ダリアなど、大きくて存在感のある花がこれにあたります。アレンジメントの焦点となるため、色や形を考慮して選びましょう。 次に「マスフラワー」は、ボリュームを出すための花で、カーネーションやガーベラなどが当てはまります。全体のバランスを整える役割を果たします。 「ラインフラワー」は、デルフィニウムやグラジオラスのように、長さや高さを出すための花です。アレンジメントに動きや方向性を与えます。 最後に「フィラーフラワー」は、かすみ草やスターチスのような小さな花で、すき間を埋めて全体をまとめる役割があります。これらの花を上手に組み合わせることで、調和のとれたアレンジメントが完成します。

1-4花の色の組み合わせ方

花の色の組み合わせは、アレンジメントの印象を大きく左右します。基本的な配色の組み合わせは、同系色・反対色・トライアドがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。 まず同系色の組み合わせは、赤とピンク、黄色とオレンジなど、色相環で近い色同士を合わせる方法です。統一感が出て、落ち着いた印象になります。初心者の方には特におすすめの組み合わせ方です。 反対色の組み合わせは、赤と緑、紫と黄色など、色相環で対角線上にある色を合わせる方法です。対比が強く、華やかで印象的なアレンジメントになります。ただし、バランスが難しいので、一方を主役にして、もう一方をアクセントとして使うと良いでしょう。 トライアドは、色相環で三角形を描くように三色を選ぶ方法です。例えば、赤・青・黄など、バランスがよく、明るい印象になります。 どの組み合わせ方を選ぶにせよ、花の色だけでなく、花器の色や置く場所の雰囲気も考慮して選ぶと、より調和のとれたアレンジメントができるでしょう。

アレンジメントを作る前の準備

美しいフラワーアレンジメントを作るためには、丁寧な準備が欠かせません。花材の選び方から水揚げの方法、花器の準備まで、各ステップを確実に行うことで、長持ちして見栄えの良いアレンジメントが完成します。

2-1花材の選び方のポイント

フラワーアレンジメントの成功は、良質な花材選びから始まります。鮮度の良い花を選ぶことは、アレンジメントの美しさと持ちを左右する重要なポイントです。 花材を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。店頭で花を選ぶ時の参考にしてください。 1.つぼみが少し開いた状態の花を選ぶ (完全に開いたものは寿命が短い) 2.茎がしっかりとしていて、折れや曲がりがないもの 3.葉に黄ばみや傷がないもの 4.花びらに傷や変色がないもの 5.水に浸かっている部分が濁っていないもの 6.季節の花を選ぶ (旬の花は鮮度が良く、価格も手頃) 7.テーマやイメージに合った色や形の花を選ぶ 8.メイン、サブ、フィラーなど、役割別に花を選ぶ 初心者の方は、最初は扱いやすいカーネーションやガーベラ、かすみ草などから始めるのがおすすめです。デパートや花屋では、スタッフに相談すると良いアドバイスがもらえることもあります。また、季節の花を取り入れることで、アレンジメントに季節感を出すことができ、より魅力的な作品になります。

2-2水揚げの正しい方法

花材を長持ちさせるために欠かせないのが「水揚げ」と呼ばれる作業です。これは、花が十分に水を吸収できる状態にする準備のことで、アレンジメントを始める前に必ず行いましょう。 水揚げの手順について詳しく説明します。これらの手順を丁寧に行うことで、花の寿命を延ばすことができます。 1.清潔なバケツに水を張る (できれば常温の水) 2.花束から花を取り出し、包装紙やゴムを外す 3.不要な葉(水に浸かる部分の葉)を取り除く 4.茎を斜めに2~3cm切る (水を吸収しやすくするため) 5.できれば水中で切ると空気が入りにくい 6.切ったらすぐに水に浸ける 7.最低30分から2時間ほど水に浸けておく 8.必要に応じて切り花栄養剤を水に加える ユリやチューリップなど、花によって特別な水揚げ方法が必要な場合もあります。例えば、ユリは花粉が付くと衣服などを汚すので、花粉を取り除いておくと良いでしょう。チューリップは水に浸けると茎が伸びる性質があるので、少し短めに切っておくことをおすすめします。花材ごとの特性を知っておくと、より長く美しい状態を保つことができます。

2-3花器の選び方と準備

フラワーアレンジメントでは、花器も重要な要素です。花器の形や素材によって、アレンジメントの印象が大きく変わります。自分の作りたいイメージに合った花器を選びましょう。 花器の種類とそれぞれの特徴、準備方法についてご紹介します。 ガラス製花器 透明感があり、水の美しさも楽しめる。水漏れの心配がなく、清潔に保ちやすい。 陶器製花器 温かみがあり、和風アレンジにも洋風アレンジにも合う。安定感があり、大きなアレンジメントにも適している。 バスケット ナチュラルな雰囲気を演出できる。水漏れするため、内側にセロハンを敷く必要がある。 金属製花器 モダンな印象を与え、シンプルなアレンジに合う。錆びる可能性があるため、内側を保護することもある。 木製花器 自然的で温かみのある雰囲気。防水加工されていないものは内側にセロハンを敷く。 花器を準備する際は、まず水洗いをして清潔な状態にします。バスケットなど水漏れする容器を使用する場合は、セロハンを二重にして内側に敷き、水が漏れないようにします。吸水性スポンジを使用する場合は、花器のサイズに合わせてカットし、しっかりと固定します。花器の選び方と準備を丁寧に行うことで、アレンジメントの完成度が高まります。

2-4花の下処理の手順

アレンジメントを始める前に、花の下処理をしっかり行うことで、扱いやすく、長持ちする作品を作ることができます。下処理は地道な作業ですが、仕上がりに大きく影響します。 花の下処理の手順を詳しくご説明します。これらの作業を丁寧に行うことが美しいアレンジメントの第一歩です。 1.水揚げが終わった花を一本ずつ取り出す 2.下葉を取り除く (スポンジや水に浸かる部分の葉はすべて取る) 3.傷んでいる花びらがあれば優しく取り除く 4.アレンジメントの形に合わせて、茎の長さを調整する 5.茎は常に斜めにカットする (水の吸い上げをよくするため) 6.太い茎や木質化した茎は、十字に切り込みを入れると水を吸収しやすくなる 7.トゲのあるバラなどは、必要に応じてトゲを取り除く 8.花粉が多い花(ユリなど)は、花粉を取り除いておく また、花の種類によって特別な下処理が必要な場合もあります。例えば、ポピーやヒマワリは茎の先をライターで軽く炙ると長持ちします。これは茎から出る樹液を固めて、水の濁りを防ぐためです。このような細かな工夫が、アレンジメントの美しさと長持ちに大きく貢献します。下処理に時間をかけることで、アレンジメント作業自体がスムーズに進み、満足のいく仕上がりになります。

基本的なアレンジメントの手順

フラワーアレンジメントを作る際の基本的な手順を知ることで、初心者でも美しいアレンジメントを作ることができます。全体のイメージを決めることから始まり、グリーンの配置、メインの花、サブの花の順に生けていく手順を詳しく見ていきましょう。

3-1①全体のイメージを決める

フラワーアレンジメントを始める前に、どんな作品を作りたいのかイメージを明確にすることが大切です。置く場所や用途、使いたい花や色などを考えて、全体のデザインを決めましょう。 まず、アレンジメントを置く場所を考えます。テーブルの中央に置くのか、玄関に飾るのか、壁に掛けるのかによって、見える角度や大きさが変わります。テーブルの中央であれば、四方から見えるようなデザイン(オールラウンド)にする必要があります。壁際に置くなら、片面だけ見えれば良い形(ワンサイド)で良いでしょう。 次に、シーズンやイベントを考慮します。クリスマスや誕生日、春の訪れを祝うなど、テーマがあると花や色の選択がしやすくなります。また、花器の形や色も全体のイメージに影響します。 雑誌やインターネットで参考になる写真を見つけて、イメージボードを作るのも良いでしょう。自分の好みや感性を大切にしながら、全体のイメージを固めていきましょう。イメージが明確になれば、花材選びや配置もスムーズに進みます。

3-2グリーンを生ける

フラワーアレンジメントでは、最初にグリーン(葉物)を生けることで、全体の形やサイズを決めます。グリーンは骨組みのような役割を果たし、後から花を挿すための土台となります。 グリーンを生ける際の手順とポイントをご紹介します。グリーンの配置が全体の印象を大きく左右します。 1.吸水性スポンジが花器に固定されているか確認 2.背の高いグリーンを中心に挿し、高さを決める 3.横に広がるグリーンを両サイドに挿す 4.スポンジが見えないように、下部にもグリーンを挿す 5.グリーンを挿す際は、すべての茎が中心に向かうように斜めに挿す 6.隙間を埋めるように、小さめのグリーンを追加していく 7.全体のバランスを見ながら調整する グリーンには様々な種類があり、それぞれ特徴があります。レザーファンは広がりがあり、ボリュームを出すのに適しています。アイビーはつる状で柔らかな動きを出せます。ユーカリは丸みのある葉で、やわらかな印象を与えます。 グリーンを生ける際は、花器から少し離れて全体のバランスを見ることが大切です。グリーンだけで美しい形が作れるくらいが理想的です。グリーンの配置が整ったら、次は花を挿していきます。

3-3メインの花を配置する

グリーンを配置した後は、アレンジメントの主役となるメインの花を配置します。メインの花は全体の印象を決める重要な要素なので、慎重に配置しましょう。 メインの花を配置する手順とポイントをご説明します。メインの花の配置が成功すると、アレンジメント全体が引き締まります。 1.メインの花は3~5本程度を基本とする 2.最初に中心に一番大きなメインの花を配置する 3.最も美しく見える角度になるよう調整する 4.次に、中心から外側に向かって他のメインの花を配置する 5.高さや奥行きに変化をつけて、立体感を出す 6.花同士が重なりすぎないように間隔をとる 7.同じ色が固まりすぎないよう注意する 8.茎はすべて中心に向かうように斜めに挿す メインの花を配置する際のコツは、奇数本(3本、5本など)で使うことです。これは、偶数だと左右対称になりすぎて不自然な印象になるためです。また、完全に開いた花と、これから開く蕾を混ぜて使うと、時間の経過とともに表情が変わる楽しいアレンジメントになります。 メインの花を配置したら、少し離れて全体のバランスを確認しましょう。必要に応じて位置を調整し、完璧なバランスになるよう心がけます。メインの花がしっかりと配置できたら、次はサブの花を加えていきます。

3-4サブの花やフィラーを加える

メインの花を配置した後は、サブの花やフィラーを加えて、アレンジメントに深みと調和を与えましょう。これらの花は、主役を引き立てるとともに、全体のバランスを整える役割を持っています。 サブの花やフィラーを加える手順とポイントをご紹介します。これらの花でアレンジメントを華やかに仕上げましょう。 1.サブの花はメインの花より少し小さめの花を選ぶ 2.メインの花の間に、サブの花を挿していく 3.色のバランスを考えて配置する 4.フィラーは小さな花や枝分かれした花を使う 5.フィラーは空いている部分を埋めるように、全体に均等に挿す 6.茎の長さを調整し、高低差をつけて立体感を出す 7.前面にも花を配置し、奥行きを感じられるようにする 8.全体を見ながら、バランスを整える サブの花やフィラーを加える際のコツは、全体を見ながら少しずつ加えていくことです。一度にたくさん挿すと、過密になりすぎてしまう恐れがあります。少し挿しては全体を確認し、また少し挿しては確認する、という作業を繰り返すことで、バランスの良いアレンジメントが完成します。 また、季節感を出すために、季節の小花や実ものを加えるのも良いでしょう。春なら小さなチューリップやすみれ、秋なら小さな実ものや紅葉など、季節を感じさせる要素を取り入れると、アレンジメントに深みが増します。

3-5全体のバランスを整える

すべての花を配置した後は、全体のバランスを確認し、必要に応じて調整しましょう。このステップは、プロのような仕上がりにするために非常に重要です。 全体のバランスを整えるためのチェックポイントをご紹介します。これらの点に注意して、アレンジメントを完成させましょう。 □花器から少し離れて、全体のシルエットを確認する □左右のバランスが取れているか確認する □前後のバランスも確認する(オールラウンドの場合は四方から見る) □高さのバランスも確認し、必要に応じて高い花や低い花を追加する □色のバランスを確認し、一箇所に同じ色が固まっていないか確認する □スポンジが見えている場所がないか確認し、必要に応じてグリーンや小花を追加する □花と花の間隔が均等になっているか確認する □全体的に自然な流れがあるか確認する バランスを整える際のコツは、「引き算」の考え方です。時にはごちゃごちゃしすぎている部分から花を取り除くことも大切です。シンプルでも洗練された印象のアレンジメントの方が、詰め込みすぎたものより美しく見えることが多いです。 最終チェックが終わったら、花器の周りを拭いて水滴や葉っぱを取り除き、完成です。初めてのアレンジメントは思い通りにならないかもしれませんが、経験を重ねるごとにセンスが磨かれていきます。楽しみながら続けることが上達の秘訣です。

フラワーアレンジメント資格検定を知ろう

フラワーアレンジメントをより深く学びたい方や、プロとしてのスキルを身につけたい方には、資格取得という選択肢もあります。日本には様々なフラワーアレンジメントの資格があり、趣味から仕事まで、目的に合わせて選ぶことができます。

4-1フラワーアレンジメントデザイナー資格とは

フラワーアレンジメントデザイナー資格は、花のアレンジメントに関する専門的な知識と技術を持つ人に与えられる資格です。この資格を持つことで、プロフェッショナルとしての信頼性が高まります。 フラワーアレンジメントデザイナー資格は、フラワーアレンジメントに対する十分な知識を持ち、イベントや式典、日常のインテリア、服飾など、多様なシーンに応用したアレンジを取得したとされる人へ認定される資格です。各種飾花業界、インテリア業界などを目指す方に人気があります。 資格には複数のレベルがあることが多く、初心者から上級者まで段階的に学べるようになっています。独学でフラワーアレンジメントを楽しむのも良いですが、資格取得を目指すことで、より体系的に学ぶことができるでしょう。これから本格的にフラワーアレンジメントを学びたい方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。

まとめ

フラワーアレンジメントは、特別な資格や才能がなくても、基本を学び実践することで誰でも楽しめる素敵な趣味です。本記事では、初心者向けの基礎知識から始まり、準備の仕方、アレンジの手順、様々なスタイルやアイデアまで幅広くご紹介しました。最初は思い通りのアレンジメントができないかもしれませんが、少しずつ経験を積みながら自分のセンスを磨いていきましょう。花と向き合う時間は、心を豊かにし、日常に彩りを与えてくれます。今日から、ぜひ素敵なフラワーアレンジメントを始めてみませんか?季節の花を取り入れ、自分らしい表現を楽しみながら、花のある生活を満喫しましょう。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部