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フラワーアレンジメントの花の種類とは?それぞれの特徴や長所短所

記事作成日:2025.03.14
お部屋を彩るフラワーアレンジメントを作りたいけれど、どんな花を選べばいいの?花によって特徴が異なると聞いたけれど、実際どのような違いがあるのかしら?初心者でも安心して始められる花材はどれ?そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。花の種類によって、アレンジメントの仕上がりや持ちの良さも変わってきます。本記事では、フラワーアレンジメントに使う花の種類とそれぞれの特徴、長所と短所について詳しく解説していきます。
フラワーアレンジメントの花の種類とは?それぞれの特徴や長所短所

目次

フラワーアレンジメントとは

フラワーアレンジメントとは、花や葉、枝などを美しく配置して創造する芸術的な表現方法です。空間や場面に合わせて、さまざまな形や雰囲気を演出することができます。初めてチャレンジする方にも、経験者の方にも、フラワーアレンジメントの基本を知ることで、より素敵な作品作りが可能です。

1-1フラワーアレンジメントの基本知識

フラワーアレンジメントは、深さのある器に吸水性のあるスポンジ(フラワーフォーム)を入れ、そこに花を挿していくスタイルが一般的です。花瓶に花を生ける場合と違い、スポンジに水を含ませることで花に水を供給するため、水の量が少なくても大丈夫です。 フラワーアレンジメントの歴史は古く、古代エジプトやギリシャでは宗教的な儀式にも用いられていました。現代では観賞用として16世紀以降に広まり、現在ではプレゼントやインテリアとして人気があります。 花の美しさをより引き立てるフラワーアレンジメントは、色のバランスや形の調和、季節感を大切にすることがポイントです。初心者の方は、まず基本的なスタイルから始めることをおすすめします。

1-2フラワーアレンジメントの魅力

フラワーアレンジメントの魅力は、何と言っても自分の感性や好みに合わせた自由な表現ができることです。季節の花を使ったり、特別なイベントに合わせたテーマを取り入れたりすることで、オリジナリティあふれる作品を作ることができます。また、プレゼントとして贈る場合も、相手の好みや場面に合わせてアレンジすることで、心のこもった贈り物になります。 フラワーアレンジメントには、心を豊かにするリラックス効果もあります。花に触れ、香りを感じながら創作活動をすることで、日常のストレスから解放され、心が癒されるという効果があります。さらに、完成した作品を眺めることで、達成感や満足感を得ることができ、毎日の生活に彩りと潤いをもたらします。

フラワーアレンジメントの花の種類

フラワーアレンジメントを作る際に使用する花材は多種多様です。それぞれの花には独自の特徴や持ち味があり、季節によって旬の花材も変わってきます。ここでは、フラワーアレンジメントで使われる代表的な花材とその特徴について紹介します。

2-1一般的に使われる切り花の種類

フラワーアレンジメントで一般的に使われる切り花には、様々な種類があります。代表的なものには以下のようなものがあります。 バラ:愛や美の象徴として人気が高く、色や品種も豊富です カーネーション:丈夫で長持ちし、母の日のギフトとしても定番です ユリ:華やかで香りが強く、格式高いシーンにも合います ガーベラ:カラフルで明るい印象を与え、初心者にも扱いやすいです トルコキキョウ:繊細な花びらが特徴で、ボリューム感があります アジサイ:季節感があり、ドライフラワーとしても使えます カスミソウ:小さな花が集まり、他の花との相性が良いです キク(菊):種類が豊富で、和風のアレンジにも適しています これらの花は、それぞれに異なる形、色、テクスチャーを持っているため、組み合わせることで様々な表情のアレンジメントを作ることができます。初心者の方は、まず少ない種類から始めて、徐々に種類を増やしていくことをおすすめします。

2-2季節ごとのおすすめの花材

季節感を表現するために、その時期に旬を迎える花材を選ぶことも重要です。季節ごとのおすすめ花材には以下のようなものがあります。 春:チューリップ、スイートピー、ラナンキュラス、スイセン 夏:ヒマワリ、ダリア、サルビア、アジサイ 秋:キク、コスモス、リンドウ、ケイトウ 冬:シクラメン、ポインセチア、マム、カラー これらの季節の花を取り入れることで、アレンジメントに季節感や旬の雰囲気を出すことができます。また、季節の花は一般的に入手しやすく、価格も手頃なことが多いです。特別な日のアレンジメントには、その時期ならではの花を取り入れると、より記憶に残る作品になります。 季節に合った花材を選ぶことで、自然のリズムを感じながらフラワーアレンジメントを楽しむことができます。季節外れの花を使用する場合は、入手が難しかったり価格が高くなったりする場合があるので注意が必要です。

2-3グリーン(葉物)の役割と種類

フラワーアレンジメントにおいて、グリーン(葉物)は単なる脇役ではなく、重要な役割を果たします。グリーンは花を引き立てる背景となり、全体のバランスを整える役割があります。また、アレンジメントにボリュームや奥行きを出すためにも欠かせません。 代表的なグリーンには以下のような種類があります。 レザーファン:扇状の葉で、しっかりとした質感があります アスパラガス:細かく繊細な葉で、柔らかい印象を与えます ドラセナ:直線的な葉で、モダンな雰囲気を出せます アイビー:つる性植物で、垂れ下がる演出ができます ユーカリ:丸い葉が特徴で、香りも良く人気があります モンステラ:大きな切れ込みのある葉で、存在感があります グリーンの選び方としては、花のスタイルや色に合わせることが大切です。例えば、華やかな花には落ち着いたグリーンを、シンプルな花には特徴的なグリーンを合わせるなど、コントラストを意識すると良いでしょう。また、グリーンを先に配置して全体の輪郭を作り、その後に花を挿していくという手順も効果的です。

基本的なアレンジメントの種類

フラワーアレンジメントには様々な形やスタイルがあります。それぞれのスタイルには特徴があり、飾る場所や目的によって選ぶとよいでしょう。基本となる形を知っておくことで、応用アレンジも楽しめるようになります。ここでは代表的なアレンジメントの種類について説明していきます。

3-1ラウンド型

ラウンド型は、その名の通り丸い形をしたフラワーアレンジメントで、360度どの角度から見ても美しく見えるように花を配置します。半球体のような形状で、テーブルの中央に置いたり、パーティー会場で華やかな雰囲気を演出したりするのに適しています。 ラウンド型アレンジメントの作り方の基本は、中心部分に主役となる花を配置し、周りを囲むように他の花やグリーンを挿していくことです。特にバラやカーネーションなど丸みのある花が活きるスタイルで、初心者にも挑戦しやすい形です。ウェディングブーケでも定番のスタイルとなっています。

3-2ファン型・ワンサイド型

ファン型とワンサイド型は、正面からの見え方を重視したアレンジメントスタイルです。ファン型は、名前の通り扇子を広げたようなデザインで、花材を放射状に広げて豪華な印象を与えます。一方、ワンサイド型は片側から見ることを前提としたデザインで、壁側に置くのに適しています。 これらのスタイルの特徴は、奥行きと高さのある立体的な構成にあります。背面にはグリーンを配置し、正面に向かって華やかな花を配置することで、見る人の視線を引きつけます。特に開店祝いや式典など、スペースが限られた場所での装飾に向いています。

3-3ジオメトリックフォーム型

ジオメトリックフォーム型は、幾何学的な形状を基本とするアレンジメントスタイルです。円、正方形、三角形などの単純な図形をベースに構成されるため、すっきりとしたモダンな印象を与えます。代表的なものには、ホリゾンタル(横長)、トライアンギュラー(三角形)、クレッセント(三日月)などがあります。 ホリゾンタルスタイルは横に広がる低いアレンジメントで、結婚式の高砂席や会議テーブルなどに適しています。トライアンギュラースタイルは三角形を基本とした形で、安定感があり、クリスマスツリーのようなイメージで季節のアレンジにも活用できます。

3-4バーティカル型とLシェイプ型

バーティカル型とLシェイプ型は、縦のラインを強調したアレンジメントスタイルです。バーティカル型は真っすぐ上に伸びるデザインで、細身でありながら高さがあるため、限られたスペースでも存在感を出せます。一方、Lシェイプ型はアルファベットのLの形をイメージしたデザインで、垂直に伸びる部分と水平に広がる部分を組み合わせた形状です。 これらのスタイルは、玄関や廊下、部屋の角など、限られたスペースでの使用に適しています。特にLシェイプ型は、教会の祭壇のサイドに飾られることが起源となっており、フォーマルな場にもよく使われます。

フラワーアレンジメントのスタイル別花材

フラワーアレンジメントのスタイルによって、適した花材は異なります。それぞれのスタイルの特徴を活かすために、花の形や大きさ、茎の硬さなどを考慮して選ぶことが大切です。ここでは、スタイル別におすすめの花材を紹介します。

4-1ラウンド型に適した花材

ラウンド型のアレンジメントは360度どの角度から見ても美しく見えるため、丸みのある花や、多方向に広がる花が適しています。 おすすめの花材には以下のようなものがあります。 バラ:丸みのある花形で、ラウンド型の中心に最適です カーネーション:長持ちし、形の整った花で、ボリュームが出ます ピンポンマム:球状の小菊で、隙間を埋めるのに便利です スプレーカーネーション:小輪が多数咲き、自然な丸みを作れます スカビオサ:ふんわりとした丸い形状が特徴的です ラナンキュラス:層になった花びらが美しく、立体感が出ます ラウンド型アレンジメントを作る際のポイントは、中心から外側に向かって花を挿していくことです。中心には主役となる大きな花を配置し、外側に向かって徐々に小さな花や葉を配置すると、自然な丸みが生まれます。また、花の高さにも変化をつけることで、立体的で魅力的なアレンジメントになります。

4-2ファン型・ワンサイド型に適した花材

ファン型やワンサイド型のアレンジメントは、片側からの見栄えを重視するスタイルです。そのため、高さや長さのある花材や、特徴的な形状を持つ花が適しています。おすすめの花材には以下のようなものがあります。 グラジオラス:縦長の花穂で、高さを出すのに最適です ストック:香りが良く、縦のラインを作れます スナップドラゴン:ユニークな形状で、動きを出せます ユリ:存在感があり、高級感を演出できます デルフィニウム:背の高い花で、青や紫の色合いが美しいです 枝物(レンギョウ、ミモザなど):動きや広がりを出せます これらのスタイルでは、花材の高低差をつけることが重要です。背の高い花を奥に、低い花を手前に配置することで、奥行きと立体感が生まれます。また、茎の長さを活かして自然な広がりを出すことで、豪華で華やかな印象になります。

4-3縦長のアレンジに適した花材

バーティカル型などの縦長のアレンジには、茎がしっかりとしていて、上に伸びる形状の花材が向いています。縦のラインを強調するための花材選びが重要です。 デルフィニウム:細長く伸びる花穂が特徴的です グラジオラス:直線的に咲く花で、縦のラインを強調できます リューココリネ:細い茎に小さな花が咲き、優雅さを加えます スターチス:長持ちし、縦のラインを補強します リアトリス:紫色の花が特徴で、上から下へと咲き進みます スモークツリー:ふわふわした質感で、高さを活かせます 縦長のアレンジメントでは、茎の硬さや長さを活かすことがポイントです。主役となる花を中心に配置し、サブの花やグリーンで縦のラインを補強します。花の向きを上に向けることで、伸びやかで洗練された印象のアレンジメントを作ることができます。

4-4テーブルアレンジに適した花材

テーブルアレンジメントは、食事の妨げにならない高さと、周囲の人との会話を遮らない程度の大きさが重要です。コンパクトで低めのアレンジメントに向いている花材をご紹介します。 フリージア:香りが良く、小ぶりで可愛らしい花です スイートピー:優しい印象で、香りも楽しめます 小輪のバラ:テーブルサイズに合う小さめの花です ラナンキュラス:花持ちが良く、様々な色があります クレマチス:繊細な花びらが特徴的です アルストロメリア:花持ちが良く、多色使いできます テーブルアレンジメントを作る際のポイントは、高さを抑えること(概ね30cm以下)と、香りが強すぎない花を選ぶことです。また、水平方向に広がりを持たせつつも、あまり大きくしすぎないよう注意します。食卓に置く場合は特に、食事の邪魔にならない小ぶりなデザインにするとよいでしょう。

花材の特徴と長所・短所

フラワーアレンジメントで使用する花材には、それぞれに特徴があり、長所や短所も異なります。花の特性を理解することで、より美しく長持ちするアレンジメントを作ることができます。ここでは、代表的な花材について詳しく説明します。

5-1バラの特徴と使い方

バラは「花の女王」とも呼ばれる最も人気のある花の一つです。品種が非常に多く、色や形、香りも様々で、一年中入手が可能です。 長所としては、バラは形が整っていて存在感があるため、アレンジメントの主役として最適です。色のバリエーションが豊富で、赤、ピンク、白、黄色、オレンジなど様々な印象を演出できます。特に高級感を出したいアレンジメントには欠かせない花材です。 一方で短所としては、比較的水揚げが難しく、扱い方によっては早く枯れてしまうことがあります。また、トゲがあるため取り扱いに注意が必要です。価格も他の花に比べてやや高めという点も考慮する必要があります。

5-2カーネーションの長所短所

カーネーションは丈夫で長持ちする花として知られ、母の日のギフトとしても定番です。フリルのような花びらが特徴的で、様々な色があります。 長所としては、水持ちが非常に良く、アレンジメントの中でも2週間程度は美しさを保ちます。また、比較的安価で入手しやすく、初心者にも扱いやすい花材です。丸みのある形状から、ラウンド型のアレンジメントに適しています。 短所としては、単体ではやや平凡な印象を与えることがあるため、他の花材と組み合わせると効果的です。また、茎が比較的柔らかいため、重いものを支えるのには向いていません。

5-3ユリの長所短所

ユリは格調高く華やかな印象を与える花で、大きな花と強い香りが特徴です。結婚式や式典など、フォーマルな場でよく使用されます。 長所としては、一輪でも存在感があり、アレンジメントの主役として映えます。花の形が美しく、開花過程も楽しめます。カサブランカやスターゲイザーなど、品種によって異なる表情を見せます。 短所としては、花粉が黄色や茶色の粉状で落ちやすく、衣服などに付くと染みになることがあります。また、強い香りが苦手な人もいるため、室内で使用する際は注意が必要です。水に濡れると花びらにシミができやすいという特徴もあります。

5-4ガーベラの長所短所

ガーベラはデイジーに似たシンプルな形の花で、鮮やかな色彩が特徴です。明るく元気な印象を与えるため、お祝いのギフトにも人気があります。 長所としては、カラーバリエーションが豊富で、ビビッドな色から淡い色まで様々な色が揃っています。また、花の大きさも小輪から大輪まであり、用途に応じて選べます。花もちも比較的良く、水さえ適切に管理すれば1週間程度は保ちます。 短所としては、茎が柔らかく垂れやすいため、支えなしで直立させるのが難しいことがあります。また、水が足りないと茎が曲がってしまうこともあります。花粉も出るため、閉じた空間での長時間の使用には注意が必要です。

5-5トルコキキョウの長所短所

トルコキキョウ(リシアンサス)は、エレガントで繊細な雰囲気を持つ花です。八重咲きのものは特に豪華で、ウェディングブーケやフォーマルなアレンジメントによく使われます。 長所としては、花びらの質感が美しく、シルクのような光沢があります。色は白、ピンク、紫、グリーンなどがあり、落ち着いた上品な印象を与えます。また、水揚げが良く、比較的長持ちする花材です。 短所としては、花が傷つきやすく、取り扱いに注意が必要です。また、季節や品種によっては価格が高くなることがあります。茎が比較的柔らかいため、重いアレンジメントには向かない場合もあります。

5-6アジサイの長所短所

アジサイは小さな花が集まって大きな花房を形成する特徴的な花です。季節感があり、梅雨の時期を象徴する花としても親しまれています。 長所としては、一輪で大きなボリュームがあり、アレンジメントに豪華さを加えられます。青、紫、ピンク、白などの色があり、時間の経過とともに色が変化する魅力もあります。また、ドライフラワーにしても美しさを保つため、長期間楽しめます。 短所としては、水を大量に必要とするため、こまめな水替えが必要です。また、暑さに弱く、水が不足すると急速にしおれることがあります。花が重いため、他の花材との組み合わせにも工夫が必要です。

まとめ

フラワーアレンジメントの花材選びは、作品の印象を大きく左右する重要な要素です。本記事では、様々な花の特徴や長所短所、アレンジメントのスタイル別におすすめの花材などを紹介してきました。バラの華やかさ、カーネーションの丈夫さ、ユリの気品、ガーベラの元気さなど、それぞれの花には独自の魅力があります。フラワーアレンジメントは、花と向き合い、その美しさを引き出す素晴らしい趣味です。本記事を参考に、ぜひお気に入りの花材を見つけて、自分だけの素敵なアレンジメントを楽しんでください。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部