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【ガーデニング】初心者にも育てやすい植物は?おすすめの多年草(宿根草)

記事作成日:2025.03.26
「植物を枯らしてしまいそう」「毎日の水やりが大変」「どんな植物から始めればいいの?」など、ガーデニングを始めるにあたって不安や疑問を抱えていませんか?実は、初心者でも育てやすく、失敗しにくい植物がたくさんあります。
特に多年草や宿根草と呼ばれる植物は、一度植えれば何年も楽しめる上、お手入れも比較的簡単なものが多いのです。本記事では、ガーデニング初心者におすすめの植物選びや育て方のコツについて解説していきます。
【ガーデニング】初心者にも育てやすい植物は?おすすめの多年草(宿根草)

目次

ガーデニング初心者が知っておきたい基礎知識

ガーデニングを長く楽しく続けるためには、まず基本的な知識を身につけることが大切です。植物の種類や特性を理解することで、自分の環境や生活スタイルに合った植物選びができるようになります。

1-1一年草と多年草・宿根草の違い

植物には大きく分けて「一年草」と「多年草」があります。一年草は春に種をまくか苗を植えて、その年の秋か冬に枯れてしまう植物です。パンジーやマリーゴールドなどが代表的な一年草です。一方、多年草は一度植えると何年も生き続け、毎年花を咲かせる植物です。
「宿根草」は多年草の一種で、冬になると地上部が枯れても、地下に根や球根を残して越冬し、春になると再び芽を出して成長します。シャクヤクやアジサイなどがこれにあたります。初心者にとっては、毎年植え替える手間が省ける宿根草や多年草が扱いやすいでしょう。

1-2初心者に多年草・宿根草がおすすめな理由

初心者に多年草や宿根草をおすすめする理由はいくつかあります。まず、一度植えれば何年も楽しめるため、植え替えの手間が少なくて済みます。また、年々株が大きくなり、花つきもよくなるものが多いので、時間が経つほど見応えが増します。
さらに、多くの宿根草は病害虫にも強く、極端な環境変化にも対応できる強健な種類が多いのも特徴です。一年草のように、季節ごとに植え替える必要がないため、忙しい方でも無理なくガーデニングを楽しめます。初期投資は一年草より高くなる場合もありますが、長期的に見れば経済的です。

1-3植物を選ぶ際の4つのポイント

植物選びで失敗しないためには、以下の4つのポイントを考慮しましょう。
1.気候への適応性
自分が住んでいる地域の気候に合った植物を選ぶことが大切です。とくに寒さや暑さに弱い植物は、気候に合わないと育ちません。
2.日光の条件
植物によって必要な日照時間が異なります。「日向」「半日陰」「日陰」といった表示を確認し、自分の庭やベランダの環境に合ったものを選びましょう。
3.水やりの頻度
多肉植物のように乾燥に強いものから、常に湿った土を好む植物まで様々です。自分のライフスタイルに合わせて、水やりの頻度に対応できる植物を選ぶと良いでしょう。
4.成長サイズ
植物は成長すると想像以上に大きくなることがあります。置き場所のスペースを考慮して、適切なサイズの植物を選びましょう。

おすすめの多年草・宿根草

ここでは、初心者にもおすすめの多年草・宿根草を紹介します。育てやすさ、丈夫さ、花期の長さなどを考慮して選んでいます。

2-1丈夫で育てやすいペチュニア

ペチュニアは華やかな花を次々と咲かせる人気の植物です。特に品種改良された「スーパーチュニア」などは、雨に強く、病害虫にも強いため初心者にもおすすめです。
ペチュニアの特徴と育て方のポイントは以下の通りです。
・春から秋まで長く花を咲かせる
・日当たりと水はけの良い場所を好む
・色のバリエーションが豊富
・花がら摘みをすると、次々と新しい花が咲く
・夏の半ばで一度切り戻すと、秋まで花を楽しめる
ペチュニアは枝が伸びるタイプと、こんもりと株立ちするタイプがあります。ハンギングバスケットや寄せ植えのアクセントにもぴったりです。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、週に1回程度液体肥料を与えるとより花つきがよくなります。

2-2長期間咲き続けるマーガレット

マーガレットは白や黄色、ピンクなどの可愛らしい花を長期間咲かせる多年草です。比較的寒さにも強く、秋から春にかけて花を楽しむことができます。
マーガレットの特徴と育て方のポイントは以下の通りです。
・秋から春にかけて花を咲かせる
・日当たりの良い場所を好む
・水はけの良い土壌を好む
・花がら摘みをすると、より多くの花が咲く
・春に軽く切り戻すと、形が整って再び花を咲かせる
マーガレットは比較的乾燥に強いですが、鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。また、冬の寒さが厳しい地域では、鉢を室内に取り込むか、不織布などで保護するとよいでしょう。肥料は控えめに、月に1回程度与えます。

2-3手間いらずのヒューケラ

ヒューケラは美しい葉を楽しむカラーリーフプランツです。花よりも葉の色彩が美しく、赤や紫、黄緑など様々なカラーバリエーションがあります。
ヒューケラの特徴と育て方のポイントは以下の通りです。
・葉の色が豊富で一年中観賞価値がある
・日陰や半日陰でもよく育つ
・病害虫が少なく育てやすい
・水はけの良い土壌を好む
・花より葉を楽しむ植物なので、花茎は切り取っても問題ない
ヒューケラは水やりを控えめにし、土が乾いてからたっぷりと与えましょう。また、高温多湿を嫌うので、夏は風通しの良い場所に置きます。2〜3年に一度株分けをすると、より健康に育ちます。

2-4初心者に人気のゼラニウム

ゼラニウム(現在の正式名称はペラルゴニウム)は、明るい色の花と特徴的な香りを持つ多年草です。比較的乾燥に強く、花期も長いため初心者にも育てやすい植物です。
ゼラニウムの特徴と育て方のポイントは以下の通りです。
・春から秋まで長く花を楽しめる
・日当たりの良い場所を好む
・乾燥に強いが、高温多湿に弱い
・花がら摘みをすると、次々と花が咲く
・挿し木で簡単に増やせる
ゼラニウムは水のやりすぎに注意し、土が乾いてからたっぷりと与えましょう。夏の直射日光も好みますが、猛暑の日は午後から日陰に移すとよいでしょう。冬は室内の明るい場所で管理し、水やりは控えめにします。

2-5その他のおすすめ宿根草・多年草

初心者にもおすすめのその他の宿根草・多年草を紹介します。それぞれ特徴が異なるので、自分の環境や好みに合わせて選んでみてください。
シャクヤク:大輪の花と香りが魅力の長寿命な多年草
オステオスペルマム:南アフリカ原産の明るい色の花を咲かせる多年草
エキナセア:夏から秋に咲く丈夫で病害虫に強い多年草
ルドベキア:夏から秋に黄色い花を咲かせる明るい印象の多年草
フロックス:初夏に花を咲かせ、草丈の低いものから高いものまで種類が豊富
アジュガ:グラウンドカバーとして人気の、日陰でも育つ多年草
ネペタ:香りのよい葉と青紫色の花が特徴的なハーブ系の多年草
アネモネ:春先に咲く美しい花で、球根で増やせる
ベロニカ:青い花を咲かせ、グラウンドカバーとしても使える
クローバー:白や斑入りの葉が美しく、グラウンドカバーに最適
ギボウシ(ホスタ):日陰でも育ち、葉を観賞する宿根草
これらの植物は特別な管理がなくても、一度植えれば何年も楽しめる多年草です。それぞれの植物の特徴や育てやすさを考慮して、自分の庭やベランダの環境に合ったものを選びましょう。初めはひとつか二つから始めて、徐々に種類を増やしていくと良いでしょう。

季節別で楽しむ育てやすい花

一年を通して庭やベランダを彩るためには、季節ごとに咲く花を知っておくと便利です。それぞれの季節に適した植物を選ぶことで、一年中花を楽しむことができます。

3-1春に咲く初心者向けの植物

春は多くの植物が芽吹き、花を咲かせる季節です。初心者にもおすすめの春の植物としては、マーガレット、プリムラ、パンジー・ビオラなどがあります。これらは比較的寒さに強く、春の訪れとともに鮮やかな花を咲かせてくれます。
特にプリムラは種類が豊富で、さまざまな色の花を楽しめるのが魅力です。また、クリスマスローズは冬の終わりから春にかけて花を咲かせる多年草で、一度植えれば毎年花を楽しめます。
春に植え付けるなら、日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。春は気温の変化が大きいため、急な寒さに備えて不織布などでカバーできるようにしておくと安心です。

3-2夏の暑さに負けない丈夫な植物

夏の高温多湿は植物にとって過酷な環境ですが、そんな中でも元気に育つ植物もあります。サルビア、ペチュニア、日々草(ニチニチソウ)、ポーチュラカなどは暑さや直射日光に強く、初心者でも育てやすい夏の植物です。
特にサルビアは暑さに強いだけでなく、乾燥にも強いため水やりを忘れても比較的大丈夫です。また、ペチュニアは品種改良が進み、雨に強いものや暑さに強いものなどバリエーションが豊富になっています。
夏の植物は水やりが重要です。朝か夕方の涼しい時間帯に、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。真夏の直射日光が強い時間帯は、レースのカーテン越しの明るい光が理想的です。

3-3秋に彩りを添える花々

秋は夏の暑さが和らぎ、植物にとっても過ごしやすい季節になります。秋に彩りを添える植物としては、キク、コスモス、リンドウ、アスターなどがあります。これらは涼しい気候を好み、秋の日差しの中で美しい花を咲かせます。
特にコスモスは育てやすく、種からでも育てられるため初心者にもおすすめです。また、キクは日本の秋を代表する花で、品種も豊富なため、好みの色や形を選ぶことができます。
秋の植物は比較的手間がかからないものが多いですが、台風や秋雨に備えて、支柱を立てるなどの対策をしておくと安心です。また、花後は枯れた部分を切り取り、風通しを良くしておくことが大切です。

3-4冬でも楽しめる植物選び

冬は植物が休眠する季節ですが、それでも楽しめる植物はたくさんあります。シクラメン、パンジー・ビオラ、ハボタン、ヒマラヤユキノシタなどは冬の寒さに強く、花や葉を楽しむことができます。
特にシクラメンは室内でも育てやすく、冬の間中花を咲かせ続けます。また、パンジーやビオラは寒さに強く、霜が降りても元気に育ちます。ハボタンはカラフルな葉が特徴で、花ではなく葉を観賞する植物です。
冬の植物は凍結に注意が必要です。鉢植えの場合は、気温が氷点下になる前に室内や軒下に移動させると良いでしょう。また、地植えの場合は、根元に腐葉土や落ち葉を敷いて保温すると、寒さから守ることができます。

場所別におすすめの育てやすい植物

植物は置く場所の環境によって選び方が変わります。日当たりの良い場所、日陰、ベランダやプランターなど、それぞれの環境に適した植物を知っておきましょう。

4-1日当たりのよい場所で育てる植物

日当たりの良い場所とは、一日に6時間以上直射日光が当たる環境を指します。このような場所では、サルビア、マリーゴールド、ひまわり、ペチュニア、ポーチュラカなどが元気に育ちます。これらの植物は太陽の光をたっぷり浴びて、花つきもよくなります。
特にマリーゴールドは日光を好み、害虫を寄せ付けない効果もあるため、他の植物と一緒に植えると良いでしょう。また、ポーチュラカは多肉質の葉を持ち、乾燥にも強いため、水やりを忘れがちな初心者にもおすすめです。
日当たりの良い場所では、水分の蒸発も早いため、特に夏場は朝と夕方に水やりをするといいでしょう。また、強い日差しで葉が焼けることもあるので、真夏はレースカーテン越しの光が当たるようにするなどの工夫も必要です。

4-2日陰でも元気に育つ植物

日陰と一言でいっても、完全な日陰から明るい日陰までさまざまです。完全に日光が当たらない場所では植物の育成は難しいですが、明るい日陰(間接光が当たる場所)なら多くの植物が育ちます。
日陰に適した植物としては、ギボウシ(ホスタ)、アジュガ、シダ類、ヒューケラ、ツルニチニチソウなどがあります。これらは直射日光が少なくても、美しい葉や花を楽しむことができます。
特にギボウシは葉の色や形が豊富で、日陰の庭を明るく彩ってくれます。ヒューケラも葉の色彩が美しく、カラーリーフとして人気があります。日陰の植物は日光不足で徒長(とちょう)することがあるので、時々剪定して形を整えましょう。

4-3ベランダやプランターに適した植物

限られたスペースで植物を楽しむベランダガーデニングでは、あまり大きくならない植物や、プランターでも育てやすい植物を選ぶことが大切です。また、ベランダは地面より風が強いため、風に強い植物も重要です。
ベランダやプランターに適した植物としては、ミニバラ、ラベンダー、ローズマリー、多肉植物、ミニトマトなどがあります。これらは比較的コンパクトに育ち、鉢植えでも元気に育ちます。
特にハーブ類は実用的で香りも楽しめるため人気があります。また、多肉植物は水やりの頻度が少なくて済むため、忙しい方にもおすすめです。プランターでは土の量が限られるため、定期的な追肥や水やりが大切です。

初心者でも失敗しない育て方のコツ

植物を選んだら、次は育て方です。初心者でも失敗しない育て方のコツをマスターして、健康で美しい植物を育てましょう。

5-1適切な水やりのポイント

植物の育成で最も重要なのが水やりです。水のやりすぎは根腐れの原因になり、水不足は枯れる原因になります。適切な水やりのタイミングや量を知ることが大切です。
水やりの基本的なポイントは以下の通りです。
・土の表面が乾いてから水やりをする
・朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをする
・鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える
・植物の葉ではなく、根元の土に水をやる
・季節や天候によって水やりの頻度を調整する
水やりは毎日同じタイミングでするのではなく、土の状態を確認してから行いましょう。特に屋外の場合は、雨が降った後は水やりを控えめにします。また、冬は植物の成長が遅くなるので、水やりの頻度も少なくなります。
植物の種類によっても水の好みは異なります。多肉植物やサボテンは乾燥を好みますが、シダ類などは湿った環境を好みます。それぞれの植物に合った水やりを心がけましょう。

5-2肥料の与え方と時期

植物の健康な成長には、適切な栄養補給も重要です。しかし、肥料の与えすぎは逆効果になることもあるので注意が必要です。初心者は、緩効性肥料(ゆっくりと効く肥料)を使うと失敗が少ないでしょう。
肥料の基本的な与え方は以下の通りです。
・植物の生長期(春から秋)に肥料を与える
・説明書の用量を守り、与えすぎないようにする
・液体肥料は水やりの後に与える
・植物が弱っているときは肥料を控える
・冬は休眠期なので、基本的に肥料は必要ない
多年草・宿根草には、春の芽吹き前と花後の2回、肥料を与えるのが一般的です。肥料には、化学肥料と有機肥料がありますが、初心者は使いやすい緩効性の化学肥料から始めるといいでしょう。
また、肥料は植物の種類によっても適したものがあります。花を楽しむ植物にはリン酸分が多いもの、葉を楽しむ植物には窒素分が多いものを選ぶと効果的です。

5-3植え付けと植え替えの基本

植物の植え付けや植え替えは、その後の生育に大きく影響します。適切な時期や方法を知っておくことで、植物の定着率が高まります。
植え付けと植え替えの基本は以下の通りです。
・植え付けは春か秋の涼しい時期に行う
・植物に適した用土を選ぶ
・鉢植えの場合は排水孔を確保する
・根を傷つけないように丁寧に扱う
・植え付け後はたっぷりと水を与える
多年草・宿根草は、春に植えると夏までに根が張って夏越しがしやすくなります。また、秋に植えると冬までに根が張って、翌春には元気に芽吹きます。真夏や真冬の植え付けは避けましょう。
植え替えは、根詰まりを起こした時や、株が大きくなりすぎた時に行います。鉢植えの場合は1〜2年に一度、春か秋に植え替えるとよいでしょう。その際、一回り大きな鉢に替えるか、株分けをして同じ鉢に戻すといいでしょう。

5-4病害虫対策の簡単な方法

健康な植物を育てるためには、病気や害虫から守ることも大切です。農薬に頼らなくても、予防や初期対応で多くの問題を解決できます。
病害虫対策の基本は以下の通りです。
・植物の周りを清潔に保ち、枯れた葉や花を取り除く
・風通しをよくし、湿度の高い環境を避ける
・定期的に葉の裏側もチェックする
・害虫を見つけたら早めに対処する
・健康な株づくりのために適切な水やりと肥料を与える
予防策としては、植物の間隔を十分にあけて風通しをよくすることが大切です。また、害虫を寄せ付けない植物(マリーゴールドやニームなど)を一緒に植えるのも効果的です。
万が一、病害虫が発生した場合は、被害の少ないうちに対処することが重要です。軽度なら、水で洗い流したり、手で取り除いたりする方法が効果的です。重度の場合は、環境に優しい石鹸水スプレーなどを使用してみましょう。

まとめ

ガーデニング初心者でも育てやすい多年草・宿根草を中心に、季節別・場所別・目的別のおすすめ植物と育て方のコツをご紹介しました。植物選びは自分の生活スタイルや環境に合ったものを選ぶことが大切です。「水やりを忘れがち」という方は乾燥に強い多肉植物やラベンダー、「日陰しかない」という方はギボウシやヒューケラなど、それぞれの条件に合った植物を選ぶことで、無理なくガーデニングを楽しめます。
ぜひ、この記事を参考に、あなたも植物のある生活を始めてみませんか?最初は小さな一鉢から、徐々に種類を増やしていくことで、四季折々の植物の変化を楽しみながら、心豊かな毎日を過ごせるはずです。さあ、あなたにぴったりの植物を見つけて、ガーデニングライフを始めましょう!

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
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